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□■□ 果物&健康NEWS Vol.254
■□□ 2009年7月17日(金)配信
□□◇ <創刊日2004年2月26日>
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<<■ 本日のメニュー >>>>
◇ 季節のたより
◇ 今週のレシピ:マンゴー
◇ 食育:名古屋女子大学訪問記
◇ 文献紹介:DASH食は女性の心不全リスクを下げる
◇ 文献紹介:カンキツ類中のナリンゲニンに肥満予防効果
◇ 新型インフルエンザ情報7
−正確な知識で冷静な対応−
◇ 文献紹介:新型インフルエンザの免疫は90歳以上
◇ 文学の中の果物:環礁―ミクロネシヤ巡島記抄(中島敦)
◇ 今週の果物
◇ 今日のフォト
◇ 編集部より
□ 季節のたより
旬の果物:モモ、マンゴ−、スイカ
土用の丑の日(7月19日)にはビタミンなど栄養豊富な果物をどうぞ
名古屋市7月18日
日の出 4:51 日の入り 19:06
夜明け 4:14 日暮れ 19:42
月の出 0:20 月の入り 15:18 月齢 24.8
2009年7月22日に日食が起こります。日本では、全国で部分日食を観察することができます。
地名 食の最大時刻 食分
札幌 11時10分18秒 0.506
東京 11時12分58秒 0.749
福岡 10時56分 5秒 0.897
食分とは:日食の欠ける深さを「食分」という数値で表します。食分0.7とは、太陽の直径の70%まで太陽面上に月が入り込み、太陽が欠けます。
名古屋市7月の過去3年間の気候
06年 07年 08年 09年(途中経過)
平均気温 26.2 25.2 28.2 26.4 ℃
降 水 量 275.0 339.5 33.5 49.0 mm
相対湿度 73 72 64 69 %
□ 今週のレシピ:マンゴー
○ マンゴーのパンナコッタ
材料
マンゴー 1/2個、板ゼラチン 2g、生クリーム 175cc、牛乳 35cc、など
作り方と出来上がりの写真は下記のサイトです。
http://www.ja-okinawa-fm.net/recip/008/post_11.html
○ マンゴーの生ハム添え
材料
マンゴー 1個、生ハム 8枚(ほかのハムでも代用可能)、サラダ菜(好みの野菜)
適量、オリーブオイル 大さじ1杯
作り方と出来上がりの写真は下記のサイトです。
http://www.ja-okinawa-fm.net/recip/007/post_10.html
□ 食育:名古屋女子大学訪問記
果物を使った食育に力を入れていただいている名古屋女子大学家政学部食物栄養学科の今枝奈保美先生のゼミ発表会に参加させていただきました。
果物を学校給食などで出す場合、誰もが真ん中になるようになる切り方の実演が行われていました。スイカ、パイナップル、マンゴー、キウイフルーツ、オレンジなどがうまく切り分けられていました。
下記のサイトに当日の様子を掲載しています(写真)
http://www.kudamononet.com/kkr/snapshot/KK-News_nagoya.html
(掲載は次号まで)
また、同ゼミが昨年行った食育セミナー(「くだもののススメ〜考えよう 未来を担う子供達の食生活」)の動機づけ効果についての調査結果を見せていただきました。単なるアンケートではなく対照群もしっかりしているデータで、とても参考になりました。
◇質問票による果物摂取状況調査
(名古屋女子大学今枝ゼミ調べ)
2008年11月果物食育セミナーについて、持続的な効果を評価するために別添のようなアンケートを行いました。客観的な考察をするために、本学の倫理審査委員会の承認のもとセミナーを受講しなかった学生にも同じアンケートを実施しました。このセミナーを受講した学生は2年生、受講しなかった群は1年生です。以下、それぞれを受講群、対照群と表記し、p<0.05
を有意として、x2検定、t検定等を用いて解析をしました。
1. 食育果物セミナーの持続的な効果
セミナーの3ヶ月後に「果物の摂取量が増えたか」を質問しました。セミナーの受講群は対照群に比べて、有意に果物摂取が増加していました。
問い)3ヶ月後、果物の摂取量が増えたか (単位:人)
増えた 減った 変化なし
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
受 講 群 39 1 27
対 照 群 19 2 35
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
x2 検定p<0.01、相対危険度1.7(95%CI:1.13-2.61)
今枝ゼミの紹介記事は下記のサイトにあります。
http://www.nagoya-wu.ac.jp/dept2/eiyo/zemi.html
□ 文献紹介:DASH食は女性の心不全リスクを下げる
イスラエルのベス・イスラエル・ディーコネス医療センターの研究チームは、女性の心不全と食習慣との関係を調査した結果、DASH食事摂取プランの食事をしている人は心不全のリスクが低いと「内科学アーカイヴス」に発表しました。
調査開始時に心不全症状の無かった48〜83歳の女性を対象に、食物摂取頻度アンケートによる大規模な疫学調査が行われました。その結果、DASH食事摂取プランに従った食生活を続けていた女性は心不全の発症リスクが統計的に有意に低いことが分かりました。DASH食事摂取プランとは、果物、野菜、低脂肪乳製品、全粒粉を豊富に摂る食事法のことです。
【文献】
Levitan, E. B. et al.: Consistency With the DASH Diet and Incidence of
Heart Failure. Arch. Intern. Med., 169: 851-857. (2009)
□ 文献紹介:カンキツ類中のナリンゲニンに肥満予防効果
マウスを用いた実験からカンキツ系の果物に含まれているフラボノイドの一種であるナリンゲニンは、体重増加やメタボリックシンドロームの予防に有効である可能性があると、カナダ、サウスオンタリオ大学ロバーツ医学研究所の研究チームが「糖尿病」に発表しました。
研究では、高脂肪の西洋食を食べさせた群と、同じ食事にナリンゲニンを加えた群に分け比較したところ、ナリンゲニンを加えた群のマウスはトリグリセリドとコレステロールの上昇が抑制され、インスリン抵抗性の発症も少なく、糖代謝は正常でした。また、食事で増加した体重はナリンゲニン投与で防ぐことができました。
【文献】
Mulvihill, E. E. et al.: Naringenin prevents dyslipidemia, apoB overproduction
and hyperinsulinemia in LDL-receptor null mice with diet-induced insulin
resistance. Diabetes, Online July 10, (2009) [doi: 10.2337/db09-0634]
□ 新型インフルエンザ情報7
−正確な知識で冷静な対応−
◇新型インフルエンザA(H1N1)の流行状況(6月26日現在)
国立感染症研究所 感染症情報センター
現在(6月26日)の日本の状況は、1968年の「香港かぜ-その流行の記録-」(日本公衆衛生協会編)と非常によく似ていると考えられます。すなわち、火種があちこちでくすぶっており、非常に小さな火種は人の目に付かない状況です。しかし、特定集団(中高校生など)が感染すると集団発生となります。
「香港かぜ」の流行と同じとすれば、今後、秋から冬にかけて、海外からのウイルスの侵入などから顕性流行に発展していくと考えられます。今後の対策としては、体調が悪いと感じられる人は、出来るだけ感染を伝播させないように自制することが個人レベルで必要で、その啓発メッセージを発信していく必要があります。
詳細は下記のサイトで読めます。
http://idsc.nih.go.jp/disease/swine_influenza/2009idsc/09idsc11.html
◇国立感染症研究所・感染症情報センター
日本国内の報告数、日本の流行地
上記の情報は下記のサイトにあります。
http://idsc.nih.go.jp/disease/swine_influenza/index.html
□ 文献紹介:新型インフルエンザの免疫は90歳以上
読者から問い合わせのあった新型インフルエンザ(H1N1)に対する免疫について日本の研究グループが、保存してあったヒトの血液サンプルを用いて検討した結果をイギリスの科学雑誌「ネイチャー」のオンライン版に発表しました。
研究の結果、免疫を持つ可能性があるのは、スペイン風邪が流行した1918年以前に生まれた90歳以上に限られることが分かりました。従って、ほぼどの年代でも新型インフルエンザに感染する危険性があります。この結果は、60代以上に免疫の可能性があるとしたアメリカ疾病対策センターの予想とは異なる結果でした。
研究グループは、新潟大学などに保存してあった日本人約250人の血液を分析し、1918年以前に生まれたヒトでは抗体反応が確認されましたが、それ以降に生まれたヒトはほとんど反応しませんでした。
新型インフルエンザは、1918年当時のスペイン風邪が変異せずに豚に感染し続け、最近になってヒトに対する感染力を獲得したと考えられました。また、カニクイザルなどを使った感染実験の結果、新型インフルエンザは肺で増殖しやすく、ウイルス性肺炎を引き起こす可能性が高いことも分かりました。
【文献】
Itoh, Y. et al.: In vitro and in vivo characterization of new swine-origin H1N1
influenza viruses. Nature nfv, (2009) [doi:10.1038/nature08260.]
□ 文学の中の果物:環礁―ミクロネシヤ巡島記抄(中島敦)
全く莫迦々々しい話だが、其の時の泥醉したやうな變な氣持を後で考へて見ると、どうやら私は一寸熱帶の魔術にかかつてゐたやうである。其の危險から救つて呉れたものは、病後の身體の衰弱であつた。私は縁に足を垂れて腰掛けてゐたので、女の方を見るためには、身體を捩つて斜め後(うしろ)を向かねばならない。此の姿勢がひどく私を疲れさせた。暫くする中に、横腹と頸の筋がひどく痛くなつて來て、思はず、姿勢を元に戻すと、視線を表の景色に向けた。何故か、深い溜息がホーツと腹の底から出た。途端に呪縛(じゆばく)が解けたのである。
一瞬前の己の状態を考へて、私は覺えず苦笑した。縁から腰を上げて立上ると、其の苦笑を浮かべた顏で、家の中の女にサヨナラと日本語で言つた。女は何も答へない。酷い侮辱を受けでもしたやうに、明らかに怒つた顏付をして、先刻と同じ姿勢のまま私を見据ゑた。私はそれに背中を向けて、入口の夾竹桃の方へ歩き出した。
アミアカとマンゴーの巨樹の下を敷石傳ひに私は漸く宿に歸つて來た。身體も神經もすつかり疲れ果てて。私の宿といふのは、此の村の村長たる島民の家だ。
私の食事の世話をして呉れる日本語の巧い島民女マダレイに、先刻の家の女のことを聞いて見た。(勿論、私の經驗をみんな話した譯ではない。)マダレイは、黒い顏に眞白な齒を見せて笑ひながら、「ああ、あのベツピンサン」と言つた。そして、付加へて言ふことに、「あの人、男の人、好き。内地の男の人なら誰でも好き。」
先刻の自分の醜態を思出して、私は又苦笑した。
濕つた空氣のそよとも動かぬ部屋の中で、板の間の呉蓙の上に疲れた身體をぐつたりと横たへ、私は晝寢の眠りに入つた。
□ 今週の果物
今週は名古屋市の青果物市場に入荷している果物について紹介します。地元愛知産はミカン、モモ、ブドウ、メロン、スイカなどです。
取扱量の多い果物はモモ、ブドウ、スイカ、メロンなどです。産地別では地元愛知産が多く、次いで石川、山梨、青森、和歌山、長野、山形産、などです。
モモ(「あかつき」、「白鳳」など)は山梨、愛知、和歌山産などです。ネクタリンは長野産、スモモは山梨、長野産などです。
ブドウ(「デラウェア」、「巨峰」、「ピオーネ」、「ネオマス」など)は山形、島根、山梨産、愛知、長野産などです。
ウンシュウミカン’(ハウスミカン)は愛知、静岡、大分産などです。
リンゴ「ジョナゴ−ルド」、「王林」、「ふじ」は青森産などです。
ニホンナシ「幸水」は佐賀産などです。サクランボは北海道、山形産などです。
スイカは石川、愛知、新潟産などです。
メロン(夕張メロン、アールス、アンデス、タカミ)は愛知、北海道、山形、静岡産などです。イチゴは長野、北海道産などです。
□ 今日のフォト
今年は、例年より果物の成熟が早いようです。つくばではモモの収穫が1週間以上早く始まっています。梅雨が明け、太陽の光をたっぷりうけた果実は甘く美味しくなります。写真はモモ「あかつき」、ハウスミカン、ブラックベリーです。朝、果樹園の脇の道路で月見草が可憐な黄色い花を咲かせていました。
http://www.kudamononet.com/kkr/snapshot/KK-News96.html
(掲載は次号まで)
■ お便りお待ちしています
今年初めて食べたモモやスモモの味、海外旅先で食べた熱帯の果物、スイカ割りの思い出、お盆に食べた果物など...お便りをお待ちしています。学生の皆様の楽しいメールも大歓迎です。
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☆ 編集部より ☆
最近は、モモ、モモ、スモモ、ミカンといった感じで旬の果物を沢山食べています。モモは少し硬めの肉質が好きです。皆様はいかがですか。(tnk)
最近暑さに弱い私は、夜が寝苦しくて、朝起きられなくなりました。そのせいで朝のゆとりの時間がなくなり、果物を食べる機会も減ってしまっています。私にとっては、果物はやはり夜よりも朝食べる方がおいしいような気がします。(KT)
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