|
□□■ 果物&健康NEWS Vol.181 ■□□
■ 2008年1月28日(月) ■
みなさん、こんにちは!
特集は「食事バランスガイドと栄養指導−果物を食べる理由、食べないわけ−」です。
────────────────────────
携帯WEBメールで「果物&健康NEWS」を受信してみよう
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは http://www.kudamono200.or.jp
果樹農業は未来を拓く! Do! our BEST.
:::■ メニュー ■::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
◇ くだもの健康豆知識:イヨカン
◇ 今週のレシピ:イヨカン
◇ 食事バランスガイドと栄養指導
−果物を食べる理由、食べないわけ−
◇ 携帯WEBメールで「果物&健康NEWS」を受信−その2
◆ 広告(携帯WEBメールのアドレス編)
◇ 品種紹介:カンキツ類「愛媛果試第14号」
◇ 文献紹介:血中ビタミンCが高いと脳卒中が減少
◇ 文献紹介:西欧型食事でメタボのリスクが上昇
◇ 果物花便り:南部梅林(和歌山県)
◇ 文学の中の果物:田舎教師(田山花袋)
◇ 今週の果物
◇ 今日のフォト
◇ 編集部より
□ くだもの健康豆知識:イヨカン
イヨカンは、伊予の国、愛媛県の特産品として知られていますが、発見されたのは、山口県阿武郡東分村の中村正路氏の園です。最初は「穴門蜜柑」と呼ばれていました。
明治22年に松山市の三好保徳氏が、原木を購入し愛媛県に導入し、みずから増殖普及を行いました。そのため、松山市周辺に産地が形成され、伊予蜜柑(イヨミカン)として出荷されました。しかし、愛媛県産の温州ミカンと混同を避けるため、昭和5年に伊予柑(イヨカン)と改められました。
イヨカンには200g中にビタミンCが70mg、β-クリプトキサンチンが540μg、疲労回復に効果的なビタミンB1が0.12mgと豊富に含まれています。
□ 今週のレシピ:イヨカン
○ 伊予柑のババロア
材料 (直径21cmのもの1個分)
伊予柑 2個、牛乳 500cc、ゼラチン 35g、水 150cc、砂糖 250g、卵黄 4個、生クリーム 200ccなど。
○ はちみつ伊予柑ケーキ
【材料】(21×21cmの角型のもの1台分)
伊予柑 1個、はちみつ、薄力粉、ベーキングパウダーなど
○ いよかんマーマレード
【材料】
伊予柑の皮 200g、伊予柑の果肉 400g(ほぐしておく)など。
○ いよっこ伊予柑ゼリー
【材料】
伊予柑果汁又は100%ジュース 200ml、粉寒天、水、砂糖など。
.
上記4つの料理の作り方と出来上がりの写真は下記のサイトです。
http://www.seino-shoji.co.jp/campaign/
07spring/iyokan_recipe.html
□ 食事バランスガイドと栄養指導
−果物を食べる理由、食べないわけ−
平成20年4月から生活習慣病予防の徹底を図るため、「高齢者の医療の確保に関する法律」により、糖尿病等の生活習慣病に関する特定健診がおこなわれます。そして、特定健診の結果による保健指導の実施が義務付けられました。また、政策目標として平成27年度には平成20年度と比較して糖尿病等の生活習慣病有病者・予備群を25%減少させることになりました。
この政策目標を達成するには、効果的・効率的に健診・保健指導を実施することが必要で、対象者への動機づけが大切となります。動機づけとは、自らの生活習慣を振り返り、自らの意志で生活習慣を改善するように支援することです。
適切な栄養指導の基本は食事バランスガイドですが、農林水産省が平成19年に約9千人を対象に食事バランスガイドの実践状況を調査した結果によると、食事バランスガイドの料理区分の中で、果物は摂取量が最も不足しており、7割以上の人が適量に達していませんでした(文献1)。一方で、菓子・嗜好飲料については、200kcalを超えて摂取している日が1日以上ある人が5割以上でした。
その他のアンケート結果などでも、果物は食事バランスガイドの摂取基準に達していません。なぜ、果物を食べないのでしょうか。(財)中央果実生産出荷安定基金協会が行ったアンケート調査によれば、「ほぼ毎日、果物を食べている」と答えた人以外の回答者に対し、「毎日食べない理由」を尋ねたところ、「値段が高いから」(25.3%)、「食べるまでに時間がかかるから」(17.9%)、「時間に余裕がないから」(17.7%)の順でした(文献2)。
こうしたアンケート結果から「価格を下げる」、「手間のかからない果物の育成」などが提起されています。しかし、様々な食材の中でミカンほど食べやすいものはありません。また、価格が安くなっても摂取量が増えるようにも思えません。こうしたことから、アンケートの中で消費者が回答したのは、「果物を食べる理由」ではなく、「果物を食べない言い訳」ではないかと思えます。果物を食べてもらうためには、自ら果物を積極的に食べる必要があると感じる動機づけが必要なのではないでしょうか。
アメリカでも健康の維持・増進のため、果物の摂取量を増やす努力が行われています。南ダコタ州立大学の研究グループは、栄養学を学んでいない大学生(18-24歳)を対象に、果物と野菜の摂取の向上を目的に動機づけを行い、その効果について解析を行いました(文献3)。
試験に参加した大学生を2つのグループに分け、介入(動機づけ)グループに対しては、1回の栄養専門家による面接、果物と野菜の摂取を勧める4回のニュースレター、2回以上のE-mailによる個別のフォローアップを4ヶ月間行いました。E-mailでは果物と野菜の摂取についてのWebサイトのアドレスを付けました。一方、対照グループにはこうした働きかけを一切しませんでした。
対照グループの学生の果物と野菜の摂取量は1日当たり試験開始前が2.1サービングで、試験終了後は2.5サービングでした。一方、動機づけが行われた介入グループの学生の果物と野菜の摂取量は、試験開始前が2.2サービングでしたが、試験終了時には3.2サービングと1日当たり摂取量が1.0サービング統計的に有意に増えました。
以上のことから、ニュースレターなどで果物摂取の動機づけを行えば若い人たちも果物の摂取量を増やすことが分かります。この結果は、日本でもセミナーなどで果物摂取の動機づけを行い、その後フォローアップとして「果物&健康NEWS」を携帯WEBメールなどで配信すれば、若い人たちの果物の摂取量が増えるのではないかと予想できます。次回、仁愛女子短期大学、同志社女子大学、椙山女子大学で行われたアンケート結果からこのことを検証したいと思います。
【文献】
1) 食事バランスガイド実践週間」実施結果(平成19年)報告書
http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/
johokan/pdf/070912_1a.pdf
2) 中央果実生産出荷安定基金協会:くだものの消費に関するアンケート調査の概要
http://www.kudamono200.or.jp/other/H17anq.pdf
3) Richards, A. et al.: Motivating 18- to 24-Year-Olds to Increase Their Fruit and Vegetable Consumption. J. Am. Diet. Assoc. 106: 1405-1411. (2006)
□ 携帯WEBメールで「果物&健康NEWS」を受信−その2
携帯WEBメールの利点の一つに携帯電話を代えてもアドレスが変わらないことです。携帯電話の番号は、会社を代えても継続して同じ番号を使えますが、メールアドレス(aaa@xxx.com)は@の右側が変更されるため同じアドレスを継承出来ません。でも、携帯WEBメールは、アドレスがWEB上にあるので、電話番号と同様に、同じアドレスを使うことが出来ます。
携帯WEBメールには様々ありますが、ここでは無料(ただし、携帯電話の通信料はかかります)で、迷惑メール対策が優れており、大容量のGmailを紹介します。登録方法は以下の通りです。
まず携帯かパソコン(PC)からGmailのアカウントの登録を行います(アドレスの取得)。次に、そのアドレスを「果物&健康NEWS」へ登録します。そうするとGmailのアドレスへ「果物&健康NEWS」が届きます。
WEB上にあるこのメールを読むために、携帯からWEB上のGmailのアドレスにアクセスします。これで、どこにいても、携帯(iモード、EZWeb、Yahoo!ケータイ)でもパソコンでも「果物&健康NEWS」の全文をを読むことが出来ます。
次回、Gmailへの登録方法と利用の手順について紹介します。
☆
【早く試してみたい方へ】
Gmailの使い方や特徴、登録等については下記のサイトをご覧下さい。Gmail アカウント登録は画面右下です。
http://mail.google.com/mail/
携帯WEB(PCも可)からの「果物&健康NEWS」仮登録サイトは下記です。
http://www.kudamononet.com/kkr/qr/registoryqr.html
※携帯WEBメールの使い勝手など、感想メールをお待ちしています。
■ 広告(携帯WEBメールのアドレス編)
アドレス取得って、簡単だね。
「果物&健康NEWS」も登録しとかなくちゃぁ
□ 品種紹介:カンキツ類「愛媛果試第14号」
愛媛果試第14号(えひめかしだい14ごう)は、「アンコール」に「大谷伊予柑(おおたにいよかん)」を交配して育成された品種で、果実は1月に成熟します。果皮の色は赤橙、剥皮はやや易です。果汁は多く、甘味と酸味が高いのが特徴です。
「愛媛果試第14号」の果実の写真は下記のサイトで見られます。
http://www.fruit.affrc.go.jp/kajunoheya/
ikuseihinsyu/data/hinsyu/pr-ehimekashi14.html
□ 文献紹介:血中ビタミンCが高いと脳卒中が減少
イギリス・ケンブリッジ大学の研究チームは、約2万人を対象に血液中のビタミンCと脳卒中との関係を調査した結果、ビタミンCは脳卒中の予防に有効であると報告しています。
研究では、男女20,649人(40-79歳)を平均9.5年追跡調査し、血液中のビタミンC濃度に従って4分割した結果、最も血液中のビタミンC濃度が高いグループは、最も低いグループに比較して脳卒中のリスクが42%低いことが分かりました。
ビタミンCの主な供給源は果物と野菜であることから、研究者らは、脳卒中の予防に果物と野菜の摂取を勧めています。
【文献】
Myint, P. K. et al.: Plasma vitamin C concentrations predict risk of incident stroke over 10 y in 20,649 participants of the European Prospective Investigation into Cancer-Norfolk prospective population study. Amer. J. Clinic. Nutr., 87: 64-69. (2008)
□ 文献紹介:西欧型食事でメタボのリスクが上昇
果物や野菜の摂取量が少なく、肉やフライ料理、精白穀類を多く摂取する西欧型の食事パターンはメタボリックシンドロームのリスクを高めることが、アメリカ・ミネソタ大学の研究から明かとなりました。
研究では、9514人(45-64歳)を対象にメタボリックシンドロームと食習慣との関係を調べた結果、西欧型食事パターンはメタボリックシンドロームを促進することが分かりました。また、肉やフライ料理、ダイエットソーダの摂取量が多いと罹患リスクが高まります。しかし、フルーツドリンクやコーヒーなどはメタボリックシンドロームとの関連性は認められませんでした。一方、乳製品の摂取はメタボリックシンドロームの罹患リスクを下げる効果が認められました。
この研究のメタボリックシンドロームの定義は、肥満(ウエストサイズ)、高血糖、高血圧、低HDL-コレステロール、高中性脂肪のうち3つ以上が当てはまる場合としています。また、これら因子は心疾患や脳卒中、2型糖尿病などの罹患リスクを高めることも知られています。
【文献】
Lutsey, P. L. et al.: Dietary Intake and the Development of the Metabolic Syndrome. The Atherosclerosis Risk in Communities Study. Circulation. Online Jan. 22, (2008) [doi: 10.1161/CIRCULATIONAHA.107.716159]
□ 果物花便り:南部梅林(和歌山県)
なだらかな山々に見渡す限りの梅の花が広がる、和歌山県日高郡みなべ町にある南部梅林は、「一目百万本香り十里」と言われ、日本一の規模を誇る梅の里です。約1,000haの耕地一面に梅の栽培が行われ、開花期にはたくさんの観梅客で賑わいます。
2008年1月27日(日)開園
詳細は下記のサイトをご覧ください。
http://www.aikis.or.jp/~nanki/bairin.htm
□ 文学の中の果物:田舎教師(田山花袋)
今年の一月から三月にかけて、若い人々はよくこの家に歌留多(かるた)牌をとりにきたものである。美穂子の姉の伊与子、妹の貞子、それに国府という人の妹に友子といって美しい人がいた。それらの少女連(おとめれん)と、郁治や清三や石川や沢田や美穂子の兄の北川などの若い人々が八畳の間にいっぱいになって、竹筒台(たけづつだい)の五分心の洋燈(らんぷ)の光の下に頭を並べて、夢中になって歌留多牌を取ると、そばには半白(はんぱく)の、品のいい、桑名訛のある美穂子の母親が眼鏡をかけて、高くとおった声で若い人々のためにあきずに歌留多牌を読んでくれた。茶の時には蜜柑(みかん)と五目飯の生薑(しょうが)とが一座の眼をあざやかにした。帰りはいつも十一時を過ぎていた。さびしい士族屋敷の竹藪の陰の道を若い男と女とは笑いさざめいて帰った。
☆
田山花袋(たやま かたい)
1872年1月22日(明治4年)12月13日−1930年(昭和5年)5月13日。本名、録弥(ろくや)。群馬県(当時は栃木県)生れ。自然主義文学の代表作家の一人で、「蒲団」「生」「田舎教師」「時は過ぎゆく」「百夜(ももよ)」などがある。
□ 今週の果物
ミカン、リンゴ(「ふじ」、)、イチゴ(「とちおとめ」、「あまおう」、「さがほのか」など)が人気です。カキは「富有」だけでなく、干し柿の市田柿やころ柿などが好評です。イヨカンやデコポン、ポンカン、甘なつみかん、メローゴールドが出回り始めました。
生鮮食料品のマーケット・レポート(1月21日発行)は下記のサイトです。
http://www.maff.go.jp/toukei/sokuhou/data/
market2008-01-2/market2008-01-2.htm
□ 今日のフォト
短い冬の日に照らされたナシの育種圃場です。写真左側の幹の太いナシは、何度かの育種選抜で残されている樹です。右側の樹は、新しく植えられ、これから調査の対象となる樹です。
これから、大きくて美味しいナシが実るように、あるいは樹を作るために、冬の間に整枝・剪定作業を行います。
http://www.kudamononet.com/kkr/snapshot/KK-News30.html
(掲載は次号まで)
☆ 編集部より ☆
健康に対する果物の効果について調べるだけでなく、果物の摂取量を増やすための研究も必要です。「果物&健康NEWS」を利用した食生活改善、生活習慣病予防のための共同研究を行いませんか。メールをお待ちしています。(tnk)
携帯電話による果物&健康NEWSの閲覧が可能になり、若い方が自分の健康と果物に関心を抱いていただけるとうれしいです。
今日某テレビ番組で「たまたま」という金柑を紹介していました。その値段1個800円以上!一度は食べてみたいなあ。(KT)
果物&健康NEWS ご愛読に感謝申し上げます。
無断転載はお断りします。 リンクは自由です。
詳しくは、著作権、リンクについて に記載しています。
ご協力に感謝いたします。 編集長 敬白
Copyright
2004-2007 田中敬一. All rights reserved. No reproduction or
republication without written permission. |
メルマガ果物&健康NEWS登録
サイト案内
くだもの
はたらき
|