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■□ 果物&健康N8WS Vol.217
□■ 2008年10月3日(金)
みなさん、こんにちは。お元気ですか。
特集は「リポフル閑談:スポーツの前と後には果物がイイ」です。
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毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは http://www.kudamono200.or.jp
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◇ くだもの健康豆知識:セイヨウナシの来歴
◇ 今週のレシピ:ナシ
◇ リポフル閑談:スポーツの前と後には果物がイイ
◇ 品種紹介:ナシ「筑水」
◇ 文献紹介:ビタミンCは高齢男性の骨を守る
◇ ゼミ・卒論・食育に役立つ資料:日本食品標準成分表
◇ 読者から:クリの品種と料理法について
◇ 文学の中の果物:佐渡が島(長塚節)
◇ 今日のフォト
◇ 今週の果物
◆ 広告 メタボ予防
◇ 編集部より
□ くだもの健康豆知識:セイヨウナシの来歴
セイヨウナシの原生地はヨーロッパ中央部から地中海沿岸地域と考えられています。セイヨウナシの品種改良は主にフランスなどで行われました。
我が国で栽培されているセイヨウナシはヨーロッパから導入されたものが主体です。導入品種は100種類以上と考えられています。我が国に初めて導入されたのは明治初期と考えられています。当時、全国各地で試作栽培されました。その結果、木の特性などから北日本、山形県などが立地条件として優れていることが分かりました。
そのため、こうした地域でセイヨウナシの栽培が勧められましたが、第二次世界大戦時に伐採され栽培面積が激減してしまいました。戦後、加工品の需要が多くなり、栽培技術も向上するなどから栽培面積が再び増加しました。
□ 今週のレシピ:ナシ
○ ラ・フランスのババロア
○ ラ・フランスのケーキ
○ ラ・フランスと魚のマリネ
○ えびと野菜のナシ酢和え
作り方と出来上がりの写真は下記のサイトです。
http://www.nn.zennoh.or.jp/recipe/kudamono/recipe12.html
□ リポフル閑談:スポーツの前と後には果物がイイ
リ ポ:秋が深まってきましたが、皆様いかがおすごしでしょう
か。今日はスポーツの秋にちなんだ話題です。フルッタ
さんよろしくお願いします。
フルッタ:よろしく願いします。涼しく、湿度も下がってきたので
運動に最適な季節ですね。
リ ポ:秋は運動会のシーズンなので今日のテーマは、「スポー
ツの前と後には果物がイイ」です。
フルッタ:日頃あまり運動していないお父さん方もスポーツを楽し
む機会が多くなるのではないでしょうか。運動する時に、
もっているエネルギーを最大限に使うためには、普段か
らバランスの良い食事をすることが大切ですが、その上
で、筋肉にエネルギーのストックを作っておくとスタミ
ナが持続します。
リ ポ:運動会の朝などには、何を食べれば良いのですか?
フルッタ:運動会の朝には、炭水化物の豊富な食品を中心に摂取し
て、脂肪の多い食品は少しにします。何故なら、炭水化
物は、筋肉にストックされ、運動時に最も効率よく利用
される栄養成分だからです。
リ ポ:そうなんだ。
フルッタ:しかし、炭水化物といっても、種類も沢山あります。昔
は、芋などのでんぷんの多い食品が良いとされ、逆に、
糖分の多い果物は控える食品と考えられていました。
リ ポ:運動前に食べるなら、お芋などが良いと聞いたことがあ
ります。
フルッタ:ところが最新の科学データによると、血糖値を上げない
食物繊維を多く含む食品の摂取が、エネルギーを効率的
に利用する上で、優れていることが分かりました。
リ ポ:スポーツ栄養学の進歩によるということですね。以前、
元オリンピック選手にインタビューしたことがあるので
すが、オリンピック村には沢山の果物がありどの選手も
いっぱい食べていると伺ったことがあります。
フルッタ:果物には、食物繊維が多く含まれているので、炭水化物
が多いにもかかわらず血糖値が上がらないという特徴が
あります。そのため、運動会の朝などには、エネルギー
源である炭水化物の多いナシやブドウなどの摂取が有効
です。
リ ポ:ところでフルッタさんはどんなスポーツをしていますか。
フルッタ:最近は毎日の自転車通勤ぐらいですね。好きなスポーツ
はマラソンで、42.195km完走したこともあります。
リ ポ::どのくらいのタイムだったのですか。
フルッタ:それは秘密です。リポさんは何が好きですか。
リ ポ:ちょっとだけテニスをしていました。
競技が終わったらどうすればいいのですか?
フルッタ:運動をすると汗をかくため失われた水分や養分を補給す
る必要があります。特に、水分と炭水化物を補給をする
と、運動後の疲労を取り除くことが出来ます。そのため、
水分と炭水化物の多いナシやブドウなどの果物やフルー
ツ・ドリンクが適しています。
リ ポ:楽しい運動会で、持っている力を十分に引き出すために
は、ナシやブドウなどの果物を食べると良いと言うこと
ですね。
ありがとうございました。
□ 品種紹介:ナシ「筑水」
「筑水(ちくすい)」は「豊水(ほうすい)」と「八幸(はっこう)」を交雑して育成された品種です。関東地方では8月上〜中旬に成熟し、「幸水」より前に収穫される極早生の赤ナシです。果実の大きさは250g前後、糖度は12〜13%で、酸味は感じません。肉質はち密で多汁です。名前は育成地近くの筑波山に因んで筑をとり、「幸水」や「豊水」と同レベルの果実品質をもつということで水がつけられました。
「筑水」の果実の写真は下記のサイトで見られます。
http://www.fruit.affrc.go.jp/kajunoheya/ikuseihinsyu/
data/hinsyu/cu-chikusui.html
□ 文献紹介:ビタミンCは高齢男性の骨を守る
アメリカ、タフツ大学の研究チームは、ビタミンCを多く含む果物や野菜を摂取していると、年配の男性の場合、骨の損失防止に有効と報告しました。
研究では平均年齢75歳の男女約880人を対象に4年間、骨密度の変化と、食生活を調査しました。その結果、ビタミンCの摂取が多い男性は、骨密度の低下が少ないことが分かりました。また、喫煙男性ではビタミンCの効果が弱いことも分かりました。一方、女性ではビタミンC摂取と骨密度との間に有意な相関関係は認められませんでした。
以前の研究から、果物と野菜の摂取は骨密度の低下を防ぐことが知られていましたが、今回の調査からその理由の1つとしてビタミンCが見いだされました。ビタミンCはコラーゲンの生成に必須の成分で、骨の損失と関係することが知られています。
【文献】
Sahni, S. et al.: High Vitamin C Intake Is Associated with
Lower 4-Year Bone Loss in Elderly Men. J. Nutr., 138: 1931-1938. (2008)
□ ゼミ・卒論・食育に役立つ資料:日本食品標準成分表
日本食品標準成分表は、昭和25年(1950)に初めて作成され、昭和57年(1982)の四訂を経て、平成12年(2000)に五訂日本食品標準成分表が公表されました。最新版は平成17年1月に公表された五訂増補日本食品標準成分表です。収載食品数は1,800点以上、成分項目は、タンパク質、脂質、炭水化物、ミネラル、ビタミンなど36項目が記載されており、栄養学の研究、病院、学校などの集団給食、食料計画、日常の食生活などに広く利用されています。
文部科学省のサイトに全文が掲載されています。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/
gijyutu/gijyutu3/toushin/05031802.htm
果実類(PDF:151KB)の成分値は下記のサイトで読めます。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/
gijyutu3/toushin/05031802/002/007.pdf
□ 読者から:クリの品種と料理法について
いつも楽しく拝見しています。
栗でマロングラッセをつくりたいと思うのですが、適した品種がありましたら、教えてください。
りんごとかさくらんぼとか品種で選んで買ったりしますが、栗は品種の違いがよくわからなく何を買ったらいいのか迷ったりします。いろんな品種があると思いますので、それぞれどんな特徴があり、どんな料理に適しているのかデータがありましたら、教えていただきたいです。
どうぞよろしくお願いいたします。(丹後)
【編集部より】
メールありがとうございました。クリは大きくニホングリ、チュウゴクグリ、ヨーロッパグリ、アメリカグリに分けられ、食べ方や料理法などが異なっています。
この中でマロングラッセにはヨーロッパグリが使われています。マロングラッセのポイントは果肉の最上層のひだが浮き出ている点です。そのため、渋皮が剥がれにくいニホングリは適していません。我が国で市販されているマロングラッセの原料は、イタリアやフランスなどから輸入されたものです。
ニホングリの栽培品種は明らかですが、品種別に販売されていません。品種を特定して購入する場合は、果物店や農家に直接頼むなどで手に入れられると思います。
農研機構果樹研究所では育成したニホングリの品種別の特性などを公表しています。しかし、残念ながら品種と料理との関係ははっきりしていません。情報があれば教えてください。
農研機構果樹研究所が育成した品種の特性などを調べるには下記のサイトが参考になります。
http://www.fruit.affrc.go.jp/kajunoheya/hinsyukensaku/DBdemo.html
□ 文学の中の果物:佐渡が島(長塚節)
街道は小山の間に入る。羽茂川に添うて行くと少しばかりの青田があつて青田へは小さな瀧が落ち込んで居る。瀧の側からは杉の大木が聳えて其杉の木には蝋が流れたやうに藤の實の莢が夥しく垂れて居る。丁度そこへ來かゝつた老人が頻りに合掌して其瀧を拜んで居る。余は此老人に大崎はまだ遠いかと聞いたらウン此かこれは御來迎の瀧だといつた。老人は耳が遠いのである。大崎の博勞の家はまだ遠いのかと大きな聲でいつたら老人はにこ/\笑ひながら此から少し先へ行けば大崎になる。牛でも買に來たか、まだ二十にはなるまい、能う來たのうといひ捨てゝ去つた。
羽茂川に添うたまゝ街道は狹い峽間になる。路傍に大桶へ箍を打つて居る桶屋があつたので聞いて見ると博勞の家ならば後へ戻つて坂の上の高い所に見えるのがさうだといつた。桶屋のいふまゝに戻つて見ると住み捨てた大きな草家の側に坂がある。坂をのぼり切ると二本の梨の木が兩方からすつと空へ延びて其梨の木には梯子が掛つて居る。梨の青い葉がばら/\と散らばつて居る。
博勞は丁度日に近い縁側に足を投げ出して梨を噛つて居る所であつた。余の姿を見ると能う來たのうと例の大口を開いて反齒を剥き出しながら驚いたといつたやうな顏をしていつた。彼と夷の港の宿屋で別れたのは四日前である。別れる時に若し自分の土地へ通りかゝつたならば立ち寄つてくれと彼はいつた。余は屹度と誓つた。彼は其後毎日他出をするのであるからあとへかういふ人が來たなら瀧へ案内をして返せといひ置いては出たのだといつて獨で悦んで居る。縁に腰を懸けて庭を見ると一枚の筵につやゝかな著我の葉をならべて其上に赤く染めた糸が二括りばかり干してある。
筵の先には亂雜に手を建てた隱元(いんげん)が下葉は黄色に枯れて莢はまだなつて居る。博勞は板の間に[※蓙]を敷いて「赤泊は俺が案内してあげる。赤泊の宿屋のとつゝあんは能う物を知つて仰山話が好きだ。丁度赤泊へは越後の仲間が牛買に來て明日あたりは歸るといつて居たから俺が話をして其船へ乘せてあげる。まあゆつくり休息して行けといふので兎にも角にも草鞋をとつてあがる。部屋のうちは仕事衣やら穢い着物が亂雜に引つ掛けてある。天井からは煤が垂れて居る。其煤の天井から吊つてある棚も漆で塗つたやうである。其棚には蝮蛇の皮を剥いて干したのが竹串に立てゝある。此部屋で白いものは此の蝮蛇の串ばかりである。
今とつた梨だといつて博勞が籃のまゝ余が前に梨を薦める。自分はさつきの噛りかけを一寸手でこすつて皮の儘むしや/\と噛りつゞける。余は拇指の爪が非常に延びて居たので其爪の先でぽつり/\と皮をむいて見た。鋲の頭のやうな小粒が一つ/\板の間へ落
ちる。博勞は氣の長いことをするのうと見て居たがアヽ庖丁を出すのであつたと此時漸く穢げな庖丁を手でこすりながら出して呉れた。
注)[※蓙]
「蓙」の漢字の中にある左側の「人」に代えて「口」の漢字が使われています。
☆
長塚節(ながつか たかし)
1879年4月3日−1915年2月8日。茨城県岡田郡国生村の豪農の家に生まれ、『アララギ』の創刊に携わった。代表作に長編「土」があり、農民小説の先駆者として知られている。
□ 今日のフォト
「坂をのぼり切ると二本の梨の木が兩方からすつと空へ延びて其梨の木には梯子が掛つて居る。」(文学の中の果物:佐渡が島)
現在、ニホンナシの栽培は棚仕立て行われていますが、上記の文に出てくるナシは立木のようです。農研機構果樹研究所に植えられている自然な状態のナシの立木を紹介します。両側の防風林の間ですっと空へのびているのがナシの木です。
http://www.kudamononet.com/kkr/snapshot/KK-News61.html
(掲載は次号まで)
□ 今週の果物
今週は石川県金沢市の青果市場に入荷している果物について紹介します。地元産の果物は、リンゴ「ふじ」、ニホンナシ「二十世紀」、ブドウ「巨峰」、クリ、メロンなどです。入荷量の多い県は佐賀県で、続いて青森、石川、栃木、和歌山です。
ミカンは佐賀、福岡産などです。リンゴ「つがる」は青森産、「ふじ」は石川産です。ニホンナシ「豊水」は栃木産、「二十世紀」は石川産などです。
ブドウは長野、石川産の「巨峰」などです。甘ガキは岐阜産、渋ガキは和歌山産です。メロンは石川、静岡産の温室メロンなどです。クリは熊本、石川、茨城産です。
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メタボ予防には とりあえず果物!
おとうさん。果物が不足していますよ。
☆ 編集部より ☆
どこにいっても果物は皮をむくのが面倒といわれます。菓子や加工品を除いた食材で一番食べやすいと紹介すると、何となく分かってくれるようです。スローフード運動と食べやすいか問題は関係があると思っています。美味しい果物の季節になると忙しくなります。(tnk)
果物&健康NEWSの担当になって1年がたちました。月がたつのが早く実感がまったくありません。まだまだ不勉強な私ですが、今後ともよろしくお願いいたします。(KT)
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ご協力に感謝いたします。 編集長 敬白
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