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□□■ 果物&健康NEWS Vol.117 ■□□
■ 2006年9月 1日(金) ■
みなさん、こんにちは!
特集は「健康寿命とアルツハイマー病」です。
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毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは http://www.kudamono200.or.jp
果樹農業は未来を拓く! Do! our BEST.
:::■ メニュー ■::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
◇ くだもの健康豆知識:リンゴの季節は「つがる」から
◇ 今週のレシピ:リンゴ
◇ 健康寿命とアルツハイマー病
◇ ローマからのフルッタ通信
◇ 品種紹介:リンゴ「きたろう」
◇ 果物の歌:リンゴ「My Favorite Thing」
◇ 文献紹介:大きな食器も太る原因
◇ 第4回 ザ・地産地消 家の光料理コンテスト
◇ 編集部より
□ くだもの健康豆知識:リンゴの季節は「つがる」から
いよいよリンゴの季節が始まります。最初は「つがる」からです。その後「千秋」、「紅玉」、「ジョナゴールド」、「王林」と続き、最後は「ふじ」です。かじる度に口の中に果汁があふれ、シャキシャキとした食感で爽快な気分になります。
美味しいリンゴは果皮に張りがあり、ずっしりと重いものです。お尻に緑色が残っているものはまだ未熟です。
果肉の一部が水浸状になったところを「みつ」といいます。葉から果実に転流してきた糖が細胞からあふれ細胞間隙にまで満たされると「みつ」になります。「みつ」の発生程度は品種によって異なり、「ふじ」などでよく発生します。
■ そうだ リンゴ、食べよう。
□ 今週のレシピ:リンゴ
○ リンゴのシュトルーデル
シュトルーデルはオーストリアの菓子で、リンゴなどを、うすくのばしたパイのような生地で包み込んだものです。「My Favorite Thing(私のお気に入り)」の一つです。
材料 (4人分)
リンゴ(紅玉) 2個、砂糖 80g、水 大さじ3杯、カルバドスまたはキルシュ
少々、ケーキクラム(スポンジケーキをほぐしたもの) 適量、レーズン 大さじ2杯、グラニュー糖
30g、レモン汁 1/2個分、リキュール 少々、春巻きの皮(角版) 3枚、バター
適量、粉砂糖 適量
下記のサイトで作り方と出来上がりの写真を見ることができます。
http://www.foods.co.jp/teabreak/sweets/recepi/sweet144.html
○アップル・クーヘン
京都府国際センターが提供するオーストリア家庭料理です。
材料(8人前)
生地:
バター 400g、砂糖 400g、ベーキングパウダー 少々、卵 6個、塩 少々、バニラエッセンス
少々、ラム酒 少々、薄力粉 400g
飾り:
リンゴ 1.5kg(紅玉)、レモン汁 1個分、シナモン 少々、生クリーム 200ml
下記のサイトで作り方を読むことができます。
http://www.kpic.or.jp/recepi/f-austri/index.html#3
□ 健康寿命とアルツハイマー病
WHO(世界保健機関)がまとめた2002年のデータによれば日本人の生命寿命は、男性が78.4歳、女性が85.2歳でした。人生80年の時代ですが、2050年頃には日本人の生命寿命は90歳を超えるのではないかとの予測もあります。
一方、生命寿命とは別に健康体でいられる期間を示す健康寿命についてまとめたWHOの試算によれば、日本人の健康寿命は男性が72.3歳、女性が77.7歳でした(文献1)。生命寿命と健康寿命の両者を比較すると男性で6.1年、女性で7.5年の開きがあります。
そのため、生命寿命と健康寿命の差を縮める健康施策が求められています。簡単に言えば、「死ぬまで元気で生きる」です。中でもアルツハイマー病など認知症にはなりたくないとの思いが強いようです。
果物の摂取はアルツハイマー病予防に効果があるとの報告が蓄積していますが、そのことを支持する研究が最近発表されました。
アメリカ・マサチューセッツ大学の研究チームは、動物を用いた実験から、リンゴは脳の中にある神経伝達物質であるアセチルコリンを増やす働きがあると発表しました(文献2)。この報告は、アルツハイマー病の予防につながる成果です。
研究者らはアルツハイマー病に関係するApoEを欠くモデルマウス(成人マウス(9-12ヶ月)と高齢マウス(2-2.5ヶ月))に、標準食、葉酸やビタミンEなどを欠く栄養欠乏食、濃縮リンゴジュースを補った栄養欠乏食の3種類を食べさせた実験を行いました。マウスに与えたリンゴジュースの量を人に換算すると1日当たりリンゴ2-3個です。
その結果、栄養欠乏食にリンゴジュースを補って飼育したマウスの脳で、アセチルコリンの生成が増加しました。また、迷宮テストでも他のグループと比較して統計的に有意によい成績を修めました。
現在行われているアルツハイマー病に対する治療は、脳の中でアセチルコリンを破壊するコリンエステラーゼ酵素を阻害する薬物療法によって行われています。こうしたことから研究者らは、リンゴの摂取はアルツハイマー病の予防に役立つと考えています。
また、アメリカ・南フロリダ大学の研究チームは、果物や野菜ジュースを愛飲するとアルツハイマー病の発症リスクが4分の1に抑えられると報告しています(文献3)。
アメリカ・ワシントン州シアトルに住む65歳以上の日系人男女1836人を7〜9年間にわたり疫学調査を行った結果、コップ1杯(約240ml)の果物・野菜ジュースを週に最低3回飲む人は、週1回未満の人に比べて、アルツハイマー病の発症リスクが73%低いことが分かりました。
週1-2回でも発症のリスクが32%低くなりました。一方、サプリメント(ビタミンE、C、β-カロテン)の摂取ではアルツハイマー病に対する予防効果は認められませんでした。
以上のように実験系の研究も疫学系の研究も、果物の摂取でアルツハイマー病を予防できると示唆しています。すでに、果物を摂取すると心臓病など生活習慣病予防効果が明らかとなっているので、果物をたくさん食べると「死ぬまで元気で生きる」可能性が高まるかもしれません。
【文献】
1) WHO: Healthy Life Expectancy 2002. from the 2004 world Health Report.
http://www.who.int/whosis/whostat2006_mortality.pdf
2) Chan, A. et al.: Apple juice concentrate maintains acetylcholine levels following dietary compromise. J. Alzheimer's Disease 9: 287-291. (2006)
3) Dai, Q. et al.: Fruit and Vegetable Juices and Alzheimer's Disease:
The Kame Project. Am. J. Med. 119: 751-759. (2006)
□ ローマからのフルッタ通信
皆さんもすでにご存知かと思いますが、健康増進を主な目的とした果物・野菜の消費を増やそうという運動は世界中で行われています。いつもはローマの市場で見かける果物についてお伝えしているローマフルッタ通信ですが、今回はローマに本部を置くFAO(国連食糧農業機関)によるそのような運動の1つについてお伝えしたいと思います。
FAOはWHO(世界保健機関)と協力して、果物と野菜の供給、消費を推進することによって慢性疾患のリスクを減らすことを目指し、「グローバル果物・野菜イニシアティブ」を展開しています。
世界的に見て、果物・野菜の消費量はWHOの勧める1日1人あたり最低400グラムを大きく下回っています。なぜ、果物・野菜の消費は十分でないのでしょうか。その理由は気候条件、不適切な農業技術、収穫後の損失などの供給側の問題から、貧困、文化的背景からの果物・野菜に対する誤った認識、ファーストフードなどの消費の増加など広範に及んでいます。
例えばエチオピアの場合、所得の少ない農家は、野菜よりも害虫や病気によるリスクのより少ない穀物や豆類を育てたがります。商業目的に園芸作物を育てている地域もありますが、それらは輸出向けです。結果的にエチオピアの果物・野菜の消費量は1日100グラム以下(中ぐらいの人参1本分)となっています。
グローバル果物・野菜イニシアティブでは、神戸で開催されたワークショップにおいて国レベルにおける行動の枠組みを作成すると共に、国毎の活動計画を支援しています。開発途上国におけるこれらの試みは、果物・野菜の消費増加のみならず、生産から流通に関わる人たちの技術や所得の向上も目指しています。(H.
Sato)
ご参考(英語)
http://www.fao.org/ag/magazine/0606sp2.htm
□ 品種紹介:リンゴ「きたろう」
「きたろう」は「ふじ」と「はつあき」を交配してできた新品種です。果実の大きさは通常250〜270g前後です。果皮色は黄色ですが、陽光面は淡紅色に着色します。糖度は15%前後と高く、酸含量は0.5%前後なので甘酸適和した食味の濃厚なリンゴです。また、日持ち性が優れていて常温で15日、冷蔵で90日以上貯蔵できます。
「きたろう」の果実の写真は下記のサイトで見られます。
http://www.fruit.affrc.go.jp/kajunoheya/ikuseihinsyu/
data/hinsyu/cu-kitaro.html
□ 果物の歌:リンゴ「My Favorite Thing」
第二次世界大戦中のオーストリアを舞台にした映画「サウンド・オブ・ミュージック(The
Sound of Music)」(1964年)の中で、マリア(ジュリー・アンドリュース)が、雷を怖がる子どもたちに「楽しいことを考えて」と励ます場面で「My
Favorite Thing(私のお気に入り)」が歌われました。
わたしのお気に入りは、Cream-colored ponies and crisp apple strudels(クリーム色したポニーとぱりぱりのリンゴのシュトルーデル)です。
中高年の人には、楽しくもあり、切なくもあった青春の思い出の曲かも知れません。でも若い人は、JR東海のコマーシャル「そうだ 京都、行こう。」のバックミュージックに使われている曲といった方が分かりが良いのかも知れません。
歌詞と演奏は下記のサイトです。クリックすると演奏が始まりますので、演奏がじゃまな人は消音してからクリックしてください。
http://www.niehs.nih.gov/kids/lyrics/favorite.htm
マリアが「My Favorite Things」を歌う場面は下記です。
http://www.imdb.com/gallery/ss/0059742/Ss/0059742/
5?path=gallery&path_key=0059742
■ そうだ リンゴ、食べよう。
□ 文献紹介:大きな食器も太る原因
食品・栄養の専門家85人を招いた会合で、アイスクリームの取り分け量と食器の大きさを調べたところ、食器のサイズが小さいと、取り分け量も少ないことがアメリカ・コーネル大学の調査から分かりました。
会合の参加者に対して17オンス(約482ml)または34オンス(約964ml)の食器と、2オンス(約57ml)または3オンス(約85ml)のスクープ(さじ)を無作為にわたし、アイスクリームの取り分け量を測定しました。
その結果、食器のサイズを2倍にすると取り分け量が31%増加し、大きめのスクープの使用で取り分け量が14.5%増加しました。自分が取り分けた分量やそのカロリーを見た目で判断できる食品や栄養の専門家でも大きめの食器を持てば多く取ってしまうことが分かりました。
以上の結果から、太る原因の一つに取り分ける食器のサイズが影響していると研究者らは述べています。
【文献】
Wansink, B. et al.: Ice Cream Illusions: Bowls, Spoons, and Self-Served
Portion Sizes. Amer. J. Prev. Med. 31: 240-243. (2006) [doi: 10.1016/j.amepre.2006.04.003]
□ 第4回 ザ・地産地消 家の光料理コンテスト
JA全国女性組織協議会と家の光協会は、地産地消運動を進めるため、地域内自給率の向上や地産地消料理の開発、グループ活動の活性化をめざして、コンテストを実施します(後援:農林水産省)。
今回の募集は、「いきいき長生きレシピ部門」、「がんばれちびっこレシピ部門」、「わいわいファミリーレシピ部門」です。みなさんご自慢のくだもの料理を応募してみてはいかがでしょうか。
応募締め切りは平成18年10月27日(金)(当日消印有効)です。詳しくは下記のサイトをご覧下さい。
http://www.ienohikari.or.jp/news/contest4.html
前回の入賞作品「枝豆だんごの柿みたらし」は下記のサイトで見ることができます。
http://www.ienohikari.or.jp/news/contest3-1.html#ryori04
■ そうだ リンゴ、食べよう。
☆ 編集部より ☆
初夏の天候不順でリンゴの生育が遅れていましたが、8月の好天で順調に回復とのことです。まだ食べていませんが、今年の「つがる」の味と食感が楽しみです。(tnk)
先日、体重を計ったら71kg台まで落ちていました。少し痩せたお祝いにsk
氏らとお寿司の食べ放題に行ったところ、なんと、いとも簡単に2kgほどリバウンドしました。でも、大丈夫!これからは、国産の美味しい果実がたくさんあるので、「夜8時以降に果物以外は食べないダイエット!」ですぐに元に戻ると信じてます。(uru)
最近は、梨、もも、ぶどう等々、毎日食べる果物を何にするのか悩んでしまい嬉しい限りです。もう少しで、リンゴ、みかん等も選択肢に入ってくるので、さらに悩みそうです。(sk)
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ご協力に感謝いたします。 編集長 敬白
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