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□□■ 果物&健康NEWS Vol.119 ■□□
■ 2006年9月15日(金) ■
みなさん、こんにちは!
特集は「USDAフードガイドピラミッド2005とその検証」です。
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毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは http://www.kudamono200.or.jp
果樹農業は未来を拓く! Do! our BEST.
:::■ メニュー ■::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
◇ くだもの健康豆知識:カキ
◇ 今週のレシピ:カキ
◇ USDAフードガイドピラミッド2005とその検証
◇ 品種紹介:カキ「甘秋」
◇ 健康ニュース:果樹研と京都府医大の研究をBBCが報道
◇ 勝ちゃんの家庭で楽しむ果物作り、こんな時どうする(第37回)
◇ 文献紹介:「やせ」は太り過ぎより心臓病に悪い
◇ 文学の中の果物:山の別荘の少年(豊島与志雄)
◇ 読者から
◇ 編集部より
□ くだもの健康豆知識:カキ
カキ(渋ガキ)の原生地は中国とされていますが、我が国のカキの歴史も古く、歌聖と呼ばれた柿本人麻呂(660年頃〜720年頃)の庭先にカキの木があったと伝えられています。また、鎌倉時代に発見された「禅寺丸」は、世界で最初の甘ガキと考えられています。
甘ガキのカロリーは60kcal/100gで、レンコン(生)66kcal/100g、めキャベツ(生)50kcal/100gと同程度です。にもかかわらず、健康機能性成分であるビタミンCが70mg/100g、β-クリプトキサンチンが500μg/100gと多く、カテキンやプロアントシアニジンなどの抗酸化成分も豊富に含まれています。
□ 今週のレシピ:カキ
今週は、果物王国の山形県青果物基金が提供するカキのレシピの数々を紹介します。
○ カキとかぶのサラダ(ライム風)
http://www.y-fruit.or.jp/recipe/ky_ka01.html
○ カキと一塩鮭 生姜風味ソース和え
http://www.y-fruit.or.jp/recipe/ky_ka02.html
○ 長芋きゅうりのカキおろし
http://www.y-fruit.or.jp/recipe/ky_ka03.html
○ カキシチュー
http://www.y-fruit.or.jp/recipe/ky_ka04.html
○ フルーツグラタン(カキ)
http://www.y-fruit.or.jp/recipe/ky_ka05.html
そのほか、
「カキ入りミネストローネ」、
「カキとシーフードミックスの炒め物」、
「フルーツクリームサンド」、
「そば入りクレープ(カキ入りカスタードクリーム)」、
「カキのとも和え」、
「じゃが芋とカキのグラタン」、
「カキのリンゴジュース味噌和え」、
「鶏肉のカキソースかけ」、
「カキ入りちらし寿司」、
「あけびとカキのみそ炒め」、
「パンナコッタカキのソースかけ」
の作り方と出来上がりの写真も紹介しています。
□ USDAフードガイドピラミッド2005とその検証
最初のフードガイドピラミッドは、1992年にアメリカ・農務省(USDA)が作成しました。「一日に何をどれだけ食べたら良いか」をわかりやすく国民に伝えるために「アメリカ人のための食生活指針」として公表されました。
このガイドは、ピラミッド型のデザインで、一番下に穀類を配置し、その上に、野菜、果物、肉・魚類、乳製品を重ね、一番上には、なるべく控えたいものとして油と甘いものが示されていました。
このフードガイドピラミッドはアメリカで広く活用されてきました。しかし、摂取量は、年齢、性別、運動量などで異なることを一つのピラミッドでは表しにくいことから2005年にマイ・ピラミッドが公表されました。
マイ・ピラミッド(フードガイドピラミッド2005)では、ピラミッドを横ではなく縦に分割し、穀類はオレンジ色、野菜はグリーン、果物は赤、乳製品はブルー、肉・魚・豆類は紫などと食品を表示しています。そして、望ましい摂取量や割合はピラミッドの横幅で表現しています。
アメリカ・タフツ大学とハーバード大学の研究グループは、男性2138人、女性2213人を調査し、カロリーや栄養素の摂取量と2つのピラミッドとの関連を調査し検証を行いました(文献)。
その結果、現在のアメリカの食習慣では、ナトリウムの摂取量を制限しないと摂取カロリーが多くなることが分かりました。特に、古いフードガイドピラミッドで高い傾向が認められました。新しいマイ・ピラミッドでも約200kcal多くなる傾向が認められましたが、ナトリウムの摂取制限を適用すると適切な摂取カロリーとなりました。
また、ビタミンやミネラルの摂取基準を定めた推奨食事許容量(RDA)と適量摂取(AI)の古い栄養基準(1989)に対しては、両ピラミッドともに基準を満たしていました。しかし、古いフードガイドピラミッドは、最新の推奨食事許容量(RDA)と適量摂取(AI)の基準に達していませんでした。
新しいマイ・ピラミッドで摂取総カロリーを2800kcalとしたパターンでは、食物繊維、ビタミンE、ビタミンA、ビタミンC、カルシウム、マグネシウム、カリウムなどすべて栄養摂取基準を満たしていましたが、2200kcalパターン、1600kcalパターンでは、ビタミンEとカリウムの摂取量が不足気味なことが分かりました(新摂取基準:ビタミンEは15mg/日、カリウムは4700mg/日)。
以上のことから、著者らは、ナトリウムの摂取過剰、カリウムとビタミンEの不足などの点を考慮する必要はあるが、マイ・ピラミッドを利用し、適正なカロリーを摂取すると栄養バランスが保てるとしています。
日本人向けには、「食事バランスガイド」が公表されています。果物と野菜を十分に摂ることを勧めている点でアメリカ版と同じです。
注)日本の摂取目安量:ビタミンEは8-10mg/日,カリウムは1600-2200mg/日
【文献】
Gao, X. et al.: The 2005 USDA Food Guide Pyramid is associated with more
adequate nutrient intakes within energy constraints than the 1992 Pyramid.
J Nutr. 136: 1341-1346. (2006)
□ 品種紹介:カキ「甘秋」
「甘秋(かんしゅう)」は、「新秋(しんしゅう)」と「18-4」を交配して出来た品種で、「伊豆」と「松本早生富有」の中間の時期に成熟する早生の完全甘ガキです。
果実の肉質は緻密で、果汁の多さは中程度ですが、糖度は高く、18%程度となり、食味は良好です。日持ち性は良く、常温で16日程度日持ちします。
「甘秋」の果実の写真は下記のサイトで見られます。
http://www.fruit.affrc.go.jp/kajunoheya/ikuseihinsyu/
data/hinsyu/cu-kanshu.html
□ 健康ニュース:果樹研と京都府医大の研究をBBCが報道
イギリス・BBC NEWSは、果樹研究所で行われたカロテノイドを含むウンシュウミカンが肝疾患、動脈硬化、インシュリン抵抗性のリスクを下げる研究と、京都府立医科大学で行われたウンシュウミカンジュースを飲み続けると慢性ウイルス性肝炎の患者の肝臓ガン発症のリスクを減らす研究を、イギリスの研究者のコメントともに報道しました(2006.9.11)。
果樹研究所の杉浦実氏らの研究では、三ケ日町に住む1,073人を調査した結果、ウンシュウミカンを多く摂取している人は、重篤な疾患と関係する化学マーカーの値が低いことが見いだされました。
このことについて、イギリス・ハート財団(BHF)のCathy Ross氏は、「この研究は、イギリス・ハート財団が推奨している果物と野菜を1日あたり少なくとも5単位食べることを支持する結果です」と述べています。そして、「異なった色の果物と野菜には、異なったビタミンとミネラルを含んでいるので、食事の中に様々な果物や野菜を取り入れるのがよい」とコメントしました。
京都府立医科大学の研究チームは、30人の患者に対して慢性ウイルス性肝炎の患者にカロテノイド含んだウンシュウミカンジュースを毎日飲用してもらったところ1年後に、肝臓ガンに罹患した人はいませんでした。一方、ジュースを飲まなかった45人の患者のグループで8.9%の発症がありました。今後この研究をさらに5年間を続ける計画です。
BBCの上記ニュースは下記のサイトで読めます。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/5333898.stm
□ 勝ちゃんの家庭で楽しむ果物作り、こんな時どうする
第37回 家庭で楽しむブルーベリー栽培5
ブルーベリーに使用可能な農薬
使用できる農薬は、ブルーベリーを対象として登録された農薬以外に、果樹類、落葉果樹、ベリー類として登録されている農薬も使用できます。なお使用可能な農薬であっても登録期限が切れたり承認が取り消されている場合もあるので、使用に際しては注意が必要です。
ブルーベリーに使用可能な登録農薬の一部を下記に示しました。散布などにあたっては農薬のラベルに記載されている使用方法に従ってください。
(A)害虫:ハマキムシ類(ガードジェット水和剤、エスマルクドライフロアブル)、ケムシ・ハマキムシ類(ファイブスター顆粒水和剤)、イラガ類(デルフィン顆粒水和剤)、ドクガ・マイマイガ(サイアノックス水和剤)、カイガラムシ類(石灰硫黄合剤、ダーズバン水和剤25)、コガネムシ類の幼虫(バイオトピア)
(B)病気:斑点病(トモオキシラン水和剤、フジオキシラン水和剤、ストロビードライフロアブル)
(C)剪定等の切口保護材(トップジンMペースト)
主な害虫の生態と対策
(A)コウモリガ(対策:雑草等の処理)
地面に産卵された卵で越冬し、翌春ふ化した幼虫はギシギシ、ヨモギ、カヤなどの雑草を摂食しあう程度発育した後、6月頃から果樹類などを含む樹木類の木部に食入して加害し冬を越し7〜8月頃蛹化、9〜10カ月頃成虫になり産卵する。
(B)ミノムシ類(対策:幼虫の捕殺)
オオミノガ:6月下旬〜7月にふ化した幼虫は8月下旬まで食害する。
チャミノガ:幼虫は7月中旬〜8月にみられ10月中旬〜11月中旬まで食害する。
(C)コガネムシ類(対策:成虫の捕殺)
マメコガネ:成虫は5月〜9月まで加害するが初夏が最も多い。コガネムシ類の幼虫はバイオトピア剤で防除 (K.
Suzuki)
□ 文献紹介:「やせ」は太り過ぎより心臓病に悪い
アメリカ・カリフォルニア大学が、80,845人の患者のデータを調査した結果、「やせ(BMIが18.5以下)」の人は極端な肥満症(BMIが40以上)の人と同様に心疾患による死亡率が高いことが分かりました。
一方、「やや肥満(BMIが25-29.9)」や「肥満(BMIが30-39.9)」の人は、心疾患や急性動脈症候群の罹患リスクが高いのですが、治療後の予後がよいため、死亡率は低いことが分かりました。
若い人のみならず多くの人が「やせ」を目指していますが、極端な「やせ」は、健康上に問題があります。
【文献】
Diercks, D.B. et al.: The obesity paradox in non-ST-segment elevation acute
coronary syndromes: Results from the Can Rapid risk stratification of Unstable
angina patients Suppress ADverse outcomes with Early implementation of
the American College of Cardiology/American Heart Association Guidelines
Quality Improvement Initiative. Am.Heart J. 152: 140-148. (2006)
□ 文学の中の果物:山の別荘の少年(豊島与志雄)
家のまえに大きな柿の木がありました。いっぱいなってるその柿が、秋になると、赤く色づきました。
私と正夫はそれをたくさんたべました。あそびにくる村の子供たちにもわけてやりました。朝露にひえたつめたいのをかじるのが、いちばんおいしくありました。
そして柿は、まもなくなくなってしまい、ただ一つだけ、たかい梢にのこりました。すっと空たかくつきでた枝の先に、たった一つなっているので、登ることもできず、竿もとどきませんでしたが、それよりも、そのいちばんたかい一つだけは、ただなんとなく残しておいてやりたかったのです。
その一つの柿は、まるで柿の木の旗みたいでした。まんまるな大きなもので、朝日や夕日に赤くかがやきました。−「山の別荘の少年」(豊島与志雄)より
豊島与志雄(とよしま よしお、1890年11月27日−1955年6月18日)は、福岡県朝倉郡福田村に生まれました。芥川龍之介、菊池寛、久米正雄らと第三次『新思潮』の刊行に参加しました。
□ 読者から
果物&健康NEWS Vol.118で牛乳のことが取り上げられていました。果物とはジャンルの違う情報を取り上げたこのメルマガ発行諸氏の姿勢を高く評価します。編集部のtnkさんのコメントのとおりだと思います。
担当部署(分野)のこともあるかと思いますが、これからもメーンである果物のつま物として身近な食情報を適宜載せてください。
(新潟県:竹内)
☆ 編集部より ☆
ミッキーマウスの箱入りブドウや、くまのプーさんのリンゴがアメリカで売り上げを伸ばしているとCNN(06/9/5)が報じています。
http://www.cnn.co.jp/business/CNN200609100002.html
子どもの肥満などに対する懸念を背景に、健康的なイメージ作りを図りたい娯楽業界と、市場拡大を目指す生産者らの思惑が一致し、こうしたキャンペーンが行われています。今のところ狙い通り、キャラクターのなかった昨年を上回る売れ行きとのことです。
過去の似た例ではライセンス契約のコストなどが壁になり、普及しませんでした。しかし、今回は家庭向けのイメージアップが目的のため、ライセンス料で儲けるつもりはないと専門家はみています。 こうしたキャンペーンを日本でも出来るとよいのですが。(tnk)
先週は、ガラにもなく風邪をひいてしまいお休みしてしまいました。寝ていたらなぜか、親父の話を想い出しました。戦前は、くだものがとても貴重で、病人以外は食べられず、子供も大人も食べ残しか皮しか食べられなかったそうです。
さすがに今はそのような時代ではありませんが、常に自然と対峙している農家の苦労だけは変わらないハズなので、皮まで残さず食べるように心がけたいと思います。機能性成分もバッチリ摂取できるはずだし!(uru)
最近、長十郎梨についての記事などを多く目にし、久しぶりに長十郎を食べたくなりました。この週末にドライブがてら探しに行こうかと思います。千葉で長十郎が食べられる所を知っている方は教えて下さい。(sk)
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ご協力に感謝いたします。 編集長 敬白
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