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  ほぼ週刊メールマガジン「果物&健康NEWS」

第157回
「果物は太る」「果物は糖尿病に悪い」などの誤解の解消に向けて1

  
 

□□■ 果物&健康NEWS Vol.157 ■□□
   ■   2007年6月 29日(金)  ■


みなさん、こんにちは!
特集は「『果物は太る』『果物は糖尿病に悪い』などの誤解の解消に向けて1」です。
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毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは http://www.kudamono200.or.jp
果樹農業は未来を拓く! Do! our BEST.


:::■ メニュー ■::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

 ◇ くだもの健康豆知識:アンズ
 ◇ 今週のレシピ:アンズ
 ◇ 「果物は太る」「果物は糖尿病に悪い」などの誤解の解消に向けて1
 ◇ 品種紹介:アンズ「信陽」
 ◇ 文献紹介:脳卒中で心臓発作の長期リスクが高まる
 ◇ おいでなして!あんずの里へ
 ◇ 文学の中の果物:詩集『花電車』序(横光利一)
 ◇ 読者から:桃李不言 下自成蹊
 ◇ 読者から:梅のビ−ル煮について
 ◇ 読者から:夏みかん
 ◇ 「消費者の部屋」後期展示スケジュール
 ◇ やまがた的グリーン・ツーリズム
 ◇ 今日のフォト
 ◇ 編集部より



□ くだもの健康豆知識:アンズ

 ほのかな酸味のあるアンズは夏の訪れを告げる果物の1つです。アンズにはβ-カロテンがとても多くて200g当たり3000μg含まれています。

 さらに、アンズ200g当たりでビタミンEが3.4mg、カリウムが400mg、食物繊維が3.2gと豊富です。

 β-カロテンは抗酸化活性があるためLDL-コレステロールの酸化を抑制し心臓病などの予防に役立ちます。また、目の病気に対する効果も知られています。

 目の病気である加齢性黄斑症について10万人以上の男女を調べた結果から、果物の摂取量が多い人は発症のリスクが低く、同時にβ-カロテンなどのカロテノイド、ビタミンE、ビタミンCの摂取量が多いことが分かりました。従って、アンズは健康の維持・増進にとても効果的です。




□ 今週のレシピ:アンズ

○ アンズジャム
材料:アンズ(完熟したものがよい) 1kg、砂糖 500g〜800g

作り方と出来上がりの写真は下記のサイトです。
http://www.valley.ne.jp/~hanasai/anzu/Oishii/zyamu.html

○ アンズジュース
材料:アンズ(よくうれたものがよい) 1kg、砂糖 800g

作り方と出来上がりの写真は下記のサイトです。
http://www.valley.ne.jp/~hanasai/anzu/Oishii/zyusu.html

○ アンズシロップ漬け
材料:アンズ 5〜6kg、砂糖 1〜1.2kg、水 1L

作り方と出来上がりの写真は下記のサイトです。
http://www.valley.ne.jp/~hanasai/anzu/Oishii/shirop.html

○ 干しアンズ
材料:アンズは品種として在来種のものが適していて、完熟よりも、色がつきだして手で押して割れるものが良いとのことです。

作り方と出来上がりの写真は下記のサイトです。
http://www.valley.ne.jp/~hanasai/anzu/Oishii/hoshianz.html




□ 「果物は太る」「果物は糖尿病に悪い」などの誤解の解消に向けて(第1/3回)
  (財)中央果実生産出荷安定基金協会

 「毎日くだもの200グラム運動」の事務局を担当していますと、果物に対する根強い誤解があることをたびたび経験します。今回はそのような事例をご紹介し、果物についての正しいご理解に役立てていただければと思います。

 先日、果物関係団体の方から、「血液検査で高中性脂肪の再検査を指摘され病院で診察を受けたら、果物は食べないように指導された。200グラム運動の内容と違うように思うがどうか。」と相談がありました。

 有名な病院なので、その病院のホームページを開き「食事療法のすすめかた」の欄を通読してみました。あれ?あれ?と思う内容がいろいろとあるではないですか。

病院のホームページに記載されていた内容を以下に紹介します。

▼糖尿病の食事療法のポイント
・(果物は)ビタミンや食物繊維が豊富ですが、果糖を含むため血糖を早く上昇させます。
・最近の果物は糖度が高く、血糖の上昇や血液中の中性脂肪の増加をまねく場合があるので食べすぎには注意しましょう。

▼高脂血症の食事療法のポイント
・炭水化物のとりすぎに注意しましょう
 砂糖や果糖などの糖類のとりすぎは、トリグリセリド(中性脂肪)を増加させます。砂糖、菓子類、し好飲料、果物は控えましょう

▼肥満症の食品の選び方と調理のポイント
・果物は炭水化物を多く含んでいます。食べ過ぎに気をつけましょう。

 主なものを書き出しましたが、驚かれたメルマガ読者も多いのではないでしょうか。
 「果糖を含むため血糖を早く上昇させます。」、
 「最近の果物は糖度が高く」、
 「果物は糖度が高く・・・中性脂肪の増加をまねく」、
 「砂糖や果糖などの糖類の摂り過ぎは中性脂肪を増加させます。・・・果物は控えましょう」、
 「果物は炭水化物を多く含んでいます。食べ過ぎに気をつけましょう。」など、

 200グラム運動の事務局担当者として見過ごせないので、質問状を病院あてに出しました。(以下次号へ続く)




(財)中央果実生産出荷安定基金協会は、「果物のある食生活推進全国協議会」(「毎日くだもの200グラム運動」)の事務局として、果物を毎日の食生活に欠かせない品目として定着させるため、食事バランスガイドとその中で果物を1人1日2つ(おおよそ200g)以上とることの普及啓発活動(果物の健康機能性、摂取目標量、選び方、食べ方等についての各種講演会、イベントの開催、啓発資料の作成・配布など情報発信)を行っています。

毎日くだもの200グラム運動の公式ホームページは下記です。
http://www.kudamono200.or.jp




□ 品種紹介:アンズ「信陽」

 アンズ「信陽(しんよう)」は、「山形3号(やまがた3ごう)」と「甚四郎(じんしろう)」を交雑して出来た早生の品種です。果皮は赤橙色で外観が美しいのが特徴です。果実の形はだ円形で、大きさは50〜60g程度、果肉の色は橙黄色で種(核)のとれやすい品種です(離核)。糖度は10〜12%と高く、酸度はpH3.4程度で酸味の少ない甘酸適和した食味良好な生食専用品種です。

「信陽」の果実の写真は下記のサイトで見られます。
http://fruit.naro.affrc.go.jp/kajunoheya/ikuseihinsyu/
data/hinsyu/pr-shinyou.html





□ 文献紹介:脳卒中で心臓発作の長期リスクが高まる

 アメリカの研究から脳卒中の既往のある患者は、心疾患関連のリスクが高まることが分かりました。脳卒中既往の患者655人(平均69歳)を対象に5年間にわたって心血管イベントを調査した結果、86件の血管性心疾患、17件の心臓発作、8件のうっ血性心不全、15件の急性心不全による死亡が確認されました。

 以上の結果から、脳卒中に罹患した人は、その後に心臓発作のリスクが増大することが分かりました。この結果は、脳卒中の患者は心臓病に対する治療の必要性を示しています。

【文献】
Mandip, S. et al.: Risk of Myocardial Infarction or Vascular Death After First Ischemic Stroke - The Northern Manhattan Study. Stroke, 38: 1752-1758. (2007) [doi: 10.1161/STROKEAHA.106.480988]




□ おいでなして!あんずの里へ

 信州(長野県)の北信濃、更埴市森・倉科・生萱地区は、日本でも有名なあんずの里です。江戸時代(寛文13年)伊予宇和島藩の藩主伊達宗利公の長女豊姫が、松代藩主真田幸道公の元へ輿入れの祭、故郷を忘れじとして国許よりアンズの苗木を取り寄せ松代町東条地域に植付けたのが始まりだそうです。6月20日から7月10日にかけてあんず狩りが行われます。

あんずの里のホームページは下記です。
http://www.valley.ne.jp/~hanasai/anzu/index.html




□ 文学の中の果物:詩集『花電車』序(横光利一)

 終戦になる一、二ヶ月前の時、私は焼野原になった東京から、東北地方の鶴岡といふ街へ家族を訪ねに出かけてみた。ところが、ここがそろそろ空襲に見舞はれ出し、街は疎開騒ぎでごった返しの最中だった。どの家からも荷を積み上げた荷車が街を離れて四方へ散った。ある日の午後、私は古本屋へ入り、残り少くなった屑本類を引っくり返して見てゐると、底から一冊ぼけた絵本が出て来た。見ると、これがまたアンリ・ルッソオの画集であった。私はここでも埃を払ひ、懐へ押し込んで家へ戻り、一日その絵を眺め暮した愉しさを忘れない。七月の空はよく晴れてゐて、枝に透いた杏(あんず)の実の丸い黄色が、私は、このときほど果実のまるい美しさを見たことがない。

☆ ☆

横光 利一
 よこみつ りいち:1898年3月17日〜1947年12月30日。福島県生まれ。「父」などにより菊池寛に認められた。川端康成らとともに「文芸時代」を創刊し、新感覚派文学の運動をおこす。代表作として「機械」「寝園」など。

アンリ・ルッソオ
 アンリ・ルソー:Henri Rousseau:1844年5月21日〜1910年9月2日。19世紀〜20世紀フランスの素朴派の画家。代表作は、「戦争」、「眠るジプシー女」、「蛇使いの女」など。

「眠るジプシー女(Sleeping Gypsy)」は下記のサイトで鑑賞できます。
http://www.moma.org/collection/browse_results.php?object_id=80172




□ 読者から:桃李不言 下自成蹊

 沢山のメルマガ登録をしていますが、特に果物&健康NEWSは役立っています。

 私の産地には、トロピカルフルーツを除く沢山の種類のフルーツや野菜が栽培されており、昨年、近隣の消費地のスーパーに働きかけ、その店内に私の地域の産品を販売するファーマーズマーケットを開設していただきました。

 販売で大切に思うのは、単に農産物を売るのではなく、それぞれの商品にストーリーを乗せる必要性です。お店のPOPやレシピなどをご紹介すると(著作権を侵害しない形で)お客様に大変喜んでいただいています。その知識の源として、このメルマガの情報を大いに活用させていただいています。

 また、知り合いには「ジュニアベジタブルフルーツマイスター」の資格を持った方や、職業柄で情報の必要な方が全国に大勢います。それぞれの方にこのメルマガの登録をお奨めしたところ、全員すぐに登録されたそうです。今後もタイムリーな情報の提供をよろしくお願いします。

 ご存知でしょうが、四文字熟語「桃李満門」の他にも

 「桃李不言 下自成蹊 (とうりふげん かじせいけい)」

 と言う言葉もありますね。桃や李が出るといつも思い出す格言です。桃やスモモは何にも言わないけれど、熟れれば、その下には人の行き交う道が自ずからできると解釈してます。よい商品を作れば、独りでに売れて行くものだとの意味です。

 でも今は、販売を組織に任せ単に作るだけの農業からラッピング、販売、アフタケアーなど、企業で言うマーケッティング力がなければ、産業としての農業の成り立ちはないと思っていますが。意味深い言葉です。(和歌山:K)




□ 読者から:梅のビ−ル煮について

 毎回メ−ルを楽しみにしています。岐阜の中央市場の卸です。

 先日福井県のJA三方五湖から梅漬け講習に来て頂きました。今回で連続すること4回目となりました。今年は新しい試みで梅のビ−ル煮も教わりました。

 冷凍庫で24時間冷やした梅をホ−ロ−の鍋に1対0.7の割合で入れビ−ル2缶(発泡酒も可)を加え、弱火で1時間ほど加熱します。2〜3分経ったら日を止めて、1晩鍋ごと寝かせます。鍋から取り梅と煮汁を広口ビンに入れ冷蔵庫で冷蔵します。10日間待って完成です。

 とても柔らかく美味しくてきっとヒット間違いなしです。これならアルコ−ルの苦手な人でも充分いけます。梅ジュ−スと同じく簡単なので、皆さんにもっともっと梅を食べて頂ける様、宣伝してくださ−い。宜しくお願いします。(岐阜:武藤)




□ 読者から:夏みかん

 編集者の皆様。イツ頃から夏蜜柑が甘くなってきたのでしょうか。半世紀前、私が子供の頃は「夏蜜柑」といえば トテモ酸っぱくて炭酸をつけて食べていました。梅よりも酸っぱいのです。

 あの酸っぱさを思い出すだけで奥歯の奥から酸がでてきます。家が雑貨屋をしていたので旬の果物は常に店先に並んでいました。売れ残りで「傷み」の出てきた夏蜜柑を、母は台所で傷み部分を取り除き皮ごとザクザクと薄く小さく切り、砂糖を入れて鍋でグツグツ煮ていました。水は一切入れません。みかんの汁だけで煮ます。ハイ、ジャムの出来上がりです。

 私の子供時代ジャムと言えば高級食べ物でとても食するようなものではございませんでした。あのジャムが懐かしく、台所に立つことは殆ど無いのですが、近所の果物屋で夏蜜柑(甘夏)を買って作ったのですが、「甘夏」ではあの味が出ません。中途半端に甘いだけです。

 山口県の吉田松蔭神社のみやげ物屋で昔ながらのオリジナル夏蜜柑を見つけ3−4個家に持ち帰り早速、母が作った記憶を探り作ってみました。ホボ記憶に近い物が出来上がりバンザーイ。

 マーマレードに似ていますが、もっとさっぱりと酸味が有りとてもおいしいものができあがりました。夏の暑さにあいます。是非お試しを。といっても昔ながらの夏蜜柑はナカナカ手に入りませんが最近大阪の天神橋商店街のハズレ、露天で売ってました。(佐々木)




□ 「消費者の部屋」後期展示スケジュール

 農林水産省「消費者の部屋」では、消費者の皆様に食生活、食料、農林水産業、農山漁村等に関する情報の提供を行う特別展示を行っていますが、平成19年後期(8月〜12月)の特別展示スケジュールが決まりました。

 11月12日〜11月16日に、「野菜5皿分以上・くだもの200g以上を食べよう!食育の推進」の展示が行われます。

 日本人は野菜・くだもの不足です。自分では食べているつもりでも、実は必要な量を摂取できていない人が大半です。野菜・くだものの摂取量の目安、健康機能性、簡単レシピなどを紹介します。

下記のサイトでスケジュールを見ることが出来ます。
http://www.maff.go.jp/www/press/2007/20070615press_1b.pdf




□ やまがた的グリーン・ツーリズム

 例えば・・・新鮮な果物の収穫、さくらんぼ狩り、ぶどう狩り、いちご狩りなどなど。そして・・・温泉のぬくもり・・・

 山形の風土や歴史もじんわり伝わってくる体験。グリーン・ツーリズムは、ゆっくり、ゆったり、のんびり、まったりの、あなたまかせのぜいたくな旅。

 あなたと山形のスローな出会い・・・・、それが「やまがた的グリーン・ツーリズム」

やまがた的グリーン・ツーリズムのホームページは下記です。
http://www.gt-yamagata.com/

 サクランボ狩りの計画は、さくらんぼナビ(さくらんぼ狩り適期案内システム)が便利です。山形県のさくらんぼの旬の時期と果樹園がリアルタイムで地図上に表示され、アイコンが赤くなったら収穫適期です。
http://agrin.jp/hp/cherry/index.html




□ 今日のフォト

 日本一の梅の産地である和歌山県では、南高梅の収穫(青梅)が最盛期を迎えています。今年は、例年になく紅が鮮やかで、色づきの良い果実が多く見られます。(和歌山県日高郡みなべ町)
http://www.maff.go.jp/pgallery/03_season/htm/070622.htm

 完熟マンゴーが収穫期を迎えています。果実が成長して真っ赤になるとひとつひとつにネットをかけていき、熟して枝から自然に落下したものを収穫します。(宮崎県野尻町)
http://www.maff.go.jp/pgallery/03_season/htm/070627.htm




■ 「果物&健康NEWS」登録依頼パンフレット

 「果物&健康NEWS」登録依頼パンフレット(PDFファイル)は下記のサイトにあります。メルマガの講読を、お勧めいただければ幸いです。
 http://www.kudamononet.com/kkr/index.html




☆ 編集部より ☆

 果物&健康NEWSの講読を進めていただいている和歌山のKさんに感謝します。1人でも読者数が増えると嬉しくなり、反対に1人でも減ると何とも言えない気分になります。皆様よろしくお願いいたします。(tnk)


 露地物よりも1ヶ月以上も早いハウス梨が埼玉県で2週間限定で出回っているそうです。
 近所の梨はどうだろう?と思い、今朝近所の梨園を覗いたら、梅の実程度の梨の実がなっていました。大好きな梨を食べれるまでもう少しです。(sk)


 名古屋ではスモモがたくさん出回り始めました。私はほどよい酸っぱさが魅力的な「大石早生」が大好きです。先日、夜中にこっそり食べていたら、突然起きてきた娘にみつかり、パクリと一口かじられました。寝ぼけていても美味しいものをかぎつけた娘の本能に脱帽です..。(uru)




 果物&健康NEWS ご愛読に感謝申し上げます。

 無断転載はお断りします。 リンクは自由です。

 詳しくは、著作権、リンクについて に記載しています。

 ご協力に感謝いたします。  編集長 敬白

Copyright 2004-2007 田中敬一. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.



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