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第131回 高血糖は、高血圧などと同じく生活習慣病全般の危険因子

  




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□□■ 果物&健康NEWS Vol.131 ■□□
   ■   2006年12月8日(金)   ■


みなさん、こんにちは!
特集は、「高血糖は、高血圧などと同じく生活習慣病全般の危険因子」です。
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毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは http://www.kudamono200.or.jp
果樹農業は未来を拓く! Do! our BEST.


:::■ メニュー ■::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

 ◇ くだもの健康豆知識:西洋ナシ
 ◇ 今週のレシピ:西洋ナシ
 ◇ 高血糖は、高血圧などと同じく生活習慣病全般の危険因子
 ◇ 品種紹介:西洋ナシ「越さやか」
 ◇ 文献紹介:大腸ガンのリスクは男性の方が高い
 ◇ 文献紹介:血液中のビタミンEが高い人は死亡リスクが低い
 ◇ 今日は何の日:ビタミンの日(12 月13 日)
 ◇ 文学の中の果物:湯ヶ原より(国木田独歩)
 ◇ 読者から
 ◇ 編集部より



□ くだもの健康豆知識:西洋ナシ

 西洋ナシは、明治初年にアメリカやフランスから導入されました。西洋ナシは夏期に雨が少ない地域に適しています。我が国では山形県で圧倒的に多く栽培されています。

 品種は「ラ・フランス」(フランス原産)が6割以上を占めています。その他の品種では「バートレット」(イギリス原産)、「ル・レクチェ」(フランス育成)などがあります。

 西洋ナシは、日本ナシと異なり樹上では成熟せず、収穫後、追熟させて初めて可食状態となります。美味しい果実は、ずっしりと重いもので、表面を軽く押して弾力が出てきたときが食べ頃です。




□ 今週のレシピ:西洋ナシ

○ 牛すね肉と洋梨の煮込み
 一晩つけ込んだお肉は風味も増して絶品とのことです。

材料 (6人分)
 牛すね肉 1kg、赤ワイン 1本、赤ワインビネガー 100cc、 洋梨 1個、玉ねぎ 小1個、人参 小1本、セロリ 1/2本、 ニンニク 2片、ブーケガルニ 1袋、塩・黒こしょう 少々、 バター・サラダ油 適宜、炒り粉 大さじ3杯、
 フォン・ド・ボー 適宜

ソース: エシャロットみじん切り 大さじ1杯、赤ワイン 400cc、赤ポルト酒 200cc、グラス・ド・ビアンド 大さじ3杯、無塩バター 10g、塩・黒こしょう 少々

無塩バター 10g、洋梨 1+1/2個、煮込み汁 100cc、クレソン 適宜

下記のサイトで作り方と出来上がりの写真を見ることができます。
http://www.manma-miya.jp/recipe/1834/1834.html


○ 洋梨のコンポート
 食後酒と一緒にいただきたい大人のデザートとのことです。

材料 (4人分)
 洋梨 2個、砂糖 200g、水 200ml、赤ワイン 大さじ1杯

下記のサイトで作り方と出来上がりの写真を見ることができます。
http://www.kirin.co.jp/cgi-bin/otsumami/search/recipe_core.cgi?
recipe_no=1048&no_recipe_ranking=&theme=





□ 高血糖は、高血圧などと同じく生活習慣病全般の危険因子

 高血糖は、糖尿病だけでなく心臓病、脳卒中とリンクしており、世界で年間316万人が高血糖により死亡しているとアメリカ・ハーバード大学の研究から分かりました(文献1)。血糖値とは、血液の中のブドウ糖の濃度のことです。ブドウ糖は人間の体にとって最も重要なエネルギー源として働いています。

 ハーバード大学の研究では、52カ国の血糖値(空腹時血糖値)のデータから、糖尿病、心臓病や脳卒中の死亡に及ぼす高血糖の影響について調べました。その結果、2001年に高血糖に起因する糖尿病により死亡したのは95万9千人でした。同じく高血糖による心臓病や脳卒中により死亡したのは、それぞれ149万人と70万9千人でした。このことは心臓病による死亡の21%、脳卒中による死亡の13%が高血糖に起因することを意味しています。

 したがって、高血糖による死亡数316万人は、喫煙(480万人)、高コレステロール(390万人)、過体重・肥満(240万人)による死亡数に匹敵することがわかりました。

 現在、成人(25歳以上)の疾病リスクは、血圧、身長、体重、コレステロール値の測定で判断しています。しかし、高血糖は、糖尿病の因子だけにとどまらない危険因子であることから、高血圧や高コレステロールと同様に生活習慣病予防の危険因子として考慮する必要性があると研究者らは述べています。

 正常な人の血糖値は1日を通して変化しています。食後は血糖値が上昇し、食後約2時間以内に正常に戻ります。血糖値が正常に戻ると、インスリン分泌量は低下します。しかし、インスリンが体内で十分につくられない場合は、血糖値が高くなります。どうしたら、血糖値を正常に保つことが出来るでしょうか。

 炭水化物を含む食品の血糖上昇作用を数値化した指数であるグリセミック・インデックスは、糖尿病予防に効果的な指標として使われていますが、心臓病予防にも有効な指標であることが分かりました。

 アメリカで7万5千人以上の女性を調べた疫学調査から、グリセミック・インデックス値が低い食品を摂取していると、心臓病にかかるリスクが半分になるとしています(文献2)。その理由として、低グリセミック・インデックス食品は血液中へのインスリンの分泌量を減らせるため、コレステロール値が改善することによって心臓病が予防できると述べています。

 このことから、心臓病予防には血糖値上昇作用の小さい低グリセミック・インデックス食品の摂取が推奨されています。果物はグリセミック・インデックス値が低い食品(リンゴ38、西洋ナシ38、モモ42、オレンジ42、オウトウ22)に分類されています。従って、血糖値を正常に保つために果物の摂取は効果的で、果物を含む健康的な食事が生活習慣病予防のために推奨されます。

【用語解説】
グリセミック・インデックス:
 グリセミック・インデックスとは、50gのブドウ糖(グルコース)を摂取した後、2時間の血糖上昇曲線下面積(IAUC)を基準(100)として、同量の糖質を含むそれ以外の食品を食べた後、2時間の血糖上昇の割合を、パーセントで表した数値です。

【文献】
1) Danaei, G. et al.: Global and regional mortality from ischaemic heart disease and stroke attributable to higher-than-optimum blood glucose concentration: comparative risk assessment. Lancet 368: 1651-1659. (2006) [DOI: 10.1016/S0140-6736(06)69700-6]

2) Liu, S. et al.: A prospective study of dietary glycemic load, carbohydrate intake, and risk of coronary heart disease in US women. Am. J. Clin. Nutr. 71: 1455-1461. (2000)




□ 品種紹介:西洋ナシ「越さやか」

 「越さやか(こしさやか)」は、「バートレット」と「ラ・フランス」を交配して出来た品種です。収穫期は9月下旬で、追熟後の可食期は10月上〜中旬です。果形はびん〜短びん型、果重は280g程度です。収穫時の果皮色は黄緑色ですが、追熟と共に黄色へと変化するので食べ頃の判断が容易にできます。糖度は14-15%前後で「ラ・フランス」並ですが、酸味がpH3.9程度とやや強く、爽快感のある味に特徴があります。

「越さやか」の花や果実の写真は下記のサイトで見られます。
http://www.fruit.affrc.go.jp/kajunoheya/ikuseihinsyu/
data/hinsyu/pr-koshisayaka.html





□ 文献紹介:大腸ガンのリスクは男性の方が高い

 大腸ガンの原因となるポリープは、女性よりも男性に多くみられることをポーランドの研究グループが発表しました。

 大腸内視鏡を用いた大腸ガン検診プログラムに参加した40-66歳の被験者50,148人のデータを調べた結果、50-66歳では5.9%、40-49歳では3.4%に進行した大腸の病変またはポリープがみられました。また、男性は女性よりも73%多く、統計的に有意な違いがありました。このことから、研究者らは大腸ガンの罹患リスクは男性の方が高いと述べています。

【文献】
Regula, J. et al.: Colonoscopy in Colorectal-Cancer Screening for Detection of Advanced Neoplasia. New Engl. J. Med. 355: 1863-1872. (2006)




□ 文献紹介:血液中のビタミンEが高い人は死亡リスクが低い

 50-60才代の喫煙男性29.092人を調査したフィンランド・ヘルシンキで行われた研究によれば、血液中のビタミンEレベルの高い人はガンや心臓病などの死亡リスクが低いことが分かりました。

 血液中のビタミンEレベルの高い人は、低い人に比べて死亡率が18%低く、疾病別死亡率では、ガンが21%、心臓病が19%、その他の疾病が30%低いことが分かりました。また、最適な血液中のビタミンEのレベルは13-14mg/lと考えられました。

 ビタミンEのサプリメントの摂取では死亡率改善効果が認められていませんが、食事からビタミンEを摂取することは生活習慣病予防に有益であると結論づけています。

【文献】
Wright, M. E. et al.: Higher baseline serum concentrations of vitamin E are associated with lower total and cause-specific mortality in the Alpha-Tocopherol, Beta-Carotene Cancer Prevention Study. Amer. J. Clin. Nutr. 84: 1200-1207. (2006)




□ 今日は何の日:ビタミンの日(12 月13 日)

 鈴木梅太郎博士が、脚気を予防する成分(抗脚気因子)を米ぬかから取り出し、アベリ酸と命名して、東京化学会で発表したのが、1910(明治43)年12月13日であったことから、この日をビタミンの日として、『ビタミンの日』制定委員会が2000(平成12)年9月に制定しました。

注:アベリ酸は、後にオリザニンと改称され、ビタミンB1と同じであることが証明されました。

『ビタミンの日』制定委員会のホームページは下記です。
http://www.gak.co.jp/vitaminh/




□ 文学の中の果物:湯ヶ原より(国木田独歩)

 僕はお絹が梨をむいて、僕が獨(ひとり)で入いつてる浴室に、そつと持て來て呉れたことを思ひ、二人で溪流に沿ふて散歩したことを思ひ、其優しい言葉を思ひ、其無邪氣な態度を思ひ、其笑顏を思ひ、思はず机を打つて、『明日の朝に行く!』と叫けんだ。(国木田独歩著「湯ヶ原より」)

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国木田独歩(くにきだ どっぽ、明治4(1871)年8月30日- 明治41(1908)年6月23日)は、千葉県銚子の生れです。代表作に「武蔵野」「牛肉と馬鈴薯」、「忘れえぬ人々」などがあります。




□ 読者から:「朝食には果物」キャンペーンを!!

 最近食育の観点から朝食抜きが問題視されてますが、朝食には果物がぴったりです。もっとそのことをPRしてもいいのではと思います。理屈は明瞭で、私も1年前からこれですかっり健康体になりました。

(1)消化に良く胃腸に優しいので寝起きでも体に負担をかけません。おなか一杯食べても体は軽く、満員電車も苦痛でなくなります。アレルギーや腰痛もなくなりました。
(2)食器も料理もいりません。時間のない人でもOK。
(3)良質の糖分がすばやくかつ(食物繊維のおかげで)持続的に供給されます。
(4)朝は喉が渇くもの。果物は生きた水分を80%前後含んでいます。
(5)朝は人間にとって排泄の時間でもあります。多くの果物には利尿作用、整腸効果があります。

 どこをとっても朝食にぴったりではありませんか。ご飯やパンはお昼以降にして朝食は果物だけという生活にしましょう。本当に目が覚めたという感じです。(愛知県:ナガフキン)




☆ 編集部より ☆

 師走の声を聞き、にわかにあわただしくなってきました。健康に注意して仕事をこなして行かなくてはと思っています。読者の皆様におかれましてもご自愛下さい。今年のリンゴ「ふじ」は、蜜がたっぷりと入っていてとても美味しいです。(tnk)


 ベランダで栽培しているブルーベリーが紅葉してとてもきれいです。ついでに、娘とクリスマスの飾りつけを施して楽しんでます。(uru)


 昨日、自宅の近くのジャスコに寄ったところ、果物コーナーでミッキー(ディズニー)がリンゴを収穫している絵が載っている袋にりんご(サンふじ、王林)が入って販売されていました。
 ただ、りんごを販売するのではなく、消費者の購買意欲を促進するいいアイデアだと思いました。
 ※このディズニーキャラクターの取組(写真)については、イオンのHPで紹介されています。 
 http://www.aeon.info/
 (sk)




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