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■□ 果物&健康N8WS Vol.240
□■ 2009年4月3日(金)
みなさん、こんにちは。お元気ですか。 特集は「糖尿病専門医に紹介したくだものの働き(その9)」です。
果樹農業は未来を拓く。
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毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは http://www.kudamono200.or.jp
::■ 本日のメニュー ■::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
◇ 桃の花の歌
◇ 今週のレシピ:レーズン
◇ 糖尿病専門医に紹介したくだものの働き
(その9) 日本人の食生活と2型糖尿病
◇ 品種紹介:ブドウ「ハニーブラック」
◇ 文献紹介:生活習慣とガン患者の予後
◇ 読者から:ビタミンCと疫学調査結果について
◆ 携帯でも果物&健康NEWSを読むことができます!!
◇ β−クリプトキサンチンのホームページ開設のお知らせ
◇ 文学の中の果物:庭(芥川龍之介)
◇ 果物花便り:浜松フルーツパーク
◇ 今週の果物
◇ 今日のフォト
◇ 編集部より
□ 桃の花の歌
はしきやし我家の毛桃本茂く花のみ咲きてならずあらめやも
− 万葉集から −
わが家の桃の木はこんなに繁っているのだから、花だけ咲いて実らないことはないでしょうね
□ 今週のレシピ:レーズン
○ 玉ねぎたっぷりドライカレー
材料 (4人分)
合いびきミンチ 200g、玉ねぎ 大1個(300g)、レーズン 大さじ山1杯、ゆで卵 2個、きゅうり 1本など
作り方と出来上がりの写真は下記のサイトです。
http://www.jakyoto.com/modules/weblinks/singlelink.php?lid=123
○ ゴーヤーで簡単キーマカレー
材料 (4人分)
ゴーヤー 1本、玉ネギ・合びきミンチ 各300g、レーズンなど
作り方と出来上がりの写真は下記のサイトです。
http://www.jagrf.org/TVrecipe/vol_09/index.html
□ 糖尿病専門医に紹介したくだものの働き
(その9) 日本人の食生活と2型糖尿病
21世紀に入って2型糖尿病について行われた大規模な疫学研究などの医・科学研究が進展した結果、果物は糖尿病予防に必須の食品と位置づけられています。例えば、アメリカ糖尿病協会のフードガイドピラミッドでは果物の摂取量は1日当たり2〜4サービングとされ、ミカンなら毎日2〜4個、リンゴなら毎日1〜2個とされています。
2型糖尿病予防には、果物、野菜などの効果が明らかとなっていますが、食品は単独で食べられることはないため、予防のための食事パターンの解析が求められていました。
従来、日本人は遺伝的に欧米人より糖尿病になりやすいため、欧米のデータをそのまま適用することはできないとされてきました。しかし、2型糖尿病については、遺伝的背景の違いよりも食生活など生活習慣の違いの方が大きいと示唆されます。そこで、九州大学と自衛隊病院とが共同して男性の自衛隊員2,106人を対象に2型糖尿病と食事パターンについて調査を行いました(文献2)。
調査から、1)果物、野菜、乳製品、デンプンを多く摂取し、アルコールの摂取量が少ないバランスのよい食事パターン(DFSA食)、2)動物性食品の多い欧米型の食事パターン、3)果物や乳製品の摂取量の少ない伝統的な日本型食事パターンの三つの食事パターンが特定されました。
食事パターンと2型糖尿病発症との関係について検討した結果、果物などを多く摂取するバランスのよい食事パターンの人は、そうでない人と比べて49%発症リスクが低いことが分かりました。この結果は、果物を食べると2型糖尿病予防に有効であることを示しており、糖尿病によくないとする説は誤解であることが分かりました。
一方、他の二つの食事パターンではリスク減少効果は認められず、「伝統的な」日本型食生活は最も悪い結果となりました。伝統的な」日本型食事パターンの2型糖尿病の発症リスクは1.27倍で、欧米型食事パターンの0.90倍より高い結果でした。果物と乳製品を含むバランス型食事パターンが最も優れていました。
また、驚くべきことにこの栄養バランスのよい食事パターン(DFSA)は、高血圧など循環器系の生活習慣病予防のために開発されたDASH食事摂取プランと呼ばれている食事パターンと類似のパターンであると分かりました。言い換えると、ご飯と魚、野菜に果物と乳製品を加えた食事(新日本型食事)が優れていることを示しています。このことは、我が国の栄養改善や寿命の延長の歴史とも一致しています。
(つづく)
【文献】
1) Montonen, J. et al.: Dietary patterns and the incidence of type 2 diabetes. Am. J. Epidemiol. 161: 219-227. (2005)
2) Mizoue, T. et al.: Dietary patterns and glucose tolerance abnormalities in Japanese men. J. Nutr. 136:1352-1358. (2006)
□ 品種紹介:ブドウ「ハニーブラック」
「ハニーブラック」は「巨峰(きょほう)」と「巨峰」を交雑して育成した品種です。果粒は短楕円形で果粒重は10〜11gです。果皮青黒色で着色が非常によいのが特徴です。糖度は18〜23%と、「巨峰」より2%程度高く、酸含量は0.4〜0.6%で、食味が大変優れています。フォクシー香があり、はく皮はやや困難です。熟期は育成地(広島県安芸津町)で8月下旬です。
「ハニーブラック」の果実の写真は下記のサイトで見られます。
http://www.fruit.affrc.go.jp/kajunoheya/ikuseihinsyu/
data/hinsyu/cu-honeyblack.html
□ 文献紹介:生活習慣とガン患者の予後
頭頸部のガンの患者で飲酒・喫煙習慣があり、運動せず、果物を十分に摂取していない人は、健康的な生活習慣の人に比べ、頭頸部のガンの予後が悪いことが分かったとアメリカ、ミシガン大学の研究チームが「臨床腫瘍学雑誌」のオンライン(4月1日)版に発表しました。
研究では504人の頭頸部ガンの患者を対照に、5つの健康にかかわる行動(喫煙、アルコール、食生活、運動、睡眠)と予後との関係を調査しました。
予後の生存率を最も悪くする習慣は喫煙で、次いでアルコールでした。食生活では、野菜の摂取量との関係ははっきりしませんでしたが、果物の摂取量が少ないと生存率が統計的に有意に悪くなりました。
以上のような結果から、喫煙、果物摂取不足、運動不足は生存率に関係すると結論づけています。
【文献】
Duffy, S. A. et al.: Pretreatment Health Behaviors Predict Survival Among Patients With Head and Neck Squamous Cell Carcinoma. J. Clinic. Oncol., Online Apr. 1 (2009) [doi: 10.1200/JCO.2008.18.2188]
□ 読者から:ビタミンCと疫学調査結果について
毎回楽しく拝読しております。よくお調べになっていること感心しております。毎回メール全部をコピーさせて頂いております。
昔、アメリカのノーベル化学者ポーリング博士が毎日ビタミンCを15g以上飲むと風邪を引かないと云っていました。私もそれ以来約40年間約毎晩茶さじに2杯の食添用のアスコルビン酸を飲んでいます。風邪引きとは関係なさそうですが、消化を促進してくれるようですし、第1毎朝気持ちよくトイレができます。最初の頃朝飲んだのですが、これは失敗です。便通がよくなりすぎて通勤が大変になり、それ以来夕食の後に飲むことにしています。ビタミンCは便秘の人によいと思います。それとガスの臭いがなくなりますが、よくでるようになります。丁度難消化性オリゴ糖を飲んだときと同様、大腸が酸性化しているのでしょう。
読売新聞のがんが増えるという説についてもう少し詳しく教えて頂けませんでしょうか。 (ビタミンC中毒者)
【編集部より】
今回の研究結果は前号で言及したようにあくまで可能性の1つで(ビタミンCと肝ガンとの間には科学的に意味のある統計的な有意差はありません)、また、多数ある研究の1つにすぎません。
7000もの研究を検討してまとめた世界がん研究基金・米国がん研究財団による報告で、果物摂取による肝がんリスク低下は可能性ありとされているため、果物摂取に関する予防効果の知見について、大勢に影響はないと考えています。
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□ β−クリプトキサンチンのホームページ開設のお知らせ
昨年、皆様にキャッチコピーを募集しましたうんしゅうみかんに含まれているβ−クリプトキサンチンについて紹介するサイトが開設されました。β−クリプトキサンチンの特徴や優れた効果、疫学調査の紹介などを盛り込んでいます。
果物&健康NEWSを読まれている皆様はご存知かと思いますが、世間的にはまだまだ認知度が低い機能性成分です。是非周りの方にもご紹介ください。
http://www.cryptoxanthin.jp/p1_12.html
からだにいいことβ習慣!
□ 文学の中の果物:庭(芥川龍之介)
庭は二年三年と、だんだん荒廃を加へて行つた。池には南京藻(なんきんも)が浮び始め、植込みには枯木が交るやうになつた。その内に隠居の老人は、或旱(ひで)りの烈しい夏、脳溢血の為に頓死した。頓死する四五日前、彼が焼酎(せうちう)を飲んでゐると、池の向うにある洗心亭へ、白い装束(しやうぞく)をした公卿(くげ)が一人、何度も出たりはひつたりしてゐた。少くとも彼には昼日なか、そんな幻が見えたのだつた。翌年(よくとし)は次男が春の末に、養家の金をさらつたなり、酌婦と一しよに駈落ちをした。その又秋には長男の妻が、月足らずの男子(をとこのこ)を産み落した。
長男は父の死んだ後、母と母屋に住まつてゐた。その跡の離れを借りたのは、土地の小学校の校長だつた。校長は福沢諭吉翁の実利の説を奉じてゐたから、庭にも果樹を植ゑるやうに、何時か長男を説き伏せてゐた。爾来(じらい)庭は春になると、見慣れた松や柳の間に、桃だの杏(あんず)だの李(すもも)だの、雑色の花を盛るやうになつた。校長は時々長男と、新しい果樹園を歩きながら、「この通り立派に花見も出来る。一挙両得ですね」と批評したりした。しかし築山や池や四阿(あづまや)は、それだけに又以前よりは、一層影が薄れ出した。云はば自然の荒廃の外に、人工の荒廃も加はつたのだつた。
□ 果物花便り:浜松フルーツパーク
浜松フルーツパークでは桃とアーモンドがいちどに楽しめます。また、様々な果実の花も鑑賞できます。アーモンドは園内に約700本と国内最大規模だとのことです。
浜松フルーツパークは、1996年に開園し、およそ東京ドーム9個分の敷地に約160種4,300本の様々な果樹が栽培されています。
開花状況
アーモンドの花、急いで見にきてくださいとのことです。アーモンドの花が暖冬の影響で例年より10日開花が早くなっています。
場 所:浜松市北区都田町4263-1
問い合わせ先:TEL 053-428-5211
浜松フルーツパークのホームパージは下記です。
http://e-fruitpark.com/
□ 今週の果物
今週は石川県金沢市の青果物市場に入荷している果物について紹介します。入荷の多い果物はリンゴやイチゴと甘ナツミカンなどの柑橘類などです。産地別では青森、鹿児島、愛知、三重、和歌山、熊本、佐賀産などです。
甘ナツミカンは鹿児島、三重産、ハッサクは和歌山産などです。
リンゴ「王林」、「ふじ」は青森産です。
イチゴは愛知、熊本産などです。
ビワは長崎産など、サクランボは長野産など、キウイフルーツは福岡産です。
メロンは静岡、高知、熊本、鹿児島産など、スイカは熊本、群馬産などです。
□ 今日のフォト
つくば市周辺は、少し寒い日が続いているので、花が咲く速度がゆっくりとなっています。この時期、農研機構果樹研究所の育種担当者は新品種育成のための交雑作業に追われています。花の咲くのがすこしゆっくりになってはいますが日々大忙しです。写真は夕日に照らされている交配袋です。
http://www.kudamononet.com/kkr/snapshot/KK-News82.html
(掲載は次号まで)
☆ 編集部より ☆
新年度になりました。新入生や新入社員の皆様に、果物&健康NEWSの購読をお勧めいただければ幸いです。季節の情報や話題のヒントなども掲載しています。(tnk)
キウイフルーツ第2段を頂きました。母が頂いた方に私が喜んで食べていたと話したところ、さらに1箱渡してくれたそうです。もうこんな時期なので、味は大丈夫か・・・と心配だったのですが、保存状態がよかったのかおいしく頂くことができています。相変わらず朝は半切りをスプーンでかっこんでます。(KT)
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