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  ほぼ週刊メールマガジン「果物&健康NEWS」

第197回 日本語でパブメド

  




■□ 果物&健康NEWS Vol.197
□■  2008年5月16日(金)


みなさん、こんにちは。お元気ですか。
特集は「日本語でパブメド」です。
新鮮、おいしい、メルマガをゆっくりとお楽しみください。
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毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは http://www.kudamono200.or.jp
果樹農業は未来を拓く! Do! our BEST.

:::■ メニュー ■::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

 ◇ くだもの健康豆知識:バナナ
 ◇ 今週のレシピ:バナナ
 ◇ 日本語でパブメド
 ◇ 果物の小話:ナシの雑学−その3
 ◇ 読者から:バナナについて
 ◇ 美味しいバナナの選び方・食べ方
 ◇ 読者から:甘夏ミカンなど中晩柑類の皮のむき方
 ◇ 読者から:プロフェッショナル・インタビューを読んで
 ◇ 文学の中の果物:縮図(徳田秋声)
 ◇ 今週の果物
 ◇ 今日のフォト
 ◇ 編集部より



□ くだもの健康豆知識:バナナ

 栽培作物として長い歴史を持つバナナの原生地はマレー半島であると考えられています。もとのバナナは二倍体で小豆大の種が含まれていました。

 この中から、単為結果性のバナナが出現しました。このバナナは受精しなければ種が出来ませんが、受精すれば種が入ります。

 次に見いだされたのが、単為結果性に加えて雌しべに受粉能力がないバナナです。このバナナは種が出来ません。さらに、花粉にも受精能力がないバナナが見いだされました。この時期は紀元前5千年以前と考えられています。

 一方、上記とは別に単為結果性のバナナの中から、三倍体のバナナが見つけられました。三倍体のバナナは、種がなく二倍体より果実が大きいことから、現在の優良品種の親となっています。 




□ 今週のレシピ:バナナ

○ バナナチーズタルト

材料 (4人分)
 バナナ 1本、クリームチーズ 100g、生クリーム 100cc、卵 2個、砂糖 30g、タルト生地 1つ

作り方と出来上がりの写真は下記のサイトです。
http://cookpad.com/mykitchen/recipe/570885/

○ オレンジバナナサワー

材料(サワーポット1瓶)
 オレンジ 小2個、バナナ 1本、穀物酢 300cc、グラニュー糖 200g

作り方と出来上がりの写真は下記のサイトです。
http://cookpad.com/mykitchen/recipe/562643/




□ 日本語でパブメド

 英語で作成されているパブメド(PubMed)を日本語で使ってみようとは大胆な試みと思われるかも知れませんがそうでもありません。まず、和英・英和辞書、医学事典と翻訳ソフトを用意します。和英・英和辞典は「英辞郎」です。サイトは下記です。
 http://www.alc.co.jp/

 次に医学事典です。医学事典が必要なのは通常使っている言葉と医学用語が異なるからです。医学事典は「メルクマニュアル百科−最新家庭版」を使います。サイトは下記です。
 http://mmh.banyu.co.jp/mmhe2j/index.html

 最後に、英文和訳ソフトを用意します。Googleの翻訳ソフトで下記です。
 http://translate.google.co.jp/translate_t?hl=ja

 以上の3つを別々のウインドウで開けておきます。
 用意が調いましたら、新しいウインドウでパブメドを開きます。サイトは下記です。
 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/PubMed/

 それではリンゴのガン予防について検索してみましょう。
 リンゴを英辞郎に入力すると「apple」のほかに学名「Malus pumila var.domestica」などが現れます。ガンはcancerです。まず、cancerで検索すると「Items 1 - 20 of 2036993」と表示されます。この意味はパブメドにcancerに関連したデータが2,036,993件含まれていることを示しています。

 次にcancer appleと入力してみましょう。「Items 1 - 20 of 2023」となりだいぶ減りました。でも2千件もあります。そこで、もう一つキーワードを入れてみましょう。胃の英語stomachを加えて3つにします。すると「Items 1 - 6 of 6」となり読める数になります。最初の論文は下記で、著者名、タイトル、雑誌名の順で掲載されています。

1: Hibasami H, Shohji T, Shibuya I, Higo K, Kanda T.
Induction of apoptosis by three types of procyanidin isolated from apple (Rosaceae Malus pumila) in human stomach cancer KATO III cells.
Int J Mol Med. 2004 Jun;13(6):795-9.
PMID: 15138614 [PubMed - indexed for MEDLINE]

 ではタイトル「Induction of apoptosis by three types of procyanidin isolated from apple (Rosaceae Malus pumila) in human stomach cancer KATO III cells.」をコピーしてgoogleの翻訳ソフトに貼り付け、翻訳してみましょ。すると、「アポトーシスを誘導アップルから孤立した3つのタイのプロシアニジン(バラ科マリュスpumila )が人間の胃がん細胞加藤3世です。」となります。何となく分かりませんか。

 次に著者「Hibasami H, Shohji ‥‥」の部分をクリックします。すると雑誌名、タイトル、著者名、所属、要約が現れます。その要約部分を翻訳ソフトにコピーします。すると次のようになります。

「私たちは3つのタイプの影響を調査してから単離されるプロシアニジンアップル(バラ科マリュスpumila )上のDNAをヒト胃癌細胞加藤3世です。アポトーシス誘導され、これらの人間が観察さprocyanidins胃癌細胞加藤3世です。形態学的変化表示中の遺体が観察されたアポトーシス細胞治療を受ける加藤三procyanidinsです。 DNAの断片化され、 procyanidinsをoligonucleosomalの大きさの破片は、アポトーシスの特徴は、濃度が観察されると時間依存性細胞は
加藤の3世です。 N -アセチル-左-システイン、抗酸化、これらの抑制は、 DNAの断片化によって誘発されるprocyanidinsです。現在の研究によると、加藤三細胞増殖抑制の3つの種類のプロシアニジンアポトーシス誘導の結果から、これらの化合物、およびその活性酸素が関与してアポトーシス誘導され、これらの化合物は、加藤三電池です。」

 リンゴに含まれている3つのタイプのプロシアニジンが胃に対する発ガン抑制作用があることが分かります。Kato III cellを加藤三世電池と翻訳されてしまうのが玉に瑕ですが慣れてくると単に細胞の名前であることが分かってきます。

 日本語でも英語でも、検索のコツは適切なキーワードを選び、読むデータ数を減らすことです。そのためには医学事典と和英・英和辞典をうまく使うことが大切です。それからデータベースへの慣れです。英語だと恐れず何回か試すうちに英語の壁が低くなってきます。そして、完全な日本語でなくても論文の意味が分かってきます。




□ 果物の小話:ナシの雑学−その3

 日本ナシは栽培歴が古いだけに、前回紹介した他にも珍名が多くあります。樹上から大きな果実が落ちると、下にいた動物に命中して死んでしまうことから付いた「犬殺」、「猫殺」、「婆婆殺」、また、熊本県では天然記念物に指定されている「婆婆ウッチャギナシ」(ウッチャギとは方言で"つぶす"の意)という品種があります。

 現在、栽培面積の36%を占める大品種「幸水」が世に出るまでの裏話を少し紹介しましょう。世に出る前の「幸水」の名は「ヰ-26」といい、戦前の特殊潜航艇のような名前です。この名は戦前に思いをはせたのではなく、単に交配順にイ、ロ、ハ、ニ・・・・・と付けたに過ぎません。樹齢の若いうちの果実は、小さく、縦溝が入り、外観的には仮にも美しいといえるものではなく、さらに、花芽の着生が悪く、栽培性の面からも評価が低くかったようです。「幸水」のデビューが苦戦を余儀なくされたもう一つの理由は、当時の市場関係者の果実に対する評価基準が、外観の美しさに重きが置かれていたことです。市場初上場の4年前には、外観の悪さで「ヰ-26」を評価しなかった同じ市場関係者が、今度は「こんなに美味しいナシがあるのに、何故今まで発表しなかったのか」と言ったとか。「もの」に対する評価が、真の価値ではなく既成概念により左右された一例でしょう。果実に対する本当の評価は、外観より食味で行うべきです。なお、「幸水」はその後、関係者の努力により、花芽着生数も増加し、果実も大きくなり、何よりもその美味しさのため、大品種となりました。 (間苧谷)




□ 読者から:バナナについて

 いつも楽しみにしています。
 少し前から朝バナナダイエットを始めました。で毎朝バナナを食べているので、バナナについて詳しく知りたいです。またすぐ黒くなるので長持ちする方法が知りたいです。(福岡県:バナ子)

【編集部より】
 メールありがとうございました。果物と野菜を多く摂取するDASH摂取プランなどから、果物はダイエットに効果的であることが明らかになっています。ただ、バナナだけでは栄養バランスの崩れが心配です。今の時期ならリンゴやカンキツなども組み合わせるのがよいと思います。また、朝・昼・晩の食事バランスにも気をつけてください。




□ 美味しいバナナの選び方・食べ方

 美味しいバナナは軸がしっかりとしていて傷んだ部分のないもので、房が大きく、丸みを帯びたものがお勧めです。四角ばったバナナは未熟です。

 バナナは輸送中の腐敗を防ぐため未熟の状態で輸入され国内で追熟されています。近年、美味しい完熟したバナナが販売されていますが、日持性はあまり良くないので、なるべく早く食べるようにしましょう。

 また、バナナは冷蔵すると果皮や果肉が褐変して食べられなくなるので冷蔵庫での貯蔵はよくありません。




□ 読者から:甘夏ミカンなど中晩柑類の皮のむき方

 こんにちは,広島県で普及指導員をしています,延安と申します。毎回楽しく拝見させていただいています。

 我が家のもうすぐ5歳になる娘と3歳になる息子は,八朔や安政柑,今の時期でしたら甘夏が大好きで,食後に一人1個は食べないと気がすまない。親も食べようとすると最低3個は剥かないといけない状況です。それがみかんがある限り,毎日です(T_T)

 そんな中,中晩柑類は皮を剥くのがめんどうで消費も下がっていると聞きます。もう少し,早くにメールすればよかったのですが我が家の強い見方を紹介します「ムッキーちゃん」というものです。
 http://tenjin.coara.or.jp/~momoya/

 これは,表皮だけでなく,薄皮も簡単にむける優れもの!!価格も500円以下でリーズナブル!!我が家はこれなしではやっていけなくなりました(^^)もう8年近く愛用しています。当指導所内の普及指導員の間でも意外と知られていなくて,私は中晩柑の時期になるとムッキーちゃんの普及に努めています(笑)ぜひ,いろいろなところで紹介していただき,中晩柑の消費拡大の手助けになっていったらと思い,メールしました。
 長くなりましたが,よろしくお願いします。(広島県:延安)

【編集部より】
 中晩柑類の皮むきの情報ありがとうございました。これからも果物に関する話題をお待ちしています。




□ 読者から:プロフェッショナル・インタビューを読んで

 今回の佐藤さんの話は、難しい話ですが実現を心待ちにしているものの一人です。

 実は、佐藤さんは、私がつくば果樹試験場(当時はそう呼ばれてました)に在籍していたころの恩師でもありましたが、十数年前の思い出ですので、最後に本人の写真がアップしてあったのを見て二度ビックリでした。お互い年を重ねましたが、まだまだこれからです。!!! (名が先のカジュ より)




□ 文学の中の果物:縮図(徳田秋声)

 久しぶりで親子水入らずで、お茶を呑みバナナを食べながら、そんな話をしているうちに風呂の支度が出来、均平は裏梯子(うらばしご)をおりて風呂場へ行った。風呂に浸っていると、ちょうど窓から雨にぬれた山の翠が眉に迫って来て、父子の人情でちょっと滅入り気味になっていた頭脳(あたま)が軽くなった。

 北の国で育った均平は、自分の賦質に何か一脈の冷めたいものが流れているような気がしてならなかった。老年期の父の血を受けたせいか、とかく感激性に乏しく、情熱にも欠けており、骨肉の愛なぞにも疎いのだと思われてならなかった。加世子たちに対する気持も、ほんの凡夫の女々しい愛情で、自分で考えているほど痛切な悩みがあるとも思えなかった。しかし加世子や均一の前途がやッぱり不安で、加世子のためには均一の生命が、均一のためには加世子の存在が必要であった。



徳田 秋声(とくだ しゅうせい)
 1872年2月1日-1943年11月18日)。石川県金沢市生まれ。本名は末雄。代表作に「黴」、「爛」などがある。




□ 今週の果物

 名古屋市では、地元産の甘夏ミカン、イチゴ、メロンなどが人気です。
 その他、熊本産の甘夏ミカン、青森産のリンゴ(「ふじ」、「王林」、「ジョナゴールド」)、長崎、鹿児島産のビワ、島根や山梨産のブドウ(「デラウエア」、「巨峰」など)。熊本からのメロン(温室メロン、「アンデス」など)やスイカなどが好評です。
 そのほか、サクランボやモモ、スモモなどの入荷が始まっています。(名古屋市青果物日別取扱高統計から)




□ 今日のフォト

 関東では気温の低い日が続いていますが、それでも果物は大きくなってきています。農研機構果樹研究所では、もうすぐウメ、アンズ、モモなど核果類の収穫が始まります。写真は日に日に大きくなっているアンズです。

http://www.kudamononet.com/kkr/snapshot/KK-News43.html
  (掲載は次号まで)





☆ 編集部より ☆

 「果物の小話:ナシの雑学」の中にある「幸水」の評価の変遷には考えさせられるものがあります。リンゴ「ふじ」も同じような経過をたどっています。おそらく客観的評価などというものはないのでしょう。(tnk)

 先週軽井沢に行ってきました。すがすがしい空気を吸ってこようと思っていたのですが、雨+寒さで30分も外にいるとコーヒーがほしくなるくらいでした・・・。(KT)




 果物&健康NEWS ご愛読に感謝申し上げます。

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 ご協力に感謝いたします。  編集長 敬白

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