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■□ 果物&健康N8WS Vol.223
□■ 2008年11月14日(金)
みなさん、こんにちは。お元気ですか。
特集は「キッズQ:非破壊で果物の糖度が分かるって本当?」です。 携帯WEBメールでも果物&健康NEWSが楽しめます。
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◇ 悲しき玩具 石川啄木
◇ 今週のレシピ:ウンシュウミカン
◇ キッズQ:果物の缶詰、ジャム、砂糖漬けって?
◇ 品種紹介:カンキツ「ミホコール」
◇ 文献紹介:エネルギー密度の高い食品は2型糖尿病リスクを高める
◇ 食育ニュース:果物・野菜摂取向上に対する学校の取り組み
◇ ゼミ・卒論・食育に役立つ資料:
アメリカにおける栄養動向調査報告2008年版
◇ 農研機構シンポ:果物をもっと食べるために−医薬農の考え方
◇ 文学の中の果物:源氏物語(紫式部 與謝野晶子訳)
◇ 今週の果物
◇ 今日のフォト
◆ 広告
◇ 編集部より
□ 悲しき玩具 石川啄木
ぢっとして、
蜜柑のつゆに染まりたる爪を見つむる
心もとなさ!
□ 今週のレシピ:ウンシュウミカン
○ 極早生温州みかんとさつまいものクリーミーシェイク
材料
極早生温州みかん 2個、さつまいも 70g、牛乳 適量
作り方と出来上がりの写真は下記のサイトです。
http://www.karen-ja.or.jp/cgi-bin/skeleton/
SkinView.cgi?mode=1&cid=4&id=1200&html=./
detail_04.html&link=1
○ ハウスみかん大福
材料
ハウスみかん 3個、こしあん 150g、白玉粉 120g、砂糖 大さじ2杯、みかん100%果汁 120t、片栗粉 適量
作り方と出来上がりの写真は下記のサイトです。
http://www.karen-ja.or.jp/cgi-bin/skeleton/
SkinView.cgi?mode=1&cid=4&id=1151&html=./
detail_04.html&link=1
□ キッズQ:果物の缶詰、ジャム、砂糖漬けって?
果物には旬があります。そのため、長く果物を楽しむためには工夫が必要ですが、今回は缶詰、ジャム、砂糖漬けについて紹介します。
○ 果実缶詰
果物の缶詰は、果実をシラップにつけた製品です。シラップ漬缶詰の原料として使われるのは、ウンシュウミカン、モモ、オウトウ、セイヨウナシ、クリ、ビワ、ブドウ、アンズ、スモモ、イチジク、ナツミカン、リンゴなどがあります。
・ウンシュウミカン缶詰
ウンシュウミカン缶詰の製造工程は、ほとんどが機械化されています。ミカン果実を水洗・洗浄し、剥皮しやすくするため果実を 90℃程度の熱湯に1分間浸潰してから、ロール剥皮機によって果皮をとります。
次に、かたまっているじょうのうをバラバラにしますが、このことを「身割り」、「ほろ割り」といいます。強圧水で噴流を果肉にあて、水圧で分離します。その後、じょうのう膜を塩酸溶液、水酸化ナトリウム溶液によって可溶化し、除去すると、脱皮した果肉が得られます。缶詰にミカンを詰めた後、糖液を注入します。缶詰を脱気・密封したあと、殺菌、冷却すると製品となります。
・モモ缶詰
モモの果肉の色は大別すると白肉と黄肉とに分けられますが、わが国では白肉系統の缶詰が人気です。そのため、国産加工では「大久保」や「もちづき」という白肉の品種などが原料として用いられています。「大久保」などの白肉桃は果肉が軟らかいので加工には注意が必要です。また、核(種子)周辺にアントシアンがあるものは加熱後の変色の原因となるので、加工原料としては不適です。
白肉系モモ果実の剥皮は、完熟した果実では主に熱湯または蒸気処理によって行われますが、ゴム質の黄肉桃では2%程度の熱湯カセイソーダ溶液(沸騰水中に30〜50秒浸漬する)で剥皮します。次いで、果実の中央(縫合線)に沿って半割し、核を取り除いた後、ブランチング、肉詰め、巻締め、殺菌して製品となります。
○ ジャム
果実の中には水溶性食物繊維であるペクチンが沢山含まれています。このペクチンが酸と糖と一緒になると、脱水作用を受けペクチンがゲル化し、軟らかいゼリーを形成します。この性質を利用して製造する加工品がジャムです。ジャムに用いられる果実には、リンゴ、アンズ、スモモ、ブドウ、ベリー類(ブルーベリー、ラズベリー、グーズベリー)、カンキツ(ウンシュウミカン、スイートオレンジなど)、イチゴなどがあります。
一般的にペクチンが0.7〜1.5%、糖が60〜65%、酸が0.4〜0.6%前後なものが適度な硬さのゼリーとなります。ゼリー化は、pHが低くなるほど早くなる性質があります。pH3.1〜3.5が最適です。上記の三成分のどれかが不足する場合は、ペクチン粉末、砂糖、クエン酸またはリンゴ酸を加えて作ります。
○ 砂糖漬け
砂糖漬けは果実の形状を壊さないように、また、果肉が収縮して硬くならないように糖液をゆっくりと浸透させて作ります。そのため、40%位の糖液から徐々に糖の濃度を上げ、最終糖度を60〜70% にします。その後、砂糖漬けされた果実を乾燥して製品とします。この加工法は保存性が高いのが特徴です。ブンタン果皮の砂糖漬け、マロングラッセ、クリ砂糖漬けなどがあります
□ 品種紹介:カンキツ「ミホコール」
「ミホコール」は「三保早生(みほわせ)」と「アンコール」を交雑して育成された品種です。果実は150〜200g程度とウンシュウミカンより大玉です。果皮は濃橙色でウンシュウミカンより赤味があり、剥皮性はやや劣ります。熟期は12月中から下旬です。じょうのうが厚いのですが、糖度は11〜12度、クエン酸含量は1%以下となり食味良好です。名前は母親「三保早生」から「三保(ミホ)」、父親「アンコール」の「コール」から名付けられました。
「ミホコール」の果実の写真は下記のサイトで見られます。
http://www.fruit.affrc.go.jp/kajunoheya/ikuseihinsyu/
data/hinsyu/cu-mihocall.html
□ 文献紹介:エネルギー密度の高い食品は2型糖尿病リスクを高める
イギリス、ケンブリッジ大学などの研究チームは、約2万2千人を対象に追跡調査を行った結果、エネルギー密度の高い食品を食べている人は2型糖尿病のリスクが高くなると「糖尿病治療」に発表しました。
食品全体の体積に対してエネルギー(カロリー)が高い場合がエネルギー密度が高い食品です。例えば、エネルギー密度の高い食品には、加工度の高い食品(いわゆるジャンクフード)や、脂肪の多い食品、肉、ソフトドリンクなどで、反対に、エネルギー密度の低い食品には生鮮果物や野菜、水、ノンカロリー飲料などがあります。
研究では、糖尿病やガン、心臓病に罹患していない21,919人(40‐79歳)を対象に、2型糖尿病の発症との関係を12年間追跡調査を行いました。その結果、エネルギー密度の高い食品の摂取量が多い人は、そうでない人よりも2型糖尿病のリスクが60%も高いことが分かりました。
以上の結果から、健康的なライフスタイルを維持し、運動とも合わせ、エネルギー密度の高い食品を食べる頻度を減らし、エネルギー密度の低い食品を摂取することが、2型糖尿病予防に重要であると、研究者らは述べています。
【文献】
Wang, J. et al.: Dietary Energy Density Predicts the Risk of Incident Type 2 Diabetes: The European Prospective Investigation of Cancer (EPIC)-Norfolk Study. Diabetes Care, 31: 2120-2125, (2008) [DOI: 10.2337/dc08-1085]
□ 食育ニュース:果物・野菜摂取向上に対する学校の取り組み
果物や野菜の摂取を増やすことを目的としたアメリカ、メリーランド大学の食育プログラムは、摂取量を増やすのに効果的であることがわかりました。
果物と野菜が子供の健康の維持・向上に大切ですが、 残念ながら、アメリカ政府のレポートによると、子供たちの摂取量が少ないことを示しています。その理由は、「子供たちがおいしい果物や野菜を食べていないためではないかと研究者らは考えました。そこで、メリーランド州の小学校の児童を対象に、栄養教育プログラムに従って、メリーランドで収穫された果物と野菜を食べてもらいました。
その結果、果物や野菜を実際に食べる機会を増やすと摂取量が増加することが分かりました。食育プログラム終了後には約60%の児童が果物と野菜を好きになり、摂取量も増えました。
食育プログラムプレスリリースは下記のサイトにあります。
http://www.newsdesk.umd.edu/scitech/release.cfm?ArticleID=1726
□ ゼミ・卒論・食育に役立つ資料:
アメリカにおける栄養動向調査報告2008年版
アメリカ栄養士会は2008年度の栄養動向調査(「栄養とあなた:2008年動向(Nutrition and You: Trends 2008)」を公表しました。
この報告によると、栄養や運動を重要視する人、健康的な生活習慣を送ろうとしている人が増えています。18歳以上の男女783人に電話調査を行い、栄養と運動に関する生活習慣について聞き取りを行いました。
質問に対して「すでにやっている」、「やるべきだと思っているけれど」、「放っておいてくれ」の3択から選んでもらいました。
その結果、「放っておいてくれ」と思っている人は、2002年度の32%から減少し、19%でした。「すでにやっている」人は2000年度の28%から43%に上昇しました。また、個人的に栄養を重要だと考えている人は67%で、運動を重要だと考えている人は61%と、1991年の調査開始以来順調な伸びを示しています。
Nutrition and You: Trends 2008 Report of ResultsのPDFファイル(86ページ)は下記のサイトにあります。
http://www.eatright.org/cps/rde/xchg/ada/hs.xsl/
media_18739 ENU_HTML.htm
動画によるNutrition and You: Trends 2008の解説は下記のサイトです。
http://www.eatright.org/cps/rde/xchg/
ada/hs.xsl/18802_ENU_HTML.htm
□ 農研機構シンポ:果物をもっと食べるために−医薬農の考え方
健康の維持増進には健全でバランスのとれた食生活が大切で、果物・野菜の摂取は重要な要素です。ただ日本では、果物の摂取量がヨーロッパ、南北アメリカ、オーストラリア地域に較べ少なく、目標である1日の摂取量200グラムには達していません。
本シンポジウムでは、日本人と果物との関わり・歴史から、果物が現代人にとってどのような意味を持つのか、まで幅広く話題提供を行い、果物への興味・理解を深め、果物の消費拡大につなげていければと考えています。
第1部
基調講演「日本人と果物の歴史」 梶浦 一郎(農研機構 理事)
第2部
現代人にとって果物は健康維持にどのように役に立つか
佐々木 敏(東京大学 社会予防疫学分野 教授)
ウンシュウミカンとβ―クリプトキサンチン
杉浦 実(農研機構 果樹研究所)
中国医学概念は果物をどのようにとらえるか
真柳 誠(茨城大学 教授)
果物と消費者つなぐフルーツマイスター
藤崎 潤一(日本ベジタブル&フルーツマイスター協会)
新たな果実加工品は果物の食べ方をかえるか
尾ア嘉彦(農研機構 果樹研究所)
日 時:平成20年12月15日(月)10:30〜17:00
場 所:新宿明治安田生命ホール
東京都新宿区西新宿1-9-1
明治安田生命新宿ビルB1F
参加費:無料、
定 員:300名程度)
主 催:農研究機構果樹研究所
詳細(参加申込等)は下記サイトをご覧ください。
http://fruit.naro.affrc.go.jp/announcements/event/
sympo/H20/12_15_annai.html
□ 文学の中の果物:源氏物語(紫式部 与謝野晶子訳)
帝(みかど)もほのかに御覧になった玉鬘(たまかずら)の美貌(びぼう)をお忘れにならずに、「赤裳垂(あかもた)れ引きいにし姿を」(立ちて思ひゐてもぞ思ふくれなゐの赤裳垂れ引き)という古歌は露骨に感情を言っただけのものであるが、それを終始お口ずさみになって物思いをあそばされた。お手紙がそっと何通も尚侍の手へ来た。玉鬘はもう自身の運命を悲観してしまって、こうした心の遊びも不似合いになったもののように思い、御好意に感激したようなお返事は差し上げないのであった。玉鬘は今になって源氏が清い愛で一貫してくれた親切がありがたくてならなかった。
三月になって、六条院の庭の藤(ふじ)や山吹(やまぶき)がきれいに夕映(ゆうば)えの前に咲いているのを見ても、まずすぐれた玉鬘の容姿が忍ばれた。南の春の庭を捨てておいて、源氏は東の町の西の対に来て、さらに玉鬘に似た山吹をながめようとした。竹のませ垣(がき)に、自然に咲きかかるようになった山吹が感じよく思われた。「思ふとも恋ふとも言はじ山吹の色に衣を染めてこそ着め」この歌を源氏は口ずさんでいた。
思はずも井手の中みち隔つとも言はでぞ恋ふる山吹の花
とも言っていた。「夕されば野辺(のべ)に鳴くてふかほ鳥の顔に見えつつ忘られなくに」などとも口にしていたが、ここにはだれも聞く人がいなかった。こんなふうに徹底的に恋人として玉鬘を思うことはこれが初めてであった。風変わりな源氏の君と言わねばならない。雁(がん)の卵がほかからたくさん贈られてあったのを源氏は見て、蜜柑(みかん)や橘(たちばな)の実を贈り物にするようにして卵を籠(かご)へ入れて玉鬘(たまかずら)へ贈った。手紙もたびたび送っては人目を引くであろうからと思って、内容を唯事(ただごと)風に書いた。
お逢いできない月日が重なりました。あまりに同情がないというように恨んではいますが、しかし御良人の御同意がなければ万事あなたの御意志だけではできないことを承知していますから、何かの場合でなければお許しの出ることはなかろうと残念に思っています。
などと親らしく言ってあるのである。
□ 今週の果物
今週は福岡市の青果物市場に入荷している果物について紹介します。福岡県は果物の大産地なので、この時期、地元産の果物が豊富です。
ミカンは福岡、佐賀産などです。
リンゴ「ジョナゴールド」は青森産、「王林」は長野産、「ふじ」は長野産などです。
甘ガキは福岡産、渋ガキは愛媛産です。
ニホンナシは新潟、大分(「新高」)産で、セイヨウナシは山形産です。
ブドウは長野(「巨峰」など)、福岡(「巨峰」など)、岡山産などです。クリは福岡産です。
イチゴは福岡、長崎産、温室メロンは熊本、長崎産、スイカは熊本、長崎産、キウイフルーツは福岡産です。
□ 今日のフォト
イチョウ並木が黄色く色づいています。こうした並木の下にはギンナンが沢山落ちています。このときの果実の状態はお正月に食べるギンナンとはちょっと違っていて特有な匂いがあります。写真はギンナンの果実(上)とギンナンの種(下)です。
http://www.kudamononet.com/kkr/snapshot/KK-News67.html
(掲載は次号まで)
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☆ 編集部より ☆
毎日くだもの200グラム運動の特徴と意義が少しづつではありますが理解されてきています。来年のことをいうと鬼が笑うといわれますが、来年は臨床医の先生方と積極的に交流していきたいと思っています。(tnk)
先日マスカットオブアレクサンドリアのタルトを頂きました。生鮮果物を旬の時期に食べるのもよいですが、こういった果物の加工品が増えると更に楽しみが増えてよいですね。(KT)
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ご協力に感謝いたします。 編集長 敬白
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