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第228回 リポフル閑談:毎日くだものを沢山食べようの科学的根拠

  



■□ 果物&健康N8WS Vol.228
□■  2008年12月25日(木)


みなさん、こんにちは。お元気ですか。
特集は「リポフル閑談:毎日くだものを沢山食べようの科学的根拠」です。
クリスマス、正月には果物を!
───────────
毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは http://www.kudamono200.or.jp

:::■ メニュー ■::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

 ◇ 正月の句集
 ◇ 今週のレシピ:クリスマス、正月レシピ
 ◇ リポフル閑談:毎日くだものを沢山食べようの科学的根拠
 ◇ 品種紹介:カンキツ「サザンレッド」
 ◇ 果物の小話:カキ その5
 ◇ 文献紹介:女性の果物と野菜摂取量が2倍以上に
 ◇ 文学の中の果物:ひかりの素足(宮沢賢治)
 ◇ 今週の果物
 ◇ 今日のフォト
 ◆ 広告
 ◇ 編集部より



□ 正月の句集

  正月やよき旅をして梅を見る

           河東碧梧桐


河東 碧梧桐(かわひがし へきごとう)
 1873年(明治6年)2月26日 - 1937年(昭和12年)2月1日。俳人、随筆家。 




□ 今週のレシピ:クリスマス、正月レシピ

○ りんごのチーズケーキ クリスマスバージョン

材料(15cm丸型2つ分)
 リンゴ 1個、クリームチーズ 400g、卵 1個半、レモン果汁 適量など

作り方と出来上がりの写真は下記のサイトです。
http://cookpad.com/recipe/231833

○ 抹茶栗きんとん

材料
 甘栗露煮 4個、さつまいも 300g、抹茶 小さじ1杯、くちなし 1〜2本、菊の葉 8枚など

作り方と出来上がりの写真は下記のサイトです。
http://www.jaosaka.or.jp/recipe/recipe42.html

○ 柿とれんこんのなます

材料
 柿 1個、れんこん 400g、柚子(ユズ)の皮 適宜、柚子の絞り汁 小さじ2,1/2杯など

作り方と出来上がりの写真は下記のサイトです。
ヘルシーお正月料理の中の2番目の料理です。
http://kouseiren.jatokyo.or.jp/cookingosechi.html




□ リポフル閑談:毎日くだものを沢山食べようの科学的根拠

リ  ポ:皆さんこんにちは。今日の話題は「毎日くだものを沢山
     食べようの科学的根拠」です。フルッタさん、よろしく
     お願いします。
フルッタ:よろしくお願いします。毎日の食事を楽しみながら健康
     を維持することができたらの願いから、私たちは、毎日
     くだものを200グラム以上摂取することを勧めています。

リ  ポ:今の食事に果物を加えるということですか。
フルッタ:そうではありません、健康を維持・増進するためには栄
     養バランスの良い食事の摂取が必要です。

リ  ポ:栄養バランスの良い食事とはどんな食事ですか。
フルッタ:食事バランスガイドやDASH食事摂取プラン、フードガイ
     ドピラミッドなどです。

リ  ポ:果物だけ食べていれば良いというわけではないのですね。
フルッタ:その通りです。野菜の摂取不足はよく知られていますが、
     果物の摂取量は目標200グラムの6割程度で、野菜よ
     りも不足しています。

リ  ポ:だから果物を沢山たべる事を勧めているのですね。果物
     を食べるとどんな効果が期待できるのですか。
フルッタ:果物をたくさん摂取すると、ガン、高血圧、心臓病など
     の生活習慣病やメタボリックシンドロームの予防に効果
     があります。
     例えば、世界中のガン研究の専門家が、ガンに及ぼす要
     因について調査した結果、ガン予防には禁煙とともに、
     果物と野菜を多く摂取しなさいと勧告しました。

リ  ポ:科学的根拠から果物の摂取がガン予防に有効と言うこと
     ですね。
フルッタ:はい。そのため、アメリカでは、果物と野菜を毎日400g
     以上摂取する食習慣改善運動が、1991年から始められま
     した。
     その結果、ガンによる死亡率が1993年をピークとして減
     りはじめました。その後、罹患率も減少に転じ、2003年
     には死亡者の絶対数も減少しました。そのため、この食
     生活改善運動はアメリカで最も成功した健康施策である
     と高く評価されています。

リ  ポ:すごい成果ですね。日本ではどうですか。
フルッタ:残念ながら、死亡率、罹患率、絶対数ともに増加中です。
     現在、アメリカでは運動の成功を受けて、果物と野菜の
     摂取量を5から13サービング摂取することを勧めています。
     13サービングの半分を果物から摂取すると、リンゴなら
     毎日3個くらい、ミカンなら6個くらいです。

リ  ポ:すごい量ですね。
フルッタ:はい、そのため果物だけを増やすのではなく、食習慣を
     もう一度見直す必要があります。

リ  ポ:食習慣を変更すれば、無理なく沢山の果物を食べられる
     わけですね。
フルッタ:そうです。それが重要なポイントです。高血圧や心臓病、
     脳卒中予防のためのDASH食事摂取プランと呼ばれている
     食事摂取ガイドでは毎日、リンゴを3〜3.5個、ミカン
     なら6〜8個食べることを勧めています。

リ  ポ:健康には果物を食べる習慣からですね。
フルッタ:その通りです。こうした研究成果、実績を受け、私たち
     は生活習慣病を予防して健康的な生活を送るためには、
     日本でも毎日、果物を少なくとも200g以上摂取すること
     が望ましいと考えています。

リ  ポ:でも、果物を食べると太りますよね。
フルッタ:我が国には果物にまつわる誤解が多く存在しています。
     その一つが果物を食べると太るです。100g当たりのリン
     ゴのカロリーは54kcalですが、ゴボウのカロリーは65kcal
     です。それだけではありません。果物を食べると満腹感
     が得られるので自然と食べる量が減り、ダイエットに効
     果的です。

リ  ポ:そうなんですか。でも、糖尿病になったら果物は食べて
     はいけないと聞いたことがありますよ。
フルッタ:それも誤解の一つです。糖尿病になっても、果物を毎日
     必ず80kcal摂取することが勧められています。この量は
     おおよそ200グラムになります。また、アメリカの糖
     尿病学会ではさらに多くの果物の摂取を推奨しています。

リ  ポ:知りませんでした。果物は美味しいだけでなく、生活習
     慣病やメタボリックシンドロームの予防にも効果がある
     のですね。フルッタさん、ありがとうございました。 
     皆さん、クリスマスやお正月にはリンゴやミカンを沢山
     食べましょう。




□ 品種紹介:カンキツ「サザンレッド」

 「サザンレッド」は「カラ」と「ポンカン」を交雑して育成された品種で、外観が美しいばかりでなく品質も優れています。無加温ハウス栽培では12月下旬に熟します。果形は扁平で果皮は薄く、果皮色は紅橙色です。果肉は柔軟で多汁、糖度は「マーコット」よりやや高く、食味・風味ともに優れています。じょうのう膜は薄く、苦みはありません。

「サザンレッド」の果実の写真は下記のサイトで見られます。
http://www.fruit.affrc.go.jp/kajunoheya/ikuseihinsyu/
data/hinsyu/cu-southernred.html





□ 果物の小話:カキ その5

 最後に、正岡子規の「柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺」に触れておきます。私個人としては、この句だけをみると、さほど素晴らしい句には思えませんが、以下の句を構想した状況を知ると、何となく名句なのかな?と思うようになりました。

 正岡子規の『子規全集』第12巻随筆2に次のような文章があります。
 子規が奈良の「對山楼」に宿泊した時の女中との会話です。“宿屋の下女にまだ御所柿は食へまいかといふと、もうありますといふ。余は国を出てから十年程の間、御所柿を食った事がないので非常に恋しかったから、早速沢山持って来いと命じた。やがて下女は直径一尺五寸もありそうな錦手の大丼鉢に山の如く柿を盛って来た。流石柿好きの余も驚いた。それから下女は余のために包丁を取って柿をむいてくれる様子である。-----柿も旨い、場所もいゝ。余はうっとりしてゐるとボーンという釣鐘の音が一つ聞こえた。”

 この句は、明治28年10月26日に構想されたことから、10月26日を「柿の日」として、日本記念日協会から正式に認定されています。 話は変わりますが、わが国で家具材として重用されている黒檀は、カキの仲間であることはご存じでしょうか。黒檀はカキノキ属の樹木で、黒色の心材を有するものの総称です。黒檀には、本黒檀、縞黒檀、青黒檀(最も硬い)、斑入り黒檀(最も高価)があります。インド、インドシナ、スリランカ、フィリピン、熱帯アフリカ等が産地です。  (間苧谷)




□ 文献紹介:女性の果物と野菜摂取量が2倍以上に

 アメリカで、登録栄養士から食事についてのカウンセリングと、食事摂取の指導を受けた女性は、受ける前より果物と野菜の摂取量が2倍以上に増加したとミシガン大学の研究チームが「アメリカ栄養士会雑誌」の12月号に発表しました。

 研究は。69人の女性を対象に、6ヵ月間行われました。食事についてのカウンセリングを受けた群とカウンセリングを受けなかった対照群の2グループに分け比較しました。

 食事についてのカウンセリングでは、参加者の摂取する食事を考えるために、地中海式食事をもととした「食品の交換リスト」が用いられました。このリストには、ほうれん草などの緑色野菜や、オリーブ油などの不飽和脂肪酸を多く含む食品などが含まれています。

 栄養士が、研究開始時と3ヶ月後に電話で食事についてのカウンセリングを行いました。その結果、カウンセリングを受けたグループの人は、3か月以内に地中海式食事基準の目標に達し、開始後6か月後も食事の基準が維持されていました。食事は果物と野菜の摂取量が2倍以上に増加しただけでなく、良質の脂質の摂取量も増えました。

※地中海式食事:果物や野菜、ナッツ類、魚、オリーブオイルなどの摂取量が多く、飽和脂肪酸、乳製品、肉類の摂取量が少ないのが特徴

【文献】
Djuric Z. et al.: Design of a Mediterranean Exchange List Diet Implemented by Telephone Counseling. J. Amer. Diet. Associat. 108: 2059-2065. (2008) [doi: 10.1016/j.jada.2008.09.006]




□ 文学の中の果物:ひかりの素足(宮沢賢治)

 雪がどんどん落ちて来ます。それに風が一そうはげしくなりました。二人は又走り出しましたけれどももうつまづくばかり一郎がころび楢夫がころびそれにいまはもう二人ともみちをあるいてるのかどうか前無かった黒い大きな岩がいきなり横の方に見えたりしました。

 風がまたやって来ました。雪は塵(ちり)のやう砂のやうけむりのやう楢夫はひどくせき込んでしまひました。

 そこはもうみちではなかったのです。二人は大きな黒い岩につきあたりました。

 一郎はふりかへって見ました。二人の通って来たあとはまるで雪の中にほりのやうについてゐました。
「路まちがった。戻らなぃばわがなぃ。」
 一郎は云っていきなり楢夫の手をとって走り出さうとしましたがもうたゞの一足ですぐ雪の中に倒れてしまひました。

 楢夫はひどく泣きだしました。
「泣ぐな。雪はれるうぢ此処(こご)に居るべし泣ぐな。」一郎はしっかりと楢夫を抱いて岩の下に立って云ひました。

 風がもうまるできちがひのやうに吹いて来ました。いきもつけず二人はどんどん雪をかぶりました。
「わがなぃ。わがなぃ。」楢夫が泣いて云ひました。その声もまるでちぎるやうに風が持って行ってしまひました。一郎は毛布をひろげてマントのまゝ楢夫(ならを)を抱きしめました。

 一郎はこのときはもうほんたうに二人とも雪と風で死んでしまふのだと考えてしまひました。いろいろなことがまるでまはり燈籠(どうろう)のやうに見えて来ました。正月に二人は本家(ほんけ)に呼ばれて行ってみんながみかんをたべたとき楢夫がすばやく一つたべてしまっても一つを取ったので一郎はいけないといふやうにひどく目で叱(しか)ったのでした、そのときの楢夫の霜やけの小さな赤い手などがはっきり一郎に見えて来ました。いきが苦しくてまるでえらえらする毒をのんでゐるやうでした。一郎はいつか雪の中に座ってしまってゐました。そして一そう強く楢夫を抱きしめました。




□ 今週の果物

 今年最後は大阪本場市場に入荷している果物について紹介します。果物別ではウンシュウミカン、リンゴが多く、続いてイチゴです。産地別では和歌山県が圧倒的に多く、続いて愛媛、青森産と続きます。

早生ウンシュウミカン、普通ウンシュウミカンは和歌山、愛媛産、ネーブルオレンジは和歌山、香川産、イヨカンは愛媛、和歌山産、ハッサクは和歌山産です。

リンゴ「ジョナゴールド」は青森産、「王林」は青森、秋田産、「ふじ」は青森、岩手、長野産です。

イチゴは長崎、熊本、香川産です。

甘ガキは鳥取産、渋ガキは徳島、愛媛産です。ニホンナシは鳥取(「二十世紀」など)、新潟産など、ブドウは岡山、青森産です。キウイフルーツは香川、愛媛産です。

温室メロンは静岡、高知、宮崎産、「アンデスメロン」は熊本産です。スイカは高知、熊本産です。




□ 今日のフォト

 果物売り場にウンシュウミカンなどカンキツ類が沢山並べられています。果樹農業の特徴の1つは傾斜地を利用して栽培されていることです。ウンシュウミカンの産地、和歌山や愛媛、静岡ではかなりの傾斜地で栽培しています。収穫などの作業が大変です。写真は、農研機構果樹研究所興津研究拠点(静岡市興津)のカンキツ圃場です。

http://www.kudamononet.com/kkr/snapshot/KK-News72.html
  (掲載は次号まで)





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☆ 編集部より ☆

 今年最後のメルマガです。来年は6年目に入ります。食習慣改善のための「毎日くだもの200グラム運動」の飛躍の年にしたいです。インフルエンザの流行が報じられています。ご自愛ください。(tnk)

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