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□□■ 果物&健康NEWS Vol.108 ■□□
■ 2006年6月30日(金) ■
みなさん、こんにちは!
特集は「糖尿病の主因は肥満:果物を含む食習慣で予防」です。
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毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは http://www.kudamono200.or.jp
果樹農業は未来を拓く! Do! our BEST.
:::■ メニュー ■::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
◇ くだもの健康豆知識:モモの食べ頃
◇ 今週のレシピ:モモ
◇ 糖尿病の主因は肥満:果物を含む食習慣で予防
◇ 品種紹介:モモ「まさひめ」
◇ 文献紹介:カンキツ果汁は骨を強くする
◇ ローマからのフルッタ通信
◇ 今日は何の日:七夕(7月7日)
◇ 編集部より
□ くだもの健康豆知識:モモの食べ頃
モモが店頭に並ぶ季節となりました。これからが旬です。モモは食べ頃の見分け方の難しい果物です。果実全体がふっくらと丸みを帯び、うぶ毛がそろい、左右対称で全体が均一に色づいていて鮮やかな赤味を呈している果実が美味しいモモです。ただし、白桃は例外で果実の表面の緑色が消えて、乳白色になったら食べ頃です。
完熟すると皮を手でむくことができ、とろけるような肉質となります。こうした柔らかいモモを好む人と、少し硬いくらいのモモを好む人がいます。モモは日持ちしないので早めに食べることをお勧めします。
最近では、光センサー(近赤外分光法)を用いて非破壊で糖度選別したモモも販売されています。
□ 今週のレシピ:モモ
○ モモとプラムのジャム
プラムを混ぜるのは、淡白なモモの味がしまって、深みがでるためだそうです。
材料 (500ccの瓶約1個分)
白桃(中) 2個、プラム 4個、レモン汁 1/2個分、グラニュー糖 適量
下記のサイトで作り方と出来上がりの写真を見ることができます。
http://www.mint-j.com/toko/019.htm
○ロースト・ピーチ、ヨーグルトアイスクリームとピスタチオ・プラリネ添え
西オーストラリア州政府観光局がお勧めするロースト・ピーチです。
材料 (6人分)
ロースト・ピーチの材料:
溶かしバター 2/3カップ、砂糖 1/2カップ、熟れたピーチ 6個
ヨーグルト・アイスクリームの材料:
プレーンヨーグルト 3カップ、生クリーム 2カップ、牛乳 1カップ、黄卵 7個分、砂糖
1カップ
ピスタチオ・プラリネの材料:
砂糖 1カップ、水 1カップ、ピスタチオ 1/2カップ
下記のサイトの中ほどに作り方があります。
http://www.jp.westernaustralia.com/recipe.html
□ 糖尿病の主因は肥満:果物を含む食習慣で予防
糖尿病には1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病などの病型がありますが、日本では約90%が2型糖尿病です。最近、フィンランドと日本で果物を含む食習慣が2型糖尿病の予防に有効であるとの研究結果が発表されました。
2型糖尿病は、身体がインスリン抵抗性を示すためインスリンの働きが悪くなり、インスリンを多く必要とするのに必要量を分泌できないと発症します。過食、運動不足、肥満などが発症に関係していると考えられてきました。
2型糖尿病発症の理由を解明するために、アメリカで18歳〜79歳の約31,000人を対象に1997年から2003年まで追跡調査が行われました(文献1)。その結果、7年間で2型糖尿病患者が千人当たり1.9人から6.9人へと41%も増加していました。また、同時期に肥満とされる人も千人当たりで14.2人から18.3人へと増加し、2型糖尿病発症と関係していることが分かりました。一方、運動と2型糖尿病との間にはこのような関係ははっきりしませんでした。そのため研究者らは2型糖尿病の主要因は肥満であると結論づけています。
2型糖尿病予防には、果物、野菜、カロテノイド、葉酸などの効果が明らかとなっていますが、食品は単独で食べられることはないため、予防のための食事パターン(食習慣)の解析が求められていました。
フィンランドで1967-1972年に糖尿病に罹患していなかった男女4,304人を対象に23年間の追跡調査が行われました(文献2)。調査の結果、2つの主要な食事パターンが特定されました。果物と野菜を多く摂取することが特徴的な「バランスのよい適度な」食事パターンと、バター、じゃがいもなどの摂取で特徴づけられる「伝統的な」食事パターン(欧米型食事)です。
2型糖尿病の発症に対して、「バランスのよい適度な」食事パターンの人は、そうでない人と比べてリスクが28%低いことが分かりました。このグループでは、果物(ベリー類を含む)を1日当たり平均で209.9g摂取していることが分かりました。一方、「伝統的な」食事パターンでは2型糖尿病発症率が増加していました。
以上の結果から、研究者らは2型糖尿病予防には、果物と野菜を多く摂取する栄養バランスのよい食習慣が有効であると結論づけています。
日本ではどうでしょうか。日本人は、遺伝的に欧米人より糖尿病になりやすいため、欧米のデータをそのまま適用することはできないとされてきました。そこで、九州大学と自衛隊病院とが共同して男性の自衛隊員2,106人を対象に2型糖尿病と食事パターンについて調査を行いました(文献3)。
調査から1)果物、野菜、乳製品、デンプンを多く摂取し、アルコールの摂取量が少ない食事パターン(DFSA食事パターン)、2)動物性食品の多い食事パターン(欧米型食事パターン)、3)果物や乳製品の摂取量の少ない伝統的な日本型食事パターンの三つの食事パターンが特定されました。
食事パターンと2型糖尿病発症との関係について検討した結果、果物などを多く摂取するDFSA食事パターンの食生活をしている人は、そうでない人と比べて49%2型糖尿病の発症リスクが少ないことが分かりました。この果物などを多く摂取するDFSA食事パターンは、心臓病や脳卒中などの予防のためにアメリカで提唱されているDASH摂取プランと類似の食事パターンであることも分かりました。また、この結果は、果物を食べると2型糖尿病になるとの説は誤解であることも示しています。
一方、他の二つの食事パターンではリスク減少効果は認められませんでした。伝統的な日本型食事パターンに予防効果が認められなかった理由として、日本人の果物摂取量と乳製品の消費量が少ないためではないかと著者らは推測しています。
以上の結果は、農林水産省や厚生労働省がまとめた「食事バランスガイド」や「毎日くだもの200グラム」などで提唱されている果物を含む新日本型食習慣は、2型糖尿病予防に有効であることを示しています。
【文献】
1) Geiss, L.S. et al.: Changes in Incidence of Diabetes in U.S. Adults,
1997-2003. Amer. J. Prev. Med. 30: 371-377. (2006) [doi: 10.1016/j.amepre.2005.12.009]
2) Montonen, J. et al.: Dietary patterns and the incidence of type 2 diabetes.
Am. J. Epidemiol. 161: 219-227. (2005)
3) Mizoue, T. et al.: Dietary patterns and glucose tolerance abnormalities in Japanese men. J. Nutr. 136:1352-1358. (2006)
□ 品種紹介:モモ「まさひめ」
「まさひめ」は「21-18」と「あかつき」を交配してできた白肉の品種です。果皮の地色は白色で、陽光面を中心に中程度に着色します。果肉は溶質でしまり、日持ち性は良好です。果汁が多く、糖度は13〜14%と高く、甘味が強いおいしい品種です。
「まさひめ」の果実の写真は下記のサイトで見られます。
http://www.fruit.affrc.go.jp/kajunoheya/ikuseihinsyu/
data/hinsyu/cu-masahime.html
□ カンキツ果汁は骨を強くする
骨粗しょう症モデルのネズミの朝食にオレンジジュースかグレープフルーツジュースを与えたところ、骨が強くなったとアメリカ・テキサスA&M大学の研究グループが発表しました。この理由としてジュースに含まれている抗酸化成分が骨をもろくするオキシダントの働きを抑制するためではないかと著者らは述べています。
【文献】
Deyhim, F. et al.: Citrus juice modulates bone strength in male senescent
rat model of osteoporosis. Nutrition 22: 559-563. (2006)
□ ローマからのフルッタ通信
ローマの街ではこのところ緑・白・赤のイタリア国旗をやたらと目にするようになりました。ワールドカップの応援のためで、試合を重ねるごとに街が興奮していくのがわかります。
イタリア初戦の9日、私はいつも混んでいる人気のピザ屋にいました。試合が始まった夜9時頃は普段なら最も賑わっている時間なのですが、その日はピザ屋から人影が消えていました。
2戦目の17日、同じピザ屋の前を通りかかると本来は営業している土曜日でしたが、もう仕事をしている場合ではなかったらしくワールドカップのため臨時休業となっていました。
3戦目のときは残念ながら私は仕事中だったのですが、試合が終了していた夕方7時頃も興奮冷めやらぬという感じでクラクションをならし、国旗を振りかざして走る車やバイクにたくさんすれ違いました。
この記事が皆さんに読まれる頃はもう決勝トーナメントが始まっていると思いますが、イタリア人がどれだけ賑やかになるのか楽しみです。
サッカーの話はつきませんが、フルーツ通信なのでピザ屋で食べたオリーブ料理を紹介したいと思います。日本にもオリーブの日があることをご存知でしたか?私はこのメールマガジンで日本では3月15日がオリーブの日であることを知りました。(ちなみに、オリーブが果物であるということも初めて認識した次第です。)
ご存知のとおりオリーブはイタリアで大変なじみのある食材です。私は実はオリーブ嫌いだったのですが、そんな私もおいしいと思ったのが、「Olive
Ascolane」です。ピザ屋ではピザの前にちょっとした揚げ物をよく注文しますが、その揚げ物の1つです。
ひき肉詰めオリーブの揚げ物とでも言えばいいのでしょうか。もともとはアドリア海に面したマルケ州の名物だそうです。だいたい6個で3ユーロぐらいです。どのピザ屋のメニューにもほぼ間違いなく載っているので、ローマでピザ屋に行く機会があったら是非試してみてください。(H.
Sato)
□ 今日は何の日:七夕(7月7日)
七夕の由来は、中国の古い物語と、元々日本にあったお盆の前の棚機(たなばた)の行事が一緒になったお祭りのようです。そのため、たんざくに願いごとを書いてかざりつけ、ウリやスイカなどをたなばたさまにお供えする風習があったようです。
こうした風習は小説の中でも描かれています。岡本綺堂著「西瓜」に、『きょうは主人の言いつけで、湯島の親類へ七夕に供える西瓜を持ってゆく途中、道をあやまって御徒町の方角へ迷い込んで来たものであるということが判った。』とあります。
たなばたさまにお供えをする風習は廃れてきていますが、お供えするなら今が旬のモモ、メロン、ビワ、サクランボ、スイカなどではないでしょうか。
☆☆ 七夕には星を見ながら果物を食べよう
☆ 編集部より ☆
個人的な嗜好ですが、モモはやや硬めの方が好きです。缶詰用品種「錦」は、果肉が硬めで酸味もあるため気に入っています。(tnk)
先日、5月に受けた健康診断の結果が配られました。結果は、生活習慣病の危険信号が真っ赤っかに点滅していました。果物はたくさん食べていると自負していたのですが、それ以上に、全く衰えない食欲と飲酒が問題みたいです。とほほほ...。(uru)
先日、沖縄の石垣島産のピーチパインを購入しました、輸入品などの通常量販店で購入できるパインとは味は全くの別物で非常に美味でした。
今年のピーチパインは昨年の台風の影響で生産量が非常に少ないそうですが、皆様も購入する機会があれば、是非ご賞味下さい。(sk)
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ご協力に感謝いたします。 編集長 敬白
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