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  ほぼ週刊メールマガジン「果物&健康NEWS」

第230回 糖尿病専門医に紹介したくだものの働き
 (その1) 果物のカロリ−と甘味

  



■□ 果物&健康N8WS Vol.230
□■  2009年1月23日(金)


みなさん、こんにちは。お元気ですか。
特集は「糖尿病専門医に紹介したくだものの働き(その1)」です。
メルマガをゆっくりとお楽しみください。
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毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは http://www.kudamono200.or.jp

:::■ メニュー ■::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

 ◇ 万葉集から:梅
 ◇ 今週のレシピ:イチゴ
 ◇ 糖尿病専門医に紹介したくだものの働き
   (その1) 果物のカロリ−と甘味
 ◇ 品種紹介:カンキツ「紅まどか」
 ◇ 文献紹介:食事の質が乳ガン患者の死亡リスクと関連
 ◇ 文献紹介:就学前児童の弁当は栄養不足
 ◇ 読者から:果物の食物繊維の記事の感想
 ◇ 文学の中の果物:季節の変るごとに(片山廣子)
 ◇ 果物花便り:南部梅林(和歌山県)
 ◇ 今週の果物
 ◇ 今日のフォト
 ◆ 広告
 ◇ 編集部より



□ 万葉集から:梅


  正月(むつき)立ち春の来らば、かくしこそ
   梅を招きつつ、楽しみ終(を)へめ

           −万葉集 第五巻−
  正月になって春がやってきたら、こうやって
   梅を見ながら楽しみましょうよ。




□ 今週のレシピ:イチゴ

○ いちご大福

材料 (8コ分)
 イチゴ .中8粒、あん(お好みのもの) 160g
 [求肥]
 白玉粉 150g、砂糖 80g、水(固さの調節用) 適量など

作り方と出来上がりの写真は下記のサイトです。
http://recipe.gourmet.yahoo.co.jp/U000647/

○ イチゴグラタン

材料 (4人分)
 イチゴ(さちのか) 1パック、キルシュ 大さじ2杯
 [レンジカスタード]
 卵黄 1個分、牛乳 100ml、バニラビーンズ 1/2本など作り方と出来上がりの写真は下記のサイトです。
http://erecipe.woman.excite.co.jp/features/080218ichigo/08.html




□ 糖尿病専門医に紹介したくだものの働き
  (その1) 果物のカロリ−と甘味


○ 果物のカロリー

 「果物は甘いのでカロリーが高い」と思われています。しかし、果物のカロリーは菓子に比べて低く、例えばリンゴのカロリーは100g当たり54kcalですが、ポテトスナックのカロリーは554kcalです。菓子のカロリーが高いのは脂肪が多いためですが、果物には脂肪はほとんど含まれていません。

 私たちは、果物と野菜のカロリーを比較して欲しいと考えています。例えば、ゴボウとリンゴを比較してみると、ゴボウのカロリーは100g当たり65kcalですが、リンゴのカロリーは54kcalです。また、わさびを一度に100gも食べる人はいないと思いますが、わさびのカロリーは88kcalです。リンゴよりかなり高いことが分かります。

 ここで、ゴボウとわさびを取り上げたのは、甘さとカロリーは直接関係がないことを示すためです。甘味は口腔内の味覚センサーで感知される感覚因子で、カロリーは体内に吸収されたエネルギー量です。菓子のカロリーが高いのは脂肪が多く含まれているためで、甘いからではありません。

 リンゴなど果物のカロリーは100g当たり30〜70kcalの間に入ります(表1)。果物と同等の野菜では、パセリは44kcalでウンシュウミカンと、にんじん、たまねぎはアンズとほぼ同じカロリーです(表2)。果物よりカロリーの低い30kcal以下の野菜には、ししとうがらし(27kcal)や青ピーマン(22kcal)などがあります(表3)。しかしこうした野菜は、そのままではあまり食べず調理して食べるのが普通です。例えば、ししとうがらしや青ピーマンを油炒めにすると、それぞれ60kcal、64kcalとなり、リンゴより高くなってしまいます。セロリ(15kcal)はカロリーがとても低い野菜ですが、マヨネーズやドレッシングなどと一緒に食べると、この場合も果物と同じかそれ以上のカロリーとなります。マヨネーズ大さじ1杯(15ml)のカロリーは100kcal位です。

 以上のように、果物のカロリーは野菜とほぼ同等で高くありません。また、甘味は味覚センサーで、カロリーは吸収エネルギーを示す指標です。従って、果物は甘いからと言ってカロリーが高いわけではありません。

− 次回へ続く −


表3 主な果物のカロリー
  (100g当たりのカロリー)
-------------------------------
カキ        60  (kcal)
ブドウ       59
リンゴ       54
キウイフルーツ   53
ブルーベリー    49
ウンシュウミカン  46
ニホンナシ     43
モモ        40
オレンジ      39
アンズ       36
-------------------------------


表2.果物と同等の野菜
 (100g当たり30kcal以上、70 kcal以下)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ゴボウ          65  (kcal)
青ピーマン(油炒め)   64
ししとうがらし(油炒め) 60
日本カボチャ(ゆで)   60
日本カボチャ       49
パセリ          44
モロヘイヤ        38
にんじん         37
たまねぎ         37
ブロッコリー       33
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


表3 果物より低い野菜
 (100g当たり30 kcal以下)
−−−−−−−−−−−−−
ししとうがらし 27  (kcal)
青ピーマン   22
なす      22
うど      18
だいこん    18
セロリ     15
はくさい    14
キュウリ    14
レタス     12
−−−−−−−−−−−−−




□ 品種紹介:カンキツ「紅まどか」

 ブンタン「紅まどか(べにまどか)」は「麻豆ブンタン(まとうブンタン)」と「平戸ブンタン(ひらどブンタン)」を交雑して育成された品種で、熟期は1月中旬から2月で、ブンタン類の中では耐寒性が強い。果肉は黄白ないし黄色で赤味を帯びるのが特徴です。
果実は700〜1000g位で、肉質が良く、苦みが少なく、糖度は高く、食味良好です。品種名「紅まどか」は果肉に赤味がさすこと及び果実の形に因んで名付けられました。

「紅まどか」の果実の写真は下記のサイトで見られます。
http://www.fruit.affrc.go.jp/kajunoheya/
ikuseihinsyu/data/hinsyu/cu-benimadoka.html





□ 文献紹介:食事の質が乳ガン患者の死亡リスクと関連

 果物、野菜、全粒粉、低脂肪乳製品が豊富な食事を継続して摂取している早期乳ガン患者は長命であると「臨床腫瘍学雑誌」に発表されました。

 研究では1,908人の早期乳ガン患者を対象に8年間、追跡調査が行われました。その結果、一般的な欧米型食事を摂取している患者は、果物や野菜、全粒粉、低脂肪乳製品などが豊富な食事を摂取している患者と比較して死亡リスクが53%高くなることが分かりました。

 研究者らは、果物や野菜、全粒粉、低脂肪乳製品などが豊富な食事は乳ガンの死亡率を下げたと考えるより、乳ガン以外の死亡リスクを下げたためではないかと述べています。

【文献】
Kwan, M.L. et al.: Dietary Patterns and Breast Cancer Recurrence and Survival Among Women With Early-Stage Breast Cancer. J. Clin. Oncol., Dec 29. (2008) [doi: 10.1200/JCO.2008.19.4035]




□ 文献紹介:就学前児童の弁当は栄養不足

 就学前児童に弁当をもたせる時、親は子どもの好きなものを入れる割合が多く、栄養的に満たされていないと、アメリカ テキサス大学の研究チームが「アメリカ栄養士会雑誌」に発表しました。

 就学前児童(3-5歳)の弁当を3日間調査した結果、全体の71%の弁当で野菜や果物が不足していました。また、4人に1人の就学前幼児において、十分な牛乳が摂取されていませんでした。

 調査結果から研究者らは、チョーキング(窒息)を予防するため、子どもにも食べられるように柔らかくした野菜などを弁当に加え、アイスパックなどで弁当が悪くならないようにするなどの工夫が必要であると述べています。

【文献】
Sweitzer, S. J. et al.: Do Sack Lunches Provided by Parents Meet the Nutritional Needs of Young Children Who Attend Child Care? J. Amer. Dietet. Associat., 109: 141-144. (2009)




□ 読者から:果物の食物繊維の記事の感想

 果物&健康NEWS Vol.229号の記事で、果物や穀物の食物繊維と野菜のそれとで、健康機能にこんな差があることを知り意外に思いました。食物繊維は野菜で摂るものと思い込んでいた「野菜」派としては、中でも冠動脈心臓病予防効果が穀物由来の食物繊維よりも低いと言う記事にはショックです。

 そのうえ「今週の果物」コーナーで、ブドウは青森産という記事にまたまたビックリしました。 (新潟県:くだもの音痴)

【編集部より】
 メールありがとうございました。バランスの良い食事には果物も野菜もたっぷりが基本です。今後ともよろしくお願いします。




□ 文学の中の果物:季節の変るごとに(片山廣子)

 季節の変るごとに、武蔵野はそれより一足先きに春秋の風がふき、霜も雪も早く来る、夏草が茂るのも早い。その野原に近い家で何年か暮して来て、毎日の生活には季節の物をたべてゐるのが一ばんおいしく、一ばん経済であることもおぼえた。

 冬から春にかけ、らくに手に入るものは、野菜の中で一ばん日本人好みの大根で、それに白菜、小蕪、ほうれん草、果物では林檎とみかんをずうつと六ヶ月位たべ通すのである。十二月、正月にかけて乾柿が出る。新春のなますに乾柿を混ぜたものは世界のどこにもない美味である。冬の葱だけは都の西北の畑には貧弱なものしか出来ない。大森や池上あたりの白根の長いあの豊かな味の物は手に入りにくいから、しぜん、葱を防寒料理に用ひることはさほど愉しいとも思はなくなつた。それは私だけの話。春になつてまづ楽しみはいちご。春深くなればそら豆やゑんどう。家々の庭や垣根に豌豆の白や紫の花が眼をよろこばせ、夏近くまでふんだんに食べられる。竹の子は日本特有の味をもつてみごとな形をしてゐるけれど、ただ季節のにほひだけで、毎日じやんじやん食べたい物ではない。竹取の伝説や源氏物語にも出てきて、古くからの食料と思はれる。蕗はそれよりも田園調で、庭のすみの蕗をとつてゐる時、わかい巡礼さんの歌なぞ聞えるやうな錯覚さへ感じられる。蕗のとうは鶯の声よりもつと早く春を知らせてくれる。

 初夏の空気に夏みかんが現はれ、八百屋が黄いろく飾られる。一年中に一ばん酸つぱい物がこの季節に必要なのかもしれないが、すこし酸つぱすぎる。その次は可愛い新じやが。小さい物は生物も青ものもどれも愉しい。びわ、桃、夏のものは林檎やみかんほど沢山はたべられない。吉見の桃畑も今では昔のやうにおいしい水蜜を作らないのかと思ふ。遠方からくる桃は姿が美しくつゆけも充分あるけれど、東京のものほどすなほな味でない。五月六月七月、私たちのためにはトマトがある。どんなにたくさん食べてもよろしい。同時に胡瓜。この辺ではつるの胡瓜も、這ひずりのも、すばらしい物で、秋までつづく。茄子は東京も田舎も、冬の大根と同じやうに日本風のあらゆる料理に最も奥ふかいうまみを持つてゐて、一ばん家庭的な味でもある。

 やがて梨と葡萄が出て、青い林檎もみえ、秋が来る。キヤベツ、さつまいも、南瓜、栗や柿。それに松茸の香りが過去の日本の豊かさや美しさを思ひ出させる。

 八百屋の口上みたいに野菜と果物の名をならべて、さて困つたのは、牛蒡とにんじん、どの季節に入れようか? お惣菜に洋食に、花見のお弁当に、正月のきんぴらに、殆ど一年ぢうの四季に渡つてたべつづけてゐる。あの牛蒡の黒さ、にんじんの赤さ、色あひだけでもにぎやかで、味がふくざつである。それから書きわすれたのは、八月の西瓜。グラジオラスの花に似たうす紅色ととろけるやうな味覚。口のなかでとけてしまふものはアイスクリームやシヨートケーキもあるけれど、あの甘いさわやかな味が水のやうに流れてしまふことがはかない気持になる。戦争を通つて生きて来た私はそんなに物惜しみするやうにもなつた。ずつと前に親しくしてゐたB夫人は西洋と日本の料理を器用にとり交ぜて私たちに御馳走した。



片山 廣子(かたやま ひろこ)
 1878年2月10日 - 1957年3月19日、東京生まれ。歌人、翻訳家。佐佐木信綱に師事し歌人として活躍。1954年「燈火節」で日本エッセイスト・クラブ賞受賞。




□ 果物花便り:南部梅林(和歌山県)

 日本有数の梅の里、和歌山県みなべ町の南部梅林で梅まつりが始まります。見頃になれば、梅林から見渡すかぎりの山々の畑が梅の花で薄化粧したような美しい景観を堪能できます。梅まつりの期間中には多彩なイベントが催されます。

開  催  地:和歌山県みなべ町 南部梅林
開 催 期 間: 2009年1月25日〜3月8日
問い合わせ先:梅の里観梅協会 0739-74-3464

サイトは下記です。
http://www.aikis.or.jp/~minabe/




□ 今週の果物

 今週は大阪市の市場で取り扱われている果物について紹介します。取り扱いが多い果物はウンシュウミカン、イヨカン、ハッサク、リンゴ、イチゴなどです。出荷量の多い産地は和歌山県、青森県、愛媛県などです。
 
ウンシュウミカンは和歌山産、ネーブルオレンジは和歌山産、イヨカンは愛媛産、ハッサクは和歌山産などです。

リンゴ「ジョナゴールド」は青森産、「王林」は青森、秋田産、「ふじ」は青森、秋田産などです。
 
イチゴは熊本、福岡、長崎産などです。
 
セイヨウナシは青森産などです。甘ガキは福岡産です。ブドウは青森産などです。キウイフルーツは福岡、和歌山産です。

温室メロンは静岡、宮崎、熊本産、「アンデス」は熊本産などです。スイカは沖縄、高知産などです。




□ 今日のフォト

 冬の果樹作業の中心は剪定ですが、農研機構果樹研究所では育種の選抜作業が行われます。写真は選抜中のクリ育種圃場です。

http://www.kudamononet.com/kkr/snapshot/KK-News73.html
  (掲載は次号まで)





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☆ 編集部より ☆

 先日、糖尿病専門の先生方に果物の働きについて紹介したところ「果物を見直した」、「果物を再評価した」などの感想をいただきました。そこで、今週から数回に分けて、果物の働きと疑問点などについて紹介したいと思います。(tnk)
 
 最近キウイフルーツを良く食べます。キウイ片手に台所に行って、包丁で2つ割に。スプーンで食べて、皮捨てて、包丁とスプーンを洗う。ここまで3分でいけます。(KT)




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 ご協力に感謝いたします。  編集長 敬白

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