Adults in the United States. J. Am. Diet. Assoc. 106: 1172-1180. (2006)




□ 勝ちゃんの家庭で楽しむ果物作り、こんな時どうする
第36回 家庭で楽しむブルーベリー栽培4


 今回は、ブルーベリー栽培の月別の作業内容を紹介します。

 1、2月(休眠期、休眠完了):整枝・剪定、基肥施用
 3月(発芽開始期):苗木の植え付け、鉢替え、挿し木(休眠枝ざし)
 4月(開花期、新梢伸長期):人工受粉、水やり
 5月(果実の肥大期):新梢管理、ひこばえの整理・除去、害虫の防除(コガネムシ類:捕殺)
 6月(果実の肥大・ 着色期、早生品種成熟期):新梢管理、摘心、害虫(コウモリガ対策:まめな除草)鳥害対策、追肥
 7月(中生品種成熟期):収穫、追肥、鉢植え幼木の植え替え、挿し木(緑枝挿し)
 8月(晩生品種成熟期):収穫、防鳥ネットの片付け、追肥
 9月(新梢停止・充実期):収穫、病害虫防除(被害が多かったとしは越冬する卵や幼虫の防除)
10月(紅葉期):植え付け、マルチ
11月、12月(落葉期):整枝・剪定、基肥施用、マルチ

病害虫対策
 ブルーベリーは病害虫の発生が少なめの樹種で、農薬による定期的な防除の必要はあまりありません。しかし葉を食害するコガネムシ類やミノムシ類、ハマキムシ類、イラガ類が発生することがあります。ミノガ類の発生で放っておくと樹の葉が食害され、丸坊主になるほどの被害を受ける場合があります。また、コガネムシ類、イラガ類などによる葉の食害被害が見られる場合もあります。その場合はできるだけ早期に捕殺などで防除を行ってください。そうすれば、農薬散布を控えることができます。

 その他、病害虫を防ぐには、落葉や剪定枝の処分や株まわりの草取り(コウモリガ対策)をまめにしてください。こうすると、病害虫の密度が減るので無農薬で栽培・収穫することができます。ただ、庭植えなどでは、他の庭木との共通病害虫などもいて、やむを得ず農薬を使用する場合も出ると思います。その場合には、農薬登録されている薬剤を使いましょう。農薬は対象となる樹種が決められているので、発生する病害虫に効果のある薬剤であっても未登録農薬は使用できません。 (K. Suzuki)




□ 牛乳は大切な食材の一つ

 健康増進には様々な食品をバランスよく食べることが大切です。そのため、果物の摂取はもちろんですが、牛乳も大切な食材の一つです。ところが最近、牛乳有害説が流布しています。

 こうした牛乳有害説に対して「科学的検証ない」と仁木良哉北大名誉教授が毎日新聞の紙面で批判しています。非常に要領よくまとまっていますので下記のサイトをご覧下さい。

http://www.j-milk.jp/topics/8d863s000006vdx1.html


・牛乳は子牛が飲むもの。人間が飲むのは自然の摂理に反する

仁木氏:子牛のための牛乳と食品としての牛乳の意義を混同している。人類は牛を紀元前数千年前から家畜化し、牛乳を食べ物として利用してきた。この優れた食品である牛乳の利用がなぜ自然の摂理に反するのか。

 これは、非科学の典型的な表現です。科学とは自然の摂理を解明することです。

・米国人7万8000人を12年間追跡し牛乳を飲むほど骨粗鬆(こつそしょう)症になる関係を明らかにしたハーバード大の研究がある

仁木氏:その論文には「牛乳を飲むほど骨粗鬆症になる」とは書かれていない。牛乳の摂取によって骨折のリスクが減る証拠はないと結論づけているが、日本人の1日所要量に相当するカルシウム(600ミリグラム)を摂取したグループと、それ以上摂取したグループとを比較しており、カルシウム摂取量が所要量まで平均していっていない我々日本人には意味のないデータだ。自分の主張に都合良く訳している。

 上記の論文は、Feskanich, D. et al.: Milk, dietary calcium, and bone fractures in women: a 12-year prospective study. Am. J. Public. Health. 87: 992-997. (1997)です。内容については仁木氏の指摘の通りです。ぜひ、PubMedなどでご確認下さい。

 牛乳が有害であるとの科学的データはありません。下記サイトの国際骨粗しょう症財団でも牛乳の摂取を勧めています。
http://www.osteofound.org/activities/world_osteoporosis_day/
pdf/food_and_nutrition_fact_sheet.pdf





□ テレビ放送の紹介

1.@番組名:「いまどきごはん」
  A放送局:朝日放送
  B放送日時:平成18年9月10日(日)18:00〜18:30
  C放送内容:番組内で、和洋女子大の坂本先生が出演し、毎日くだものを

  200グラム以上食べることを奨めるインフォマーシャル(3分間)を放送します。

2.@番組名:「はなまるマーケット」
  A放送局:TBSテレビ
  B放送日時:平成18年9月11日(月)8:30〜9:55
  C放送内容:「秋の三大フルーツ ぶどう!梨!りんご!」

 ぶどう、梨、りんご、それぞれの産地を訪れ、機能・効能、美しいものを選ぶ目利き方などをクイズ等を交えて説明します。また、料理研究家の中村史さんによる果実を使用したスイーツの紹介も行います。




☆ 編集部より ☆

 果物の摂取を勧めているからといって、牛乳有害説をやり過ごすHTTP/1.1 200 OK Date: Wed, 24 Feb 2010 13:41:09 GMT Server: Apache/1.3.41 Ben-SSL/1.59 (Unix) PHP/4.4.9 with Suhosin-Patch Last-Modified: Sat, 23 Dec 2006 08:19:33 GMT ETag: "2b57236-5105-458ce695" Accept-Ranges: bytes Content-Length: 20741 Keep-Alive: timeout=15, max=100 Connection: Keep-Alive Content-Type: text/html メルマガ果物&健康NEWS:第118回 果物と骨粗しょう症:最近の話題
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第118回 果物と骨粗しょう症:最近の話題

  




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□□■ 果物&健康NEWS Vol.118 ■□□
   ■   2006年9月 8日(金)    ■


みなさん、こんにちは!
特集は「果物と骨粗しょう症:最近の話題」です。
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毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは http://www.kudamono200.or.jp
果樹農業は未来を拓く! Do! our BEST.


:::■ メニュー ■::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

 ◇ くだもの健康豆知識:種なしブドウ
 ◇ 今週のレシピ:ブドウ
 ◇ 果物と骨粗しょう症:最近の話題
 ◇ 品種紹介:ブドウ「シャインマスカット」
 ◇ 文献紹介:果物は沢山食べても大丈夫
 ◇ 勝ちゃんの家庭で楽しむ果物作り、こんな時どうする(第36回)
 ◇ 牛乳は大切な食材の一つ
 ◇ テレビ番組の紹介
 ◇ 編集部より



□ くだもの健康豆知識:種なしブドウ

 果樹は、受精すると子房などが肥大して種子の入った果実ができます。ところが、ブドウの開花前、植物ホルモンの一種であるジベレリンを入れたコップに花穂(かすい)を浸すと、種なしの果実になります。しかし、このままでは果実が大きくならないため、満開後にもう一度ジベレリン水溶液に浸すと、種が発育せず果実のみが肥大します。

 最初、「デラウエア」で種なしブドウの栽培技術が作られました。今では「巨峰」、「ピオーネ」、「安芸クイーン」など、果実の大きい品種でも種なしブドウを作ることができます。我が国で生まれたこの画期的な技術は、世界でも高く評価され、賞賛されています。




□ 今週のレシピ:ブドウ

○鯖みそのブドウ煮

材料(4人分)
 鯖 1尾分、水 300cc、酒 300cc、砂糖 大さじ3 杯、正油 大さじ1杯、 味噌 100g〜130g、ゴマペースト 大さじ1杯、ブドウ 5〜6粒

下記のサイトで作り方と出来上がりの写真を見ることができます。
http://recipe.gnavi.co.jp/recipe/1336.html

○ ブドウとカッテージチーズのオードブル

材料(6個分)
 ブドウ「デラウェア」 200g、カッテージチーズ 200g、 リンゴ 適宜、白ワイン 大さじ1杯、砂糖 大さじ3杯、 レモン汁 適宜、クラッカー 適宜

下記のサイトで作り方と出来上がりの写真を見ることができます。
http://gourmet.goo.ne.jp/recipes/346.html




□ 果物と骨粗しょう症:最近の話題

 骨粗しょう症は、骨の中のミネラル量の指標である骨密度(BMD)が減少し、徐々に骨がもろくなり骨折しやすくなる病気で女性で多く発症します。女性の骨密度は若いうちは増大していき、30歳ごろにピークを迎えて骨の強度が最大となります。以後は骨密度が徐々に減少していき、閉経を迎える51歳ごろから骨密度の減少が加速されます。

 特に原因となる病気がなく、骨の形成や吸収にかかわる機能の異常によって起こる骨粗しょう症には、閉経後骨粗しょう症、老人性骨粗しょう症、特発性骨粗しょう症の3つの病型に分けられます。高齢の女性にみられる骨粗しょう症は、閉経後骨粗しょう症と老人性骨粗しょう症の2つの要素が混在しています。

 骨粗しょう症予防には、カルシウムとビタミンDの摂取が有効なことはよく知られていますが、近年、果物の摂取も骨粗しょう症予防に効果があるとの科学的証拠が蓄積しています。

 イギリスで、思春期の少年、少女(16-18歳)、若い女性(23-37歳)、高齢の男性、女性(60-83歳)を対象に骨密度と果物と野菜の摂取量との関係について調査が行われました(文献1)。その結果、果物と野菜の摂取は、若い世代でも高齢世代でも骨密度の維持に貢献していることが分かりました。その理由として、果物には、ビタミンCや抗酸化成分などが豊富に含まれているためではないかと研究者らは推測しています。

 また、カリウムの摂取量の多い人は少ない人と比べ、骨が丈夫であることがイギリスの調査から分かりました(文献2)。特に、閉経前の女性でカリウムを多く摂取している人は少ない人に比べて骨密度が8%も違いがありました。このことから、果物や野菜などからカリウムを摂取すると、骨粗しょう症のリスクを下げることができると述べています。

 中国の田舎に住む男性5848人と女性6207人(25-64歳)を対象に骨密度との関係を調べた結果、魚介類と果物の摂取が多いと骨密度が高いことが分かりました(文献3)。果物では、1週間当たり250g以上摂取していると男性も女性も骨密度が高く維持されていました。しかし、野菜ではこの傾向は認められませんでした。

 さらに、動物実験などからウンシュウミカンやカキなどに含まれているβ-クリプトキサンチンやビタミンCが骨粗しょう症予防に効果的であることが明らかになっていましたが、リンゴに含まれているフロリジンなどポリフェノールにも骨粗しょう症予防効果が、マウスの実験から明らかになりました(文献4)。

 こうした研究は、若いうちから果物を沢山食べていると骨粗しょう症のリスクが減ることを示しています。

【文献】
1) Prynne, C. J. et al.: Fruit and vegetable intakes and bone mineral status: a cross sectional study in 5 age and sex cohorts. Am. J. Clin. Nutr. 83: 1420-1428. (2006)

2) Macdonald, H. M. et al.: Low dietary potassium intakes and high dietary estimates of net endogenous acid production are associated with low bone mineral density in premenopausal women and increased markers of bone resorption in postmenopausal women. Am. J. Clin. Nutr. 81: 923-933. (2005)

3) Zalloua, P. A. et al.: Impact of seafood and fruit consumption on bone mineral density. Maturitas. Online Jun. 26 (2006) [doi: 10.1016/j.maturitas.2006.05.001]

4) Puel, C. et al.: Prevention of bone loss by phloridzin, an apple polyphenol, in ovariectomized rats under inflammation conditions. Calcif Tissue Int. 77: 311-318. (2005)




□ 品種紹介:ブドウ「シャインマスカット」

 「シャインマスカット」は、「安芸津21号 (あきつ21ごう)」と「白南(はくなん)」からできた品種です(安芸津21号の親は「スチューベン」と「マスカットオブアレキサンドリア」)。

 「巨峰」とほぼ同時期に成熟する黄緑色のブドウでマスカットの香りがします。糖度は高く20%前後になり、酸含量は0.3〜0.4g/100mlと少なく、食味が非常に優れてます。2006年3月9日に品種登録された期待の最新品種です。

「シャインマスカット」の果実の写真は下記のサイトで見られます。
http://www.fruit.affrc.go.jp/kajunoheya/ikuseihinsyu/
data/hinsyu/cu-shinemuscat.html





□ 文献紹介:果物は沢山食べても大丈夫

 アメリカで、成人7500人を調査した結果、果物など低カロリーで体積の大きい食品を摂取する人は、食べる量が多くても総摂取カロリーは低く、かつ、栄養バランスが良いことが分かりました。

 果物や野菜などを多く摂取している人は、肉やスナックなどを摂取している人に比べて摂取カロリーは、1日当たり100kcal低く、逆にカルシウム、鉄、カリウム、ビタミンA、C、B6、葉酸を多く摂取していました。

 その理由として研究者らは、高カロリーで体積の小さい肉やスナックなどに比べて、果物や野菜などはカロリーが低くて体積が大きいことから、満腹感が得られるためではないかと述べています。

【文献】
Ledikwe, J. H. et al.: Low-Energy-Density Diets Are Associated with High Diet Quality inフは科学的な態度とは言えないのではないでしょうか?(tnk)

  山梨県は、梨の文字がついてますが、日本なしの結果樹面積(平成16年)は、全国で下から2番目(沖縄除く)です。意外でした・・・。(sk)

 uru氏は、体調を崩しているため今回のコメントはありません。体重はリバウンドのため、とても書ける体重ではないそうです。(sk)




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