ほぼ週刊メールマガジン「果物&健康NEWS」

第26回 ブドウと長寿の関係 


  

      

□□■  果物&健康NEWS Vol.26 ■□□
  ■   2004年8月27日(金) ■


みなさん、こんにちは!
今回は、ブドウと長寿の関係などです。



■メニュ−■

   □□ ブドウと長寿の関係 □□

   ◇◆ サイト紹介 ◆◇

   □■ 進む簡便化志向 ■□

   ●◇ 今週のレシピ ◇●

   ○○ メルマガ「果物&健康NEWS」推薦のお願い ○○



□□ ブドウと長寿の関係 □□

 秦の始皇帝は中国を統一し、中央集権的な統治体制を確立したあと、不老不死に憧れ、方士や道士に不老不死の秘薬を探させたそうです(司馬遷の「史記」)。我が国の神話にも不老長寿の薬の探索の話があります。

 最近では長生きの人が多い地域の食生活に関心が集まっており、果物などが注目されています。一方、長寿についての科学的研究も進んでおり、寿命を決めると考えられているテロメアDNAに注目が集まっています。テロメアとは、染色体末端部位のことで、その部分にある特殊なDNA配列があります。このテロメアDNAは、細胞分裂のたびに少しずつ短くなっていき、それに伴って細胞分裂の間隔も長くなっていきます。そして、最後に、それ以上テロメアDNAが短く出来なくなると細胞分裂が止まります。細胞分裂が行われなくなると老化が始まり、やがて細胞は死んでしまいます。そのため、テロメアDNAをいつまでも長くしておけば、細胞は死なないで分裂を続け、長生きできるはずと考えられています。

 染色体末端にあるテロメアDNAは、ヒストンと呼ばれる蛋白質に囲まれています。このヒストンがアセチル化されるとテロメアDNAは表面に露出するので、酵素の働きによって短くなってしまいます。ところが、sir2と呼ばれる酵素は、このアセチル化を防ぎ、テロメアDNAを露出しにくい構造にするため、テロメアDNAが短くなるのを防ぎ、寿命をのばすことが出来ます。

 米ハーバード大学医学部の研究チームは、ブドウに含まれているポリフェノール成分の一つであるレスベラトロールが、このsir2酵素に作用し寿命を伸ばす働きがあることを突きとめました。レスベラトロールを酵母に作用させたところsir2酵素が活性化され、酵母の寿命が70%伸びたと報告しています。従って、レスベラトロールは、sir2酵素を通して寿命に関係する酵素や遺伝子に関与して寿命を伸ばす働きがあると考えられます。

 今までに、ネズミなど多くの実験生物は、カロリーを制限した食餌で育てると寿命が延びることが明らかにされていました。このことについての研究チームの分析結果は、興味深いことにカロリー制限した酵母と同じように、レスベラトロールを与えた酵母は長生きしたとしています。このことから、カロリー制限をしなくても細胞の寿命を伸ばすことが出来ると分かりました。

 また、レスベラトロールには及びませんが、他のポリフェノール成分にも寿命延長効果が認められています。こうしたポリフェノールはブドウなど果物に多く含まれていることから、長寿の人たちはそうした食物をバランスよくとっているのではないかと考えられます。この研究はこうした食生活の重要性を遺伝子・酵素レベルで説明しているものと思います。

原著:Howitz KT, et al., Small molecule activators of sirtuins extend Saccharomyces cerevisiae lifespan. Nature. 425: 191-196. (2003)




◇◆ サイト紹介 ◆◇

 芸術の秋にこの一枚。ヨーロッパではブドウとバラが一緒に描かれることが多いそうです。下記のサイトでバラとブドウのアレンジメントを鑑賞できます。このように食卓を果物などでアレンジするのも良いかも知れません。

 http://www.ariko.co.jp/flower0011.html




□■ 進む簡便化志向 ■□

 果物摂取量の減少要因の1つとして、食に対する簡便化志向が挙げられます。平成16年6月に実施した「くだものの消費に関するアンケート調査」((財)中央果実生産出荷安定基金協会)においても、毎日くだものを食べない理由として、「食べるまでに手間がかかるから」を挙げる人の割合が多い状況です。また、外食利用率の増加も簡便化志向の一つの現れといえるでしょう。

 このような現状を踏まれ、若い世代をはじめ、健康の維持・増進のためにいかに果物を食べてもらうかが重要な課題です。「毎日くだもの200グラム運動」により、果物を食べることの重要性を広く普及し、果物の積極的な摂取を進めるのも1つですが、簡便化志向に応じ、外食やコンビニ、スーパー等で手軽に買って食べられるカットフルーツなどの加工品の開発も必要です。




●◇ 今週のレシピ ◇●

豚肉のコマ切れ、ブドウ−マスタードソースかけ

○材料:
 厚さ3/4インチ(1.9cm)の骨のない豚肉コマ切れ 4切れ
 バター 小さじ2杯
 半割した種なしブドウ 1カップ
 脂肪分の少ないライトクリーム 1/2カップ
 刻んだパセリ 1/3カップ
 ディジョンスタイルのマスタード 小さじ1杯
 刻んだわけぎ 小さじ1杯
 細かく刻んだにんにく 小さじ2杯
 塩、コショウ 少々

○作り方(料理時間45分)
1.フライパンで中位の火でバターを暖めてください。
2.均等に褐色にされるまで時々ひっくり返して、8-10分間、豚肉のコ
マ切れを料理してください。
3.豚肉をお皿に移し、暖かいままにしておいて下さい。
4.フライパンにのこりの材料を加えてください。
5.材料が滑らかになるまで、強火で絶えずかき混ぜてください。
6.豚肉の上にソースをさじでかけて下さい。




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☆ 編集部より☆

 一人でも多くの皆様へメルマガを届けたいと秋の読者拡大キャンペーンを開始いたしました。いつもの美味しさに健康情報を加えて秋の果物をお楽しみいただきたいと思っています。(tnk)

 ブドウ(生果)は好きなものの一つですが、最近はワインを好きな酒類の一つとしていただいております。ブドウは、健康の維持・増進のために良い上に、美味しいものですね。(N)


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