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  ほぼ週刊メールマガジン「果物&健康NEWS」

第162回 リポ・フル閑談:果物で長生き

  
 

□□■ 果物&健康NEWS Vol.162 ■□□
   ■   2007年8月17日(金)  ■


みなさん、こんにちは!
特集は「リポ・フル閑談:果物で長生き」です。
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毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは http://www.kudamono200.or.jp
果樹農業は未来を拓く! Do! our BEST.


:::■ メニュー ■::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

 ◇ くだもの健康豆知識:ブドウ
 ◇ 今週のレシピ:ブドウ
 ◇ リポ・フル閑談:果物で長生き
 ◇ 品種紹介:ブドウ「ダークリッジ」
 ◇ 文献紹介:メタボリックシンドロームに対するDASH摂取プランの効果
 ◇ 文献紹介:エネルギー密度の低い食品の摂取は肥満解消に有効
 ◇ 子ども霞が関見学デー
 ◇ 日本全国野菜・くだものフェア2007
 ◇ 果物おもしろ記録:ワインで同時に乾杯!世界記録
 ◇ 今日のフォト
 ◇ 編集部より



□ くだもの健康豆知識:ブドウ

 ブドウが美味しい季節です。ブドウには生活習慣病予防に有効なポリフェノールが豊富に含まれています。

 品種では、「デラウエア」、「巨峰」などが有名です。「デラウエア」は、19世紀はじめにアメリカ・オハイオ州デラウェアで発見され、日本には明治時代に導入されました。甘みの強い品種で糖度は20〜23 度です。

 「巨峰」は、大井上康氏が、「石原早生」(大玉キャンベル)と「センチニアル」(「ロザキ」の巨大変異)を交配して作出した品種です。普通は、一房の重さが300g-450gですが、500g以上になる場合もあります。長野県が生産量日本一です。




□ 今週のレシピ:ブドウ

○ ブドウとリンゴのカッテージチーズサラダ

材料 (4人分)
 ブドウ 200g、リンゴ 100g、カッテージチーズ 150g、砂糖 大さじ1杯、水 大さじ2杯、レモン汁 1/6個分

作り方と出来上がりの写真は下記のサイトです。
http://www.nn.zennoh.or.jp/recipe/kudamono/recipe13.html#reci05

○ ブドウのふるふるゼリー

材料 (4人分)
 ブドウ 200g、ブドウジュース(100%) 100cc、白ワイン 50cc、レモン汁 大さじ1杯

作り方と出来上がりの写真は下記のサイトです。
http://gourmet.msn.co.jp/recipe/detail.aspx/recipeid=4249/




□ リポ・フル閑談:果物で長生き

【リポさん】
 皆さん、こんにちは。リポーターのリポでーす。今日は、果物&健康NEWSのフルッタさんに「果物で長生き」についてお聞きしたいと思います。よろしく願いします。
【フルッタさん】
 日本は、長寿国です。女性は世界第一位、男性は世界第二位です。平成11年度に健康・体力づくり事業財団が100歳以上の長寿者、4,688人を対象とした調査で、果物は、男女とも約6割の人が「ほとんど毎日」、2日に1回も含めると約8割の人が果物を食べていました。長寿者の果物を食べている割合は、平均的な日本人よりかなり高いことが分かりました。
【リポさん】
 百歳を越えた人は、果物が大好きで一杯食べているのですね。
【フルッタさん】
 何が寿命を決めているかについての科学的研究も進んでいます。現在注目されているのはテロメアと呼ばれる特殊な遺伝子配列です。このテロメアは、少しずつ短くなっていき、それ以上短く出来なくなると老化が始まります。従って、テロメアをいつまでも長くしておけば、長生きできるはずと考えられています。
【リポさん】
 ちょっと難しいお話でしたが、テロメアというのが短くなると寿命が尽きると言うことですね。ローソクと寿命のお話みたい。
【フルッタさん】
 その通り、よく似てますね。アメリカ、ハーバード大学医学部の研究チームは、ブドウに含まれているポリフェノール成分の一つであるレスベラトロールが、テロメアが短くなるのを防ぎ寿命を延ばす働きがあることを突きとめました(文献1)。微生物を用いた実験ですが、レスベラトロールで寿命が70%延びたと報告しています。
【リポさん】
 そんなに寿命が延びたのですか。
【フルッタさん】
 最近、リンゴポリフェノールを0.1%加えた飲料水を飲ませたマウスの寿命がメスで平均72%、オスで29%が長くなったと、東京都老人総合研究所とアサヒビールの研究グループが報告しています。
【リポさん】
 すごいですね。
【フルッタさん】
 それだけではありません。レスベラトロールやリンゴポリフェノール以外の果物に含まれているポリフェノール成分にも寿命延長効果が認められています(文献2)。
【リポさん】
 最新の科学的データによると、果物を食べると長生きできる可能性があるということですね。
【フルッタさん】
 すでに、果物を摂取すると高血圧や心臓病などの生活習慣病予防効果が明らかとになっていますが、果物の摂取でアルツハイマー病の予防効果も期待されています。
【リポさん】
 ということは、果物を沢山食べると「死ぬまで元気でいられる」ということですね。フルッタさん、ありがとうございました。

【文献】
1) Howitz KT, et al., Small molecule activators of sirtuins extend Saccharomyces cerevisiae lifespan. Nature, 425: 191-196. (2003)

2) Bonnefoy M, et al.: Antioxidants to slow aging, facts and perspectives. Presse. Med., 31: 1174-1184. (2002)




□ 品種紹介:ブドウ「ダークリッジ」

 ブドウ「ダークリッジ」は、「巨峰(きょほう)」と「301−1」を交配して出来た品種で、「巨峰」より着色が良好な黒色ブドウです。熟期は、育成地(広島県安芸津町)で8月下旬です。果粒は短楕円形で9〜12g程度、果肉特性は「巨峰」と同じで、崩壊性と塊状の中間です。香気はフォクシー香を呈します。

「ダークリッジ」の果実の写真は下記のサイトで見られます。
http://www.fruit.affrc.go.jp/kajunoheya/ikuseihinsyu/
data/hinsyu/cu-darklige.html





□ 文献紹介:メタボリックシンドロームに対するDASH摂取プランの効果

 高血圧予防のためのDASH摂取プランにもとづく食生活が、メタボリックシンドロームの患者116人に与える影響について調査が行われました。

 飽和脂肪酸を減らし、果物、野菜、低脂肪牛乳、全粒穀類を多く摂取するDASH摂取プランの食事をしたグループは、コントロール群と比較して、血圧が下がっただけでなく、HDL-コレステロール(善玉コレステロール)が男性で7mg/dl、女性で10mg/dl増加しました。中性脂肪は、男性で-18mg/dl、女性で-14mg/dlと大幅に減少しました。

 以上の結果から、研究者らは、DASH摂取プランは、高血圧予防に効果があるだけでなく、メタボリックシンドロームに対しても有効であると結論づけています。

【文献】
Azadbakht, L. et al.: Beneficial effects of a Dietary Approaches to Stop Hypertension eating plan on features of the metabolic syndrome. Diabetes Care, 28: 2823-2831. (2005)




□ 文献紹介:エネルギー密度の低い食品の摂取は肥満解消に有効

 重量当たりのカロリー量を示すエネルギー密度(kcal/g)の低い食品を摂取すると、単にカロリーを減らすダイエット法よりも体重を減らす効果が大きいと、アメリカ、ペンシルバニア州立大学の研究チームが発表しました。エネルギー密度の低い食品の代表は果物と野菜です。

 研究チームは、肥満の女性97人を対象に脂肪の摂取量を減らすダイエット法と、脂肪の摂取量を減らしエネルギー密度の低い食品を摂取するダイエット法の体重減少量について比較検討を行いました。

 一年後の結果から、脂肪の摂取量を減らしたダイエット法による体重の減少は6.4kgでした。一方、脂肪の摂取量を減らし、エネルギー密度の低い食品を摂取したダイエット法では7.9kg減少していました。同時に、果物と野菜の摂取量は有意の増え、空腹感は有意に低いことも分かりました。

 以上の結果から、脂肪を減らし、果物と野菜の摂取を増やすダイエット法は、体重のコントロールに有効であると研究者らは結論づけています。

【文献】
Ello-Martin, J.A. et al.: Dietary energy density in the treatment of obesity: a year-long trial comparing 2 weight-loss diets. Am. J. Clin. Nutr., 85: 1465-1477. (2007)




□ 子ども霞が関見学デー

  8月22,23日に各府省庁が連携して子ども霞ヶ関見学デーを開催 します。農林水産省での取組は下記のサイトで紹介しています。
 夏休みのいい体験となると思いますのでご家族でご来場下さい。
 http://www.maff.go.jp/kodomo/k_d/index.html
 
※園芸課でも、野菜・果物クイズや珍しい野菜・果物(熱帯果樹や 原種のりんご、梨)の展示を行います。




□ 日本全国野菜・くだものフェア2007

 「日本全国野菜・くだものフェア2007」が、9月8日(土)、9日(日)の2日間、有楽町の東京国際フォーラム(展示ホール1)で開催されます。

 全国から美味しい野菜とくだものが多数並び、試食コーナーも充実させ、見て、聞いて、食べて、楽しめるイベントなので是非お立ち寄りください。ステージでは、トークショーや料理ショーなどが予定されています。入場無料です。




□ 果物おもしろ記録:ワインで同時に乾杯!世界記録

 2005年の大晦日(12月31日)、アメリカ・ラスベガスの市長オスカーB.グッドマン氏は、フレモント通りを埋め尽くした参加者に対して乾杯の発声を行いました。同時に、1万3500人が一斉にブドウの品種「シャルドネ」から作られたワインで乾杯しました。こうして、「1つの開催地で同時に最も多くの人による乾杯」の世界記録が生まれました。ギネスによると、前の記録は日本の酒造会社によって作られた1万79人とのことです。

乾杯の世界記録のニュースは下記のサイトで読めます(英文)。
http://www.avenuevine.com/archives/001468.html




□ 今日のフォト

 写真は果樹研究所内にある隔離施設です。研究用に海外で収集した果樹の遺伝資源を我が国に導入する場合、植物防疫所と共同して病害虫を水際で食い止めるため一旦、隔離施設に移し、ウイルスがないことを確認して研究材料に用います。 (掲載は次号まで)

http://www.kudamononet.com/kkr/snapshot/KK-News11.html



  「毎日くだもの200グラム運動」のロゴマークを使おう!
  http://www.kudamono200.or.jp/undou/copyright.html


☆ 編集部より ☆


 ナシ「幸水」の最盛期です。暑い夏に冷たくして食べるナシは格別です。(tnk)

 今年の夏は特に暑いですね。6時以降は職場のクーラーが止まるので蒸し風呂状態です。暑いなかで食べるかき氷も美味しいですが、冷えた果物も最高に美味しいですよ!(sk)

桃がおいしい季節です。昨年お会いした山梨のベジフルティーチャーさんは、近所に桃農家がたくさんあって、いただいた桃を毎日1s位食べているとか。とってもうらやましい。それでもスタイルばっちり、全然太らないそうです(AH)。

 暑いですねえ..。名古屋も連日の猛暑で少しへばりギミです。こんな時こそ体と心を同時に癒してくれる果物の出番ですねえ。名古屋ではイチジクが美味しい時期を迎えています(uru)。 

 「先日、お盆休みをとって3ヶ月ぶりに名古屋に帰省しました。お盆なので親戚で集まる機会もあって、スイカ、パイン、梨、巨峰などなど普段よりたくさん果物を食べました。最終日は極めつけに大好物のいちじくを食べて大満足!いちじく王国愛知だけあって東京でも愛知県産いちじくを見かけますが、やっぱり地元産を見ると応援したくなります。」(OA)




 果物&健康NEWS ご愛読に感謝申し上げます。

 無断転載はお断りします。 リンクは自由です。

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 ご協力に感謝いたします。  編集長 敬白

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