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  ほぼ週刊メールマガジン「果物&健康NEWS」

第216回 ミカン栽培の1年

  



■□ 果物&健康N8WS Vol.216
□■  2008年9月26日(金)


みなさん、こんにちは。お元気ですか。
特集は「ミカン栽培の1年」です。
メルマガをゆっくりとお楽しみください。
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毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは http://www.kudamono200.or.jp

:::■ メニュー ■::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

 ◇ くだもの健康豆知識:ミカンの品種と旬
 ◇ 今週のレシピ:ミカン
 ◇ ミカン栽培の1年
 ◇ ミカンの選び方
 ◇ 品種紹介:ミカン「西之香」
 ◇ 読者から:品種「蓬莱柿」は「姫蓬莱」の誤記
 ◇ 読者から:幼若期について
 ◇ 木イチゴ最新情報
 ◇ 読者より:DASH食の例示について−その1
 ◇ 読者より:DASH食の例示について−その2
 ◇ 読者より:DASH食の例示について−その3
 ◇ 読者より:DASH食の例示について−その4
 ◇ 文学の中の果物:青春の息の痕(倉田百三)
 ◇ 今週の果物
 ◇ 今日のフォト
 ◇ 編集部より



□ くだもの健康豆知識:ミカンの品種と旬

 ウンシュウミカン(温州みかん)は、出回る時期によって、極早生、早生、普通に分けられます。極早生は、9月から10月にかけて出荷される品種の総称で、「宮本早生」、「日南1号」、「上野早生」などがあります。果実の皮が薄く、内袋も薄いので非常に食べ易いのが特徴です。

 早生は、11月から12月にかけて出荷される品種の総称で、「宮川早生」、「興津早生」などがあります。果実は極早生と同様に皮が薄く、内袋も薄いので非常に食べ易い系統です。

 普通は 12月以降、3月頃まで出荷される品種の総称で、「南柑20号」、「十万温州」、「寿太郎温州」、「青島温州」などがあります。果実の糖度は高く、貯蔵性に優れています。




□ 今週のレシピ:ミカン

○ イカとみかんのごま酢みそあえ

○ ハッサクのサラダ

○ 三宝柑ママレードの鶏南蛮

○ 肉のオレンジ煮

作り方と出来上がりの写真は下記のサイトです。
http://www.ja-arida.or.jp/cooking/index.htm#MENU1




□ ミカン栽培の1年

 ミカンは5月になるとたくさんの花が咲きます。このうち10%位が果実(幼果)となります。しかし、美味しいミカンを毎年安定的に生産するには、摘果が必要となります。5月から7月頃までに果実を適正な着果数まで減らします。その後、収穫直前までの期間に傷果、病虫害果変形果、大きくなりすぎた果実や小さい果実等などを摘果します。

 美味しいミカンを作るために、養分を肥料として補給します。一般にミカンの施肥は春肥、夏肥、秋肥にわけて与えます。春肥は3月頃に新芽の伸長や幼果の発育を目的に、夏肥は6月頃に新梢の充実や果実の肥大促進を目的に与えます。秋肥は収穫後の樹勢回復や翌年のための貯蔵養分の蓄積を目的に与えます。

 ミカンの収穫は9月頃から12月頃まです。熟期が早いものから順次行われます。ミカンの収穫は一般に「2度切り」といわれ、一度樹から取った果実の軸をもう一度切り返します。これは軸が他のミカンを傷つけないようにするために行います。

 収穫が終わるとせん定の作業が待っています。ミカンの樹は枝の発生が多く、放置すると枝や葉が重なりあい、果実の品質低下につながります。そのため余分の枝をせん定し、樹の内部まで日光がよく当たり、風が通るようにします。また、翌年の芽の発生促進や果実の品質向上、さらには栽培管理の効率化などを目的にせん定を行います。

 このほかに、ミカン栽培では、草刈り、病害虫の防除、老木の改植など、年間を通じて沢山の作業を行っています。




□ ミカンの選び方

 美味しいウンシュウミカンはへたの部分が細く、果実が扁平で、果皮の橙色が濃く、ずっしりと重い果実です。大きさは中くらいか小さい位のものがお勧めです。ミカンには貯蔵性があるので涼しいところにおいておけばかなり長く保存できます。




□ 品種紹介:ミカン「西之香」

 「西之香(にしのかおり)は「清見(きよみ)」と「トロビタオレンジ」を交雑して育成された品種です。果実は扁球から球形で150〜180g程度。果皮は橙から赤橙色です。剥皮性はやや容易で両親より優れています。じょうのう膜が薄く、破れているが果汁がこぼれることはありません。熟期は12月下旬から1月上旬で、糖度12度、クエン酸含量は1%以下で、食味良好な品種です。品種名は、品種のもつ能力を発揮するうえで西日本の比較的乾燥する地域が適している点、また、この品種のもつオレンジ香に因んでいます。

「西之香」の果実の写真は下記のサイトで見られます。
http://www.fruit.affrc.go.jp/kajunoheya/
ikuseihinsyu/data/hinsyu/cu-nishinokaori.html





□ 読者から:品種「蓬莱柿」は「姫蓬莱」の誤記

 いつも楽しく読ませてもらっています。
 さて、果物&健康NEWS Vol.214の品種紹介の項目ですが、紹介品種と果実の写真が「蓬莱柿」になっています。「姫蓬莱」の間違いではないでしょうか。

 ところで、福岡県では今、新品種の「とよみつひめ」を売り出し中なので、機会があればこちらの品種の紹介のほうもよろしくお願いします。(福岡県:イチジク三昧)

【編集部より】
 メールありがとうございました。ご指摘のように「蓬莱柿」は「姫蓬莱」の誤記でした。お詫びして訂正いたします。今後ともよろしくお願いいたします。




□ 読者から:幼若期について

 突然すみません。毎号、興味深く読まさせてもらっています。ありがとうございます。
 さて、前号の下記の記事は、「同じ果樹でも、実生で育った木の実を蒔くと、そうでない木の実を蒔いた場合よりも長い期間かかって実がなるようになる」という意味でしょうか? それとも「同じ果樹でも若い木の実を蒔いた場合は、老樹の実を蒔いた場合よりも長い期間かかって結実する」という意味なんでしょうか?

<メルマガ記事> 幼若期の長さは、果樹の種類による違いだけではなく、同じ果樹でも実生の樹が最も幼若期が長く、樹齢を経るに従い幼若期が短くなります。農研機構果樹研究所ではリンゴなどから幼若期を短くする遺伝子を発見しています。

 細かいことにうるさく感じられるでしょうが、私にとって非常に興味深い事実を書いていただいたものですから、申し訳ないと思いつつも、メールしています。よろしくお願いいたします。(SK)

【編集部より】
 メールありがとうございました。記事の意味は、同じ品種で考えると実生の幼若期は長いのですが、枝を接ぎ木すると幼若期が短くなるという意味です。
 ご質問にある課題は大変興味深く、私たちも関心がありますが、現在のところ解明されていません。文章が分かりにく、申し訳あり
ませんでした。




□ 木イチゴ最新情報

 2008年9月19日(金)に配信されましたメールマガジン「果物&健康NEWS Vol.215」に「木イチゴの森」と題したカジイチゴに関する書き込みがありましたので、カジイチゴの情報をお知らせいたします。

・ 私が知る限りでは、カジイチゴは伊豆半島などの暖かな海岸沿いに分布しております。

・ 地下茎で殖えるため、周囲に拡大し、至る所の地面から芽が出て、困ることもしばしばあります。伊豆では、カンキツ園に蔓延して退治するのに困っていました。

・ 「ベビーハンズ」というカジイチゴの品種が最近品種登録されました。
  この品種は北海道北広島市で発見されたとされていますが、植物図鑑などでは、カジイチゴの分布域は本州(関東地方以西の太平洋側)、伊豆諸島、四国、九州と比較的暖かな地方に分布することになっています。

・ 主に切り花(花材)として、新芽時もしくは紅葉時に出荷されています。今後は花の時期、実の時期など、季節の花材としての用途も広がると思われます。品種登録された「ベビーハンズ」も観賞用です。(ST)

カジイチゴの写真は下記のサイトにあります。
http://www.kudamononet.com/kkr/snapshot/KK-News60_2.html
  (掲載は次号まで)





□ 読者より:DASH食の例示について−その1

 果物&健康NEWSの「毎日、果物と野菜を沢山食べるには」を拝見させ頂きました。

 その中で一日のメニューの参考例が載せられていましたが、三食とも主食がパンという食生活は、個人的には耐え難いです。

 また、品目数が少ないようにも感じました。目安の一日30品目をクリアするのはなかなか難しいですけれども。

 他にも、朝食に牛乳とジュースと合わせて二杯も飲んだらお腹がちゃぷちゃぷになってしまうのではないかとか、色々気になってしまいました。(重箱の隅をつつくようで申し訳ありません・・・。)

 DASH摂取プランでの例とはまた別に、日本らしく和食を基本としたメニューがありましたら、是非メルマガでご紹介下さい! (夢枕)

【編集部より】
 メールありがとうございました。和食の食事プランもいつか紹介したいと思っています。




□ 読者より:DASH食の例示について−その2

 果物&健康NEWS vol212拝見しました。「毎日果物と野菜をたくさん食べるには」の項に朝、昼、晩の献立の紹介がありました。

 朝も昼もどうして主食がパンなのでしょうか。日本では主食が米で、今いっそうお米を食べることが国の施策としても薦められているのではないでしょうか。お米が主食では、果物や野菜は沢山食べられないということでしょうか? 違和感を覚えましたので、一言書かせていただきました。

 毎回記事を信用し楽しみにしている読者より

【編集部より】
 メールありがとうございました。和食の例も紹介したいと考えています。




□ 読者より:DASH食の例示について−その3

 『毎日、果物と野菜を沢山食べるには』を読んでの感想です。一番最初に思ったこと、「え!これって日本の食事?」。主食がパンですし、主菜、副菜も。食事というよりも携帯食。
 
  日本型食生活を推進しているのとは反対方向では。 数字あわせのメニューではお手本にはならないのでは。 (秋田  りんご)

【編集部より】
メールありがとうございました。DASH摂取プランは、ヒト介入研究をもとに作成された食事プランで数字あわせではありません。我が国では、日本人の食事摂取基準2005や高血圧治療ガイドライン2004などでも推奨されているプランです。




□ 読者より:DASH食の例示について−その4

 いつもありがとうございます。
 食事の例にご飯が入っていなくて残念です。私は、3食ともご飯を入れていただきたく意見を申しあげます。よろしくお願いします。  (長野県 森)




□ 文学の中の果物:青春の息の痕(倉田百三)

 私の脚本は、も少しで完成します。今六幕目の終わりを書いています。親鸞聖人の臨終は、一つの罪の意識が救われの意識となって、この聖者の魂が天に返るように、罪を持ちながらも、一つの調和した救済の感じの出るようにかく気でいます。ファウストのグレートヘンの「審判された」が「救われた」となるように、私も親鸞の煩悩に苦しみつつ死ぬるのを成仏(じょうぶつ)と読者に感ぜられるように描きたいと思っています。最後の幕切れは、親鸞の魂の天に返れることをあらわすために、平和な、セレスチアルな音楽で終わらせたいと思っています。

 私は早世する兆(きざ)しか、もはや老年期のような調和的なものがかきたいのです。ゲーテのあるものは私の心に適います。私はゲーテの影響で、独白をたくさん使いました。私は独白は古典的な感じがして好きです。

 あなたにほめてもらったので、大分自信がつきました。どうも技巧が未熟で困りますが、だんだんとじょうずになれることと思います。気のおつきになったところは、遠慮なく注意して下さい。

 ここまで書いたところに、艶子が来ました。ちょっと、三次まで叔父の法事に立ち会ったついでに見舞いに来てくれたのです。蜜柑(みかん)をむきつつ話しています。あなたによろしく申してくれといいました。二、三日泊ってすぐに帰るでしょう。

 私の健康はだんだん恢復してゆきますから喜んで下さい。春にはお目にかかりたく思います。私も写真をとりましたから、数日の内にお送りいたします。脚本は、艶子の「禍いの日」というのを、謙さんのところに送りましたから、見てやって下さい。前にかいた「臆病にされた女」というのをそのうちにあなたのほうに向けてお送りします。私のは、遅筆で、汚なくて、清書しなくてはだめですから、また、いつか見て下さい。すぐ原稿用紙に、きれいに得かかないのです。私は「人類の愛」という喜劇をかく気です。愛を口にして隣人の運命に不注意な文士の虚偽に対する私の鋭い批評です。

 茅ヶ崎の大沢さんは実に同情します。あのような運命の下に苦しんでいる人に、なぐさめとなるには、いかにしたらいいのでしょう。あなたは自分の不幸な心で、なお静かな、つつむような同悲の情をおくって、よくなぐさめておあげなされました。今度お便りなさる時には、同じ病気を耐え忍んでいる私からの、ねぎらいの挨拶を伝えておいて下さい。

 また江馬さんにも私の好意を伝えておいて下さい。何事もすぐれた魂を持つものの寂しさだと思って、忍耐なさるように。

 私は「愛と知恵との言葉」のエッセイを続けたいのですが「生命の川」はお金が高くかかるのでたくさんかけないので困っています。新思潮もお金がかかるし得かきません。もっとフェボラブルな発表の場所がほしいと思っています。

 謙さんにソフォクレスを送ってもらいました。イフィゲニーやタッソーも読みましょう。詩はわかりにくくて困ります。
 今日はこれで失礼します。ではいずれまた。
(十二月十三日。丹那より)



倉田 百三(くらた ひゃくぞう)
 1891年2月23日-1943年2月12日。広島県庄原市出身。大正、昭和初期に活躍した劇作家、評論家。広島県立三次中学校から第一高等学校へ進むが21歳で肺結核を患い中退。以後闘病生活が続く。病床で執筆活動を続けた。代表作は、「出家とその弟子」や「愛と認識との出発」など。「出家とその弟子」は同人誌「生命の川」に掲載された。




□ 今週の果物

  今週は名古屋市の青果市場に入荷している果物について紹介します。入荷量が最も多い県は長野県です。次いで、青森県、和歌山県、熊本県と続きます。種類ではナシが一番で、継いでリンゴ、ミカンです。 

ミカンは鹿児島、熊本、宮崎産です。リンゴ「つがる」は青森、長野産 「ふじ」は長野産です。

ニホンナシ「豊水」、「二十世紀」は長野産、「新高」は愛知、佐賀産で、セイヨウナシは長野産です。

モモ、スモモは長野産です。ブドウ「デラウェア」は山形産、「巨峰」は長野産などです。

甘ガキは岐阜、愛知産、渋ガキは和歌山産です。クリは熊本産です。

イチゴは長野産、メロン(温室メロンなど)は北海道、静岡、茨城、山形産などです。スイカは北海道、熊本産です。




□ 今日のフォト

 秋も深まり、天高く、美味しい果物の実る季節となりました。夜、中秋の名月を背景にしてリンゴの畑を歩いていると、ちょっとニュートンになったような気分になりました。

http://www.kudamononet.com/kkr/snapshot/KK-News60.html
  (掲載は次号まで)





☆ 編集部より ☆

 インターンのtyさんの記事が評判です。私の周りでも、誕生日の果物は○○などと話題になっています。今日も木イチゴの続報が掲載されています。果物&健康NEWSに欠けているのは若い力だと痛感しました。若い人からの投稿をお待ちしています(tnk)

 あと数日で果物&健康NEWSに携わって1年になります。時間がたつのが非常に早く、ついこの前のことと思えます。
 大分夜になると涼しくなりました。食欲の秋とともにたくさんの果物のおいしい時期、私が一番好きな季節がやってきました。(KT)




 果物&健康NEWS ご愛読に感謝申し上げます。

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 ご協力に感謝いたします。  編集長 敬白

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