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□□■ 果物&健康NEWS Vol.166 ■□□
■ 2007年9月21日(金) ■
みなさん、こんにちは!
特集は「リボ・フル閑談:骨粗しょう症と果物」です。
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毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは http://www.kudamono200.or.jp
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◇ くだもの健康豆知識:カキ
◇ 今週のレシピ:カキ
◇ リボ・フル閑談:骨粗しょう症と果物
◇ 品種紹介:カキ「早秋」
◇ 「食事バランスガイド」実施結果
◇ 文献紹介:家族揃って食べた若者は成人しても食事が健康的
◇ 文献紹介:地中海式料理はリウマチ性関節炎患者に有益
◇ 読者から:果物にまつわる思い出
◇ 文学の中の果物:柿の種(寺田寅彦)
◇ 今日のフォト
◇ メルマガ登録のお願い
◇ 編集部より
□ くだもの健康豆知識:カキ
カキの果実にはビタミンCやビタミンA、カテキンなどの栄養成分が豊富に含まれています。果実はそのまま生食されるだけでなく、サラダやマヨネーズ和え、白和え、てんぷらなどに料理され、食材としても利用価値の高い果物です。
カキの葉にはビタミンCが100g中に1g程度と非常に多く含まれています。カキの葉から作られた柿茶には緑茶の2〜3倍のビタミンCが含まれています。
柿茶の作り方は、葉を摘み(渋柿でも甘柿でもよい)、陰干しして、主脈を除き蒸したあと、ざるなどの上で陰干します。
また、カキの葉は、柿の葉ずしなど料理の材料にも用いられています。カキの紅葉は美しいので料理を彩る高級材料です。紅葉が美しい「錦繍(きんしゅう)」、「丹麗(たんれい)」は、農研機構果樹研究所が育成した品種です。。
下記のサイトで美しい「錦繍」の紅葉をご覧ください。
http://www.fruit.affrc.go.jp/kajyuimage/k-kinsiu06.jpg
「丹麗」は下記のサイトです。
http://www.fruit.affrc.go.jp/kajyuimage/k-tanrei14.jpg
□ 今週のレシピ:カキ
果物王国の山形県青果物基金が提供しているカキ・レシピです。
○ フルーツグラタン
果物の甘酸っぱさが生きる美味しいグラタンとのことです。
材料
カキ 40g、ラ・フランス 20g、リンゴ 20g、オレンジ 20g、キウイフルーツ
15gなど
作り方と出来上がりの写真は下記のサイトです。
http://www.y-fruit.or.jp/recipe/ky_ka05.html
○ 柿と一塩鮭生姜風味ソース和え
さっくりとしたカキのスライスが塩味の鮭と良く合い、子どもたちに人気のメニューとのことです。
材料
カキ渋抜き 40g、白鮭・塩鮭 20g、マヨネーズなど
作り方と出来上がりの写真は下記のサイトです。
http://www.y-fruit.or.jp/recipe/ky_ka02.html
□ リボ・フル閑談:骨粗しょう症と果物
【リポさん】
皆さん、こんにちは。リポーターのリポでーす。今日は、果物&健康NEWSのフルッタさんに「骨粗しょう症と果物」についてお聞きしたいと思います。よろしく願いします。
【フルッタさん】
よろしくお願いします。骨粗しょう症とは、骨の重量が減る疾病で、女性で多く発症します。進行すると骨がもろくなり、骨折しやすくなります。
骨の重量をあらわす単位に骨密度があります。骨密度は若いうちは増大していき、30歳ごろがピークとなります。そのあと徐々に減少します。
【リポさん】
骨密度が低下すると、どうなるのですか。
【フルッタさん】
骨密度が低下すると、腰痛(ようつう)になったり、骨折しやすくなります。さらに、骨密度が低下すると骨折回数が多くなり、骨折回数に比例して死亡率が高くなります。
【リポさん】
骨粗しょう症を予防するにはどうすれば良いのですか。
【フルッタさん】
骨密度は、年を経るしたがい減っていきますが、食生活の改善によって骨密度の減少を抑制することできます。従って、骨粗しょう症予防には、カルシウムの多い牛乳の摂取が有効です。また、近年の研究から、果物の摂取も必須です。
【リポさん】
牛乳がよいのは知っていましたが、骨粗しょう症に果物がよいとは意外です。
【フルッタさん】
例えば、イギリスで、思春期の少年、少女、若い女性、高齢の男・女を対象に、骨密度と果物との関係について調査した結果、世代、男女にかかわらず果物を沢山食べていた人の骨密度が高いことが分かりました(文献1)。
【リポさん】
若い世代でも高齢者でも果物がよいということですね。
【フルッタさん】
その通りです。今の時期なら、ナシやカキ、リンゴ、ミカンなどがお勧めです。
【リポさん】
どうして果物を食べると骨粗しょう症を予防できるのですか。
【フルッタさん】
女性994人を対象に調査した結果、骨密度が高い人は、食物繊維やカリウム、マグネシウム、カルシウム、ビタミンCなどの摂取が多いことが分かりました(文献2)。
こうした研究から、果物が骨粗しょう症予防に有効なのは、カリウム、マグネシウムなどのミネラルや食物繊維、抗酸化ビタミンを豊富に含むためと考えられています。
【リポさん】
ということは、若いうちから果物を沢山食べていると、骨粗しょう症になりにくいと言うことですね。ありがとうございました。
【文献】
1) Prynne, C. J. et al.: Fruit and vegetable intakes and bone mineral status:
a cross sectional study in 5 age and sex cohorts. Am. J. Clin. Nutr. 83:
1420-1428. (2006)
2) New, S. A. et al.: Nutritional influences on bone mineral density: a
cross-sectional study in premenopausal women. Am. J. Clin. Nutr., 65: 1831-1839.
(1997)
□ 品種紹介:カキ「早秋」
カキ「早秋(そうしゅう)」は、「伊豆(いず)」と「109-27」を交雑して出来た早生の完全甘ガキです。果形は扁平で、果実重は250g程度です。肉質はやや軟らかく緻密、糖度は14〜15%、果汁が多く食味良好です。早生品種としては日持ち性が良いのが特徴です。
「早秋」の果実の写真は下記のサイトで見られます。
http://fruit.naro.affrc.go.jp/new/kaki/textbase/
cu-soushuu.html
□ 「食事バランスガイド」実施結果
「食事バランスガイド実践週間(6月16日(土)〜22日(金)」で実施した調査結果が、農林水産省から発表(9/12)されました。
一般の方、農林水産省職員合わせて9千人以上が参加しました。一週間のうち任意の3日間(休日1日、平日2日)についての食生活を調査し、まとめたデータです。結果は以下の通りです。
1)一日にご飯を食べる回数が多い人や、欠食がない人の方が、バランスがとれた食事をしていたことがわかりました。
2)食事バランスガイドの料理区分で、主菜は7割以上の人が適量を摂取できていました。しかし、主菜以外の料理区分では5割以上の人が適量に達しておらず、特に、果物は最も不足しており、7割以上の人が適量に達していませんでした。
3)一方で、菓子・嗜好飲料については、200kcalを超えて摂取している日が1日以上ある人が5割以上でした。
詳細なデータは下記のサイトで読むことが出来ます。
http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/johokan/
pdf/070912_1a.pdf
□ 文献紹介:家族揃って食べた若者は成人しても食事が健康的
アメリカ・ミネソタ大学の研究チームが、1,710人の男女を対象に、高校時代と20歳時の食事を調査した結果、高校時代に家族と共に夕食を食べていた人は、成人してからも、果物と野菜を沢山食べていることが分かりました。一方、ソフト・ドリンクの摂取率は少ないことが分かりました。
調査は、家族とどれくらいの頻度で一緒に食べたか、また、朝食、昼食、夕食の摂取頻度などを調べました。その結果、高校時代に家族揃って食事を食べると報告した若者は、果物と野菜の摂取量が多く、主要な栄養成分も充分に摂取していました。
家族と一緒に食べていた女性は、成人してからもカルシウム、マグネシウム、カリウム、ビタミンB6、食物繊維の摂取量がかなり多いことが分かりました。男性もカルシウム、マグネシウム、カリウム、食物繊維を多く摂取していました。
以上の結果より、高校時代に家族揃って食事をすると、健康的な食事のパターンが身につき、成人しても食事の質を保てると結論づけています。
【文献】
Larson,N. I. et al.: Family Meals during Adolescence Are Associated with
Higher Diet Quality and Healthful Meal Patterns during Young Adulthood.
J. Amer. Diet. Assoc., 107: 1502-1510. (2007)
□ 文献紹介:地中海式料理はリウマチ性関節炎患者に有益
果物や野菜、魚介類、オリーヴ油の摂取が多く、赤身肉の摂取が少ない地中海式の料理は、リウマチ性関節炎患者の症状を改善できるとイギリス・グラスゴーの研究チームが発表しました。
研究では、女性のリウマチ性関節炎患者130人を2つのグループに分け、1つのグループには地中海式料理の授業を行い(料理を作るようにとの実施命令を含む)、別のグループには、料理の情報だけを与えました。
その結果、授業を受けたグループの女性は、果物、野菜、豆、不飽和脂肪酸の摂取が増え、リウマチ性関節炎の痛みが和らいでいました。対照的に、情報だけを受け取ったグループの女性では食事も痛みも変化していませんでした。
【文献】
McKellar、G. et al.: A pilot study of a Mediterranean-type diet intervention
in female patients with rheumatoid arthritis living in areas of social
deprivation in Glasgow. Ann. Rheum. Dis., 66: 1239-1243. (2007) [doi: 10.1136/ard.2006.065151]
□ 読者から:果物にまつわる思い出
編集係の皆様、毎回、果物&健康NEWSを楽しく読ませていただいております。さて、果物にまつわる思い出ですが、最近カレー自体に果物を入れて煮込むのは普通になっていますが、以前カレーに果物を入れるのはリンゴと蜂蜜くらいなものでした。
40年ほど前オランダ人の知り合い我が家でカレーライスを食べたのですが、バナナを剥いて一本丸ごと自分のカレーライスの上にポンと置きスプーンでカレーを口に運ぶ度に、先ずスプーンで薄くバナナをカットしてそのままカレーライスも同時にスプーンに載せて一緒に口に運びます。
私も真似してやってみました。先ずバナナですが、スプーンは湾曲している為キレイに薄くカットできます。ソレをカレーと一緒に食べるとカレー自体の味がやわらかくなりとてもおいしく感じられました。今でもそうやって食べます。最近は辛目又は激辛にしたものを使っています。カレー一杯でチョット足らないかなって思われている方は二杯目を追加するよりバナナを入れるといいですよ。(佐々木)
□ 文学の中の果物:柿の種(寺田寅彦)
大正九年ごろから、友人松根東洋城(まつねとうようじょう)の主宰する俳句雑誌「渋柿」の巻頭第一ページに、「無題」という題で、時々に短い即興的漫筆を載せて来た。中ごろから小宮豊隆(こみやとよたか)が仲間入りをして、大正十四、五年ごろは豊隆がもっぱらこの欄を受け持った。
☆
棄てた一粒の柿の種
生えるも生えぬも
甘いも渋いも
畑の土のよしあし
☆
寺田寅彦
(てらだ とらひこ、1878年11月28日-1935年12月31日)
物理学者、随筆家、俳人。漱石の門下生で数多くの随筆がある。
□ 今日のフォト
カキの実が色づき始めました(写真;下記サイト)。カキの実の色は、色名として使われています。熟したカキの実の色は柿色(別名:照柿色)、これより赤味がやや少ないものを近衛柿色、柿色より赤味が強いものを紅柿色というようです。
http://www.kudamononet.com/kkr/snapshot/KK-News15.html
(掲載は次号まで)
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http://www.kudamononet.com/kkr/index.html
☆ 編集部より ☆
先日、創刊号から講読してくれていた方にお会いしました。とても嬉しく、やってて良かったと思う至福の時でした。
「食事バランスガイド」の実践結果をみると、料理区分で最も不足してるのは果物でした。健康の維持・増進のため、果物&健康NEWSを通じて今後も果物の消費拡大に努力していきます。(tnk)
今回のメールマガジンの配信件数は8,880件です。何とか9千件を達成したいです。(sk)
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