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□□■ 果物&健康NEWS Vol.178 ■□□
■ 2007年12月14日(金) ■
みなさん、こんにちは!
特集は「メタボリックシンドロームとは」です。
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科学な生活情報メールマガジン
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◇ くだもの健康豆知識:ギンナン
◇ 今週のレシピ:ギンナン
◇ メタボリックシンドロームとは
◇ 品種紹介:ギンナン「二東早生」
◇ 読者から:ω3系とは?
◇ 読者から:果物の食育セミナ−に行きました!!
◇ 果物おもしろ記録:筒賀のイチョウ(樹齢千年以上)
◇ 文学の中の果物:半七捕物帳−鷹のゆくえ(岡本綺堂)
◇ やさい・くだもの健康食生活セミナー
「子どもの健康
と野菜・果物の役割」
◇ 今週の果物
◇ 今日のフォト
◆ 広告(手紙編)
◇ 編集部より
□ くだもの健康豆知識:ギンナン
ギンナンは、イチョウの果実です。イチョウは、古生代末期の2畳紀から中生代の3畳紀に起源をもち、ジュラ紀、白亜紀に最も繁栄しましたが、新生代の氷河期にほとんどが絶滅しました。ただ、氷河期でも中国の気候は温暖であったので、絶滅を免れ生き残ったと考えられています。そのため、イチョウは生きている化石といわれています。
我が国への渡来ははっきりしませんが、2千年以上の樹齢のイチョウがあるそうです(「日本老樹名木天然記念樹」1962年)。また、万葉集(7世紀後半から8世紀後半頃に編纂された歌集)にある「ちち(知智、知々)」は、イチョウのことと考えられています。ただ、これには「イヌビワ」との異説があります。
□ 今週のレシピ:ギンナン
福山市医師会で紹介されているギンナンのレシピです。
○ ぎんなんとひじきの混ぜご飯
材料 (2人分)
ごはん 適宜、ギンナン 10個、ひじき 5g、人参 20gなど
○ ぎんなんとごぼうのかき揚げ
材料 (2人分)
ギンナン 4個、ごぼう 40g、みつば 5g、すだち 1個など
作り方と出来上がりの写真は下記のサイトです。
http://www.fukuyama.hiroshima.med.or.jp/
kenkou/recipe/shujitsu/ginnan.html
□ メタボリックシンドロームとは
メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪症候群のことです。我が国の診断基準は、内蔵の周りに脂肪が蓄積した内臓脂肪型肥満に加えて、高血糖、高血圧、脂質異常のうちいずれか2つ以上が生じている状態をメタボリックシンドロームと定義しています。
上半身、特におなかの周りに脂肪がつくビヤ樽型肥満(上体肥満:リンゴ型)は、メタボリックシンドロームの危険因子です。上半身肥満は、糖尿病、高血圧、高脂血症、心臓病、ガンなどの生活習慣病と密接に関係しています。
一方、若い女性に多く見られるお尻や太ももにつく脂肪(洋ナシ型)は、メタボリックシンドロームの危険因子ではありません。むしろ、この部分の脂肪は、妊娠や出産に備えたエネルギー源として蓄えられているので、減らそうとするのは健康上、逆効果です。
かって、脂肪組織に含まれている脂肪細胞は、単なるエネルギーの貯蔵庫と考えられてきましたが、最新の研究からこの脂肪細胞は、様々な生理活性物質を分泌していることが分かってきました。これらの生理活性物質をアディポサイトカインといいます。アディポとは「脂肪組織」のことで、サイトカインとは、細胞から体液中に分泌される蛋白質のことです。分泌されたサイトカインは、標的細胞に働きかけて様々な生理作用を行います。
アディポサイトカインには、アディポネクチン、レプチンなどのように脂肪細胞特異的に産生されるものと、腫瘍壊死因子(TNF-αなど)のように脂肪細胞に特異的ではないものとがあります。
肥満になると脂肪細胞も肥大化し、脂肪細胞から分泌されるアディポサイトカインの質と量に変化が起き、この変化がメタボリックシンドロームの発症と関係することが分かりました。
脂肪細胞からは様々なアディポサイトカインが分泌されますが、その中には、メタボリックシンドロームを抑制する「善玉」と、促進する「悪玉」とがあります。「善玉」にはインスリン感受性を維持するアディポネクチンなどがあります。「悪玉」にはインスリン抵抗性を増加させるTNF-αなどがあります。
肥満になると脂肪細胞が肥大化しますが、肥大化する前の小型脂肪細胞からはアディポネクチンなど「善玉」が多く分泌され、肥大化した脂肪細胞からはTNF-αなど「悪玉」の分泌が増加します。このように、脂肪細胞の大きさによって分泌されるアディポサイトカインが変化します。
脂肪細胞の肥大化は、インスリン抵抗性を著しく増強することが明らかとなってきました。インスリン抵抗性とは、インスリンが効きにくくなることで、インスリンが過剰に存在してもインスリンが働かなくなることなどをいいます。その結果、肝臓や骨格筋における糖の取り込みがうまく行かず、血糖を下げることが出来なくなります。こうしてインスリン抵抗性が増すと、糖尿病や動脈硬化、高血圧などが発症します。すでに、果物の摂取は、肥満予防や血糖値、高血圧、脂質異常の改善に有効なことが知られています。
□ 品種紹介:ギンナン「二東早生」
「二東早生(にとうわせ)」は、早生種である「金兵衛」より硬核期が早く、殻果は中〜大で長円形です。外観が滑らかで美しいのが特徴です。粒重は2.9gで、6月下旬から7月上旬に収穫できます。愛知県中島郡祖父江町二保の佐藤善男氏が原木を所有しています。
□ 読者から:ω3系とは?
果物&健康ニューススタッフ様
毎回勉強になる情報有難うございます。懇意にしている果物屋さんでこのサイトの話もちょくちょくしています。チラシもよくもらいます。
さて今号(174号)で触れられたオメガ3系不飽和脂肪酸は大衆魚の脂肪とは分かりましたが、オメガ6系とは、動物性不飽和脂肪酸になるのでしょうか?
またオメガの表現はどういう意味の言葉からきているのでしょうか? 先日NHKTVでトランス脂肪酸の規制がアメリカで厳しくされていることを知りました。これとの関連はどうでしょうか?
よろしくお願いします。 砂町隆(仮名)
【編集部より】
果物&健康NEWSのご愛読有り難うございます。
脂肪酸は、カルボキシル基1個をもつカルボン酸のうち鎖状構造を持つものの総称で、脂質の主要な構成成分として存在しています。二重結合を持たないものを飽和脂肪酸、二重結合を1つもつものを一価不飽和脂肪酸、二つ以上もつものを多価不飽和脂肪酸といいます。
ωは、脂肪酸のカルボキシル基の反対側の末端のメチル基の炭素原子の位置を基準として、二重結合のある炭素原子の位置を示すための記号です。ω3とは末端メチル基の炭素原子から数えて3番目の炭素原子に二重結合があることを示しています(日本食品標準成分表で使われているn3も同じ意味です)。
ω3系脂肪酸とは、多価不飽和脂肪酸のうち、最初にれる二重結合が三番目であることを示しています。魚にはω3系脂肪酸が多く含まれていますが、ω6系脂肪酸も含まれています。肉類はω6系脂肪酸が多いのですが、ω3系脂肪酸も含まれています。
したがって、飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸をバランス良く摂取することが大切です。
二重結合の炭素原子に結びついている水素原子の位置が同じ側にあるものをシス形、互い違いになっているものをトランス形といいます。トランス脂肪酸とは二重結合がトランス型となっている不飽和脂肪酸のことです。天然ではほとんどの場合、不飽和脂肪酸はシス形として存在しています。
食品安全委員会が、トランス脂肪酸の我が国におけるリスク評価を行っていますので下記のサイトをご覧ください。
食品安全委員会のトランス脂肪酸についてのファクトシート(PDFファイル)。
http://www.fsc.go.jp/sonota/54kai-factsheets-trans.pdf
□ 読者から:果物の食育セミナ−に行きました!!
いつも果実ニュ−ス楽しく読んでいます。
先日、 岐阜の田舎から星ヶ丘まで新幹線・電車に乗って張り切って出かけました。なんだか高級そうな静かなたたずまいの坂道を登ると、椙山女子大学がありました。ステキなとってもきれいな大学で胸がキュ−ンとなりました。今までの講演と全く違って若い女の子が大勢いて、私もなんだか 嬉しくなりました。
肝心の"果実の機能性"の講演はまるで大学の受講をしている気分になり、"実演の果実"の魅力は大変感銘を受けました。万倍のいい話を聞くより、何より美味しい果実を食べる事が一番説得がある事だと思いました。
講師の鈴木さんがいかに果実を愛しているか信じられましたし、当日美味しく食べてもらう為に、かなり苦労されたという事が同業として大変理解出来ます。私も一緒に頑張らないといけないと思いました。果実ジュ−スもチンして作れば暖かく美味しいといわれ納得しました。半日有意義にすごせ、大変有り難かったです。
これからも宜しくお願いします。 (岐阜の柿娘:むっちやん)
【編集部より】
食育セミナーに参加していただき有り難うございました。「論より美味しい果物」ですね。この便りに講師の鈴木和子さん(八百文)やセミナーを企画した担当者も喜んでいると思います。
□ 果物おもしろ記録:筒賀のイチョウ(樹齢千年以上)
筒賀大歳神社境内にある「筒賀のイチョウ」は、広島県指定天然記念物(1939年8月12日指定)です。広島県山県郡筒賀村本郷にあり、幹周7.6m、樹高48m、樹齢1100年(伝承)の古木です。
下記のサイトで「筒賀のイチョウ」を見ることが出来ます。
http://www.kyoboku.com/47/hiroshima/tsutsuga.html
□ 文学の中の果物:半七捕物帳−鷹のゆくえ(岡本綺堂)
「おい、御亭主。この頃に誰かこの銀杏(ぎんなん)の木へ登りま
したかえ」
「いいえ、そんなことは無いようです」と、辰蔵は答えた。
「だって、小さい小枝がみんな折れている。その折れた路がまっすぐに付いているのを見ると、どうも誰か登ったらしい。ここらに猿はいめえじゃねえか」
「そうでございます」と、辰蔵はよんどころなしに笑った。
「それじゃあ近所の子供が銀杏を取りに登ったかも知れません。随分いたずら者が多うございますからね」
「そうかも知れねえ」と、半七は笑った。「それから木の下にこんな物が落ちていたが……」
それは一枚の小さい鳥の羽であった。辰蔵は思わず覗き込んだ。
「鳥の羽ですね」
「どうも鷹の羽らしい。もし、おまえさん。これは鷹でしょうね」
眼の前に突きつけられて、鳥さしの老人はその薄黒い小さい羽をじっと視た。
「そうです。たしかに、鷹の羽でございます」
☆
岡本綺堂 (おかもと きどう)
明治5年(1872年11月15日)−昭和14年(1939年)3月1日)。本名は敬二、別号に狂綺堂、鬼菫。新聞記者、小説家、劇作家。
大正五年の四月頃に読んだコナン・ドイルのシャーロック・ホームズにヒントを得て岡っ引捕り物小説「半七捕物帳」を公表。そのほか、「修禅寺物語」、「玉藻の前」、「番町皿屋敷」などがある。
□ やさい・くだもの健康食生活セミナー
−子どもの健康と野菜・果物の役割−
「やさい&くだものでスクスク健康家族」をテーマに、フジテレビ商品研究所食品料理研究室長山内寿子さんの講演やベジフルティーチャー原響子(元NHK名古屋キャスター)さんのトークショーにより、子どもの健康に野菜・果物が果たす役割や気軽に楽しく食べる方法など食事バランスガイドを活用した健全な食生活実現のためのセミナーを開催いたします。お気軽にご参加ください。
1)日時 1/29(火):14:00〜16:00
2)場所 さいたま新都心合同庁舎2号館 5階大研修室5A
3)内容 第1部「育ち盛りの子どもの健康に果物が果たす役割」
第2部「体に大切な野菜の上手な食べ方について」
詳しくはこちら:
http://www.kanto.maff.go.jp/V_F2008.htm
□ 今週の果物
ミカン、リンゴ(「ふじ」、「ジョナゴールド」、「王林」)、カキ(「富有」、「次郎」、「平核無」)が美味しいと好評です。デコポン、セイヨウナシ(「ラ・フランス」、「ル・レクチェ」)、ブドウ(「スチューベン」)、ユズ、レモン(国産)も好調です。
クリスマス用などにイチゴ(「とちおとめ」、「とよのか」、「あまおう」など)、キウイフルーツの品揃えが充実しています。
今後、年末・正月にむけて果物の品揃えを充実させていくとのことです。
生鮮食料品のマーケット・レポート(12月12日発行)は下記です。
http://www.maff.go.jp/toukei/sokuhou/data/
market2007-12-1/market2007-12-1.htm
□ 今日のフォト
海外だけでなく我が国でもクリスマスには果物が欠かせません。食卓の定番は七面鳥とク
リの料理に赤ワインなどです。クリスマスツリーに飾られる果物はリンゴです。また、プレゼント用にカンキツ類やリンゴなどで作られる手作りポマンダーは幸福を呼ぶといわれています。写真は、リンゴを飾ったクリスマスリースです。
http://www.kudamononet.com/kkr/snapshot/KK-News27.html
(掲載終了)
■ 広告(手紙編)
元気ですか。岩木山が真っ白です。
リンゴを送りました。友達と食べて下さい。
母より
☆ 編集部より ☆
いよいよ年も押し迫ってきました。お酒を飲んだ翌朝に果物を試してみてください。来年は、果物&健康NEWSも5年目に入り、順調にいけば夏には200号を配信できる予定です。ご愛顧よろしくお願いいたします。(tnk)
先日ばあちゃんの家からりんごが2箱届きました。おいしい時期を逃さぬよう毎日一生懸命食べています。(KT)
果物&健康NEWS ご愛読に感謝申し上げます。
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ご協力に感謝いたします。 編集長 敬白
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