|
□□■ 果物&健康NEWS Vol.27 ■□□
■ 2004年9月3日(金) ■
みなさん、こんにちは!
今回は、カキの特集です。
■メニュ−■
□□ カキとビタミンC、A □□
◇◆ 新しい品種 ◆◇
★☆ カキの美味しい食べ方 ☆★
●◇ 今週のレシピ ◇●
○・ おしらせ ・○
○○ メルマガ「果物&健康NEWS」推薦のお願い ○○
□□ カキとビタミンC、A □□
カキの種は、縄文、弥生時代の遺跡からも出土していますが、今のように大きなカキは奈良時代に中国から渡来し、野生化したものと考えられています。カキは昔から日本人に親しまれた果物の一つで、山里に色鮮やかなカキが実っている景色は、深まりゆく秋を感じさせます。そんな風景を正岡子規は、「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」と詠んでいます。
カキは甘いので意外に感じるかも知れませんが、カロリーが低く、ビタミンCが多く含まれています。甘ガキには140mg/200g、渋抜きガキには110mg/200gも含まれています。一日に必要なビタミンCの栄養所要量は100mgなので、カキを1個食べるだけで1日の必要量を満たせます。
成分表などから検索するとビタミンCの多い食品としてあまのりやせん茶(茶葉)が上位に出てきます。グラム単位で比較すると確かに多く見えますが、これらの食品は、水分が少ないためにビタミンC含量が多くなり、また、水分が少ないことからカロリーが高くなります。そこで、カロリー単位で比較してみると意外なことに甘ガキのビタミンC含量はこれらの食品より多くなります(表)。
ビタミンCは脳卒中などの循環器系疾患やガンなどの生活習慣病の予防効果のほかに、しみ・そばかす・しわなどにも効果があります。ビタミンCは調理によってかなり失われるので、生で食べられるカキはビタミンCの供給源として優れています。
表 重量当たり、カロリー当たりのビタミンC含量
--------------------------------------------------
ビタミンC含量
100g当たり 100kcal当たり
--------------------------------------------------
甘ガキ 70 117
渋抜きガキ 55 87
あまのり(味付けのり) 200 112
せん茶(茶葉) 260 79
--------------------------------------------------
カキの果肉が黄色いのは、カロテノイドが多く含まれているからです。カロテノイドは、黄色やオレンジ色の色素で、α-カロテン、β-カロテン、β-クリプトキサンチン、リコペン、ルテインなどがあります。このうち、α-カロテン、β-カロテン、β-クリプトキサンチンは、体内に入ると腸で吸収され、ビタミンAに変わることから、プロビタミンAと定義されています。また、カロテノイドは、体の各器官が酸化するのを防ぐ抗酸化作用があるので、ガンや心臓病の予防、コレステロール値の低減などに効果があります。ビタミンAはレチノールと呼ばれる成分ですが脂溶性なので、摂り過ぎると体に蓄積して過剰症の心配が出てきますが、カロテンやクリプトキサンチンは体内に入ってから必要な分だけがビタミンAに変化するため、ビタミンAの過剰症のリスクを避けることが出来ます。
カキにはプロビタミンAが多く含まれていますが、なかでもβ-クリプトキサンチンが豊富です。β-クリプトキサンチンは、ガンに対する予防効果が高いことでも知られています。β-クリプトキサンチンはウンシュウミカンに含まれる成分として知られていますが、カキ品種のなかには、ウンシュウミカンに匹敵する量を含む品種もあることが分かってきました。
カキには、ビタミンCやAだけでなく、ポリフェノール、食物繊維、カリウムも豊富なので生活習慣病予防に効果的な果物です。
◇◆ 新しい品種(農研機構果樹研究所安芸津で育成された品種) ◆◇
太秋(たいしゅう)
「松本早生富有」と同時期に熟する大果で非常に食味の良い完全甘ガキです。果実は400gくらいで、既存の甘ガキ品種「富有」の1.5倍も大きくなります。肉質がよく、果汁が多いのが特徴で、1995年に品種登録された期待の品種です。
http://www.fruit.affrc.go.jp/kajunoheya/ikuseihinsyu/data/hinsyu/cu-taisyu.html
鮮やかな赤い色のカキの葉は、伝統的な日本料理などを美しく飾り、美味しさを引き立たせます。新しく育成された「錦繍」と「丹麗」は、落葉期に美しく紅葉し、葉の着色のそろいが良く、着色時期の早い、カキの葉を利用するための品種です。果実としての利用も可能ですが、味は保証の限りではないとのことです。実際のカキの葉の写真は下記のサイトで見られます。
丹麗(たんれい)
http://www.fruit.affrc.go.jp/kajunoheya/ikuseihinsyu/data/hinsyu/cu-tanrei.html
錦繍(きんしゅう)
http://www.fruit.affrc.go.jp/kajunoheya/ikuseihinsyu/data/hinsyu/cu-kinsyu.html
★☆ カキの美味しい食べ方 ☆★
カキは、地域ごとに作られている品種が異なるため色、形、艶などでは判断できないため「おいしい柿の見分け方」を一言で表現することはなかなか難しい仕事です。ただ、一般的に言えば、形が整っていて、へたの縁が緑色に保たれていて、同じ品種なら赤くて、重量感のある果実がおいしいといえます。また、カキは、果頂部(ヘタの反対側)と種の周りの甘味が強く、ヘタに行くほど甘味が薄くなります。
「カキの皮は貧乏人に剥かせ、ウリの皮は大名にむかせ」との諺にあるように、皮の近くまで美味しいので、できるだけ皮は薄く剥くのが正解です。柔らかくなったカキは、ヘタを切り取りスプーンで食べたり、そのまま凍らせてシャーベットにしてもおいしく食べられます。
●◇ 今週のレシピ ◇●
・カキとリンゴのオードブル
材料(2人分)
生ハムロース:10g位8枚、カキ:1/2個、サワ
ークリーム:30g、砂糖:2g、リンゴ:1/2個、レモンの薄切り:4
枚、ミックスナッツ:30g、パセリ:適量
作り方と写真は下記のサイトにあります。
http://itoham.mediagalaxy.ne.jp/cook/salad/salad_04.html
カキの和風アイスデザート
材料(2人分)
カキ:4個、生クリーム:100cc、砂糖:大さじ
1.5杯、レモン汁:小さじ1杯、煮豆(黒豆などの市販品):適宜
作り方と写真は下記のサイトにあります。
http://national.jp/ice/1.html
○・ おしらせ ・○
○ ミニ講演会演題:ナシなど果物と健康
(独)農研機構果樹研究所品質化学研究室長
「果物&健康NEWS」編集長 田中敬一
講演会日時:平成16年9月5日(日)13:00−13:20、
13:40-14:00(2回)
参集範囲:消費者(先着20名×2回)
場所:三越千葉店8階催物会場(千葉市中央区富士見2-6-1)
詳細は25号をご覧下さい。
--------------------------------------------------
○ 果物・野菜を食べて健康生活講演会
本講演会では、果物・野菜を食することの大切さについての講演会のほか、果物・野菜の持つ健 康に良い機能性などを各分野の方々に事例発表していただき、国民の健康生活の推進を図ることを目的としています。
日時:平成16年9月7日(火)13:00〜16:30
場所:富山県農協会館 801号室
パネル展示 802号室 12:00〜17:00
(富山県産果物・野菜展示など)
基調講演:「果物・野菜を食することの大切さを知ろう」
中川 眸 氏(富山大学名誉教授)
−あなたの栄養の知識、間違っていませんか?−
事例発表:舘野政也 氏(富山県済生会高岡病院院長・とやま地産地消推進会議会長)
道畠俊英 氏(石川県工業試験場食品加工技術研究室)
中田典子 氏(福井県小浜市食のまちづくり課)
近藤卓志 氏(青果物健康推進委員会事務局長)
意見交換
主催:農林水産省北陸農政局
果物のある食生活推進全国協議会
青果物健康推進委員会
後援:富山県
問い合わせ先:〒920−8566
石川県金沢市広坂2−2−60
北陸農政局生産経営流通部園芸特産課
電話 076−263−2161(内線3337)
○○ メルマガ「果物&健康NEWS」推薦のお願い ○○
メールマガジン「果物&健康NEWS」のご愛読ありがとうございます。
果物の季節に向けて読者拡大キャンペーンを行っています。お知り合いの方にメルマガ「果物&健康NEWS」の推薦をお願いします。お知り合いの方にメールいただければ幸いです。どうぞよろしくお願い申し上げます。
☆ 編集部より☆
カキの好みは人それぞれですが、大きく分けると東はとろっとした熟しガキが好きで、西はぱりぱりした肉質を好むようです。その理由として、東は渋ガキが多く熟さないと食べられないが、西は甘ガキが多いのですぐ食べられるからと言われています。(tnk)
学生のみなさんは、新学期が始まりましたね。早めに体調を整え、勉強やスポーツに励んで下さい。受験勉強に打ち込んでいる方も多いことと思いますが、一休みの時は果物で栄養補給を!(N)
Copyright 2004 Keiichi Tanaka. All rights reserved. No reproduction or
republication without written permission. |
|
|