ほぼ週刊メールマガジン「果物&健康NEWS」

第28回 カキの渋抜き法 


  

      

□□■  果物&健康NEWS Vol.28 ■□□
  ■   2004年9月17日(金) ■


みなさん、こんにちは!
今回は、カキの渋抜き法です。



■メニュ−■

   □□ カキの渋抜き法 □□

   ◇◆ サイト紹介 ◆◇

   ●◇ 今週のレシピ ◇●

   △▲ 果物の健康・機能性に関する学習会 ▲△

   ○○ メルマガ「果物&健康NEWS」推薦のお願い ○○



□□ カキの渋抜き法 □□

 美味しそうに見える柿を食べたら渋かったとの経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。見ただけで甘渋を見分けられたらよいのですが、残念ながら甘ガキと渋ガキを外観や果肉から見分ける方法はありません。渋ガキの多い地域で育つと果肉にゴマ(褐斑)がないと渋ガキと思っておられる方が多いと思いますが、ゴマがなくても甘い品種もあります。

 柿は渋味、種子の有無、果肉の褐斑(かっぱん:ゴマ)の生成程度により次の4種類に分類されます。

1.完全甘ガキは、種子の有無にかかわらず全く渋味がないもので、少量の褐斑が生じるものもあります。品種として、「富有(ふゆう:褐斑が少しはいる)」、「次郎(じろう:褐斑が入らない)」、「伊豆(いず)」、「松本早生富有(まつもとわせふゆう)」、「大秋(たいしゅう)」があります。

2.不完全甘ガキは、種子が形成されると、その周囲に多量の褐斑が生じ甘ガキとなりますが、種子数が少ないと渋い部分が残ります。「西村早生(にしむらわせ)」、「禅寺丸(ぜんじまる)」、「赤柿(あかがき)」などがあります。

3.不完全渋ガキは種子が出来るとその周囲に褐斑を生じ、脱渋されますが、範囲は狭く食味的には常に渋ガキとなります。「平核無(ひらたねなし)」、「冨士(ふじ)」、「会津身不知(あいずみしらず)」などの品種があります。

4.完全渋ガキは、種子の有無にかかわらず強く渋味を感じ、褐斑を生じない渋ガキです。「西条(さいじょう)」、「愛宕(あたご)」などがあります。

 渋ガキはそのままでは食べられないので「渋を抜く」必要があります。「渋を抜く」というのは、本当に渋を取り除いてしまうのではなく、口の中の舌にある渋みを感じる器官と渋がふれないように渋を不溶化して、渋く感じるのを防ぐことです。渋ガキにアルコールをかけたり、炭酸ガスをかけるとカキの中にアセトアルデヒドという成分が出来ます。この成分が渋とくっついて水に溶けない形になります。

 渋柿の脱渋には様々な方法が用いられていますが、広く行われている主な方法は以下の通りです。

(1)アルコール脱渋
 25〜35%の焼酎を皿に入れ、果実のへたの部分を軽くつける程度に浸すか、吹きかけて、厚さ0.08mmのポリエチレンの袋に詰め、密封して室温に放置しておけば、約1週間で渋が抜けます。

(2)ドライアイス脱渋、炭酸ガス脱渋
 果実重の100分の1〜2のドライアイスを新聞紙に包み、厚さ0.1mmのポリエチレン袋に入れ、カキと一緒に密封しておくと5日程度で渋が抜けます。ドライアイスに果実が直接触れると傷みます。原理はドライアイスが気化するときに炭酸ガスが発生するためです。炭酸ガス脱渋は、定温条件に果実を置き、果実温度を均一にして100%の炭酸ガスを導入した後、果実を空気に触れさせ脱渋する方法です。商業的には炭酸ガスを使いますが、家庭ではドライアイスの方が手に入りやすいと思います。

 上記以外に、渋ガキの渋を抜く方法として昔から行われているのが干し柿です。秋が深まると庭先に渋ガキが干してある光景が、昔はよく見られました。干し柿の作り方のキーポイントは皮を剥くことです。皮を剥くと果肉表面が乾燥し、皮膜ができるため、果肉内が嫌気状態になるためアセトアルデヒドができて、渋と反応して渋が不溶化するためしぶを感じなくなります。

干し柿の作り方
 干し柿は、「あんぽ柿」と「ころ柿」に大別されます。前者は、50%前後の水分を含み、表面は乾いているものの、内部は生乾きのものを言います。後者は水分が25〜30%になるまで乾燥させたものです。干し柿の表面付いている白い粉は、果肉が乾燥するのに伴って、果肉の糖成分が表面に出てきたものでブドウ糖と果糖の混合物(6:1)です。



◇◆ サイト紹介 ◆◇

 愛媛県北宇和郡津島町に県指定の天然記念物「二重柿」があります。小形の渋ガキで、果実の内部にも果実を生じるため「二重柿」、「子持ち柿」の名があり、昔から子宝に恵まれると信じられているそうです。
http://www.shikoku.ne.jp/tsushima/bunkazai/kenten.html

 柿の栽培の歴史はとても古いので、例えば、幹周2.4m、樹高約14m、推定樹齢300年の「五輪様の柿の木」が下記のサイトで見られます。
http://www.geocities.jp/tokyowood/other/kaki01.html

 毎日新聞に載った岐阜県の養老町にある柿の木伝説が下記のサイトで読めます。「柿の木から毛、切るとたたりが…侍の恨み乗り移り」。その真相は。
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/gifu/kowai/news/20040813ddlk21070044000c.html




●◇ 今週のレシピ ◇●

柿と栗のケーキ
 バター生地:薄力粉 80g、アーモンドプードル 20g、全卵 2個、無塩バター 80g、砂糖 80g、バニラオイル 適量
 柿のコンポート:柿(富有柿) 1個、砂糖 180g、白ワイン(または水) 180cc 、栗の甘露煮 100g

 作り方と写真は下記のサイトにあります。
 http://anies.net/menu/recipe_128.html


干し柿の天ぷら
材料(10人分)
 干し柿 20〜25個、全卵 1/4個分、冷水 100CC、揚げ油 適量

 作り方と写真は下記のサイトにあります。
 http://www.kudamono200.or.jp/recipe/kaki/kaki01.html




△▲ 果物の健康・機能性に関する学習会 ▲△
(於:大阪市中央卸売市場本場)

1 趣旨
 果物は、ビタミンやミネラル、食物繊維等の栄養素を多く含み、生活習慣病の予防に効果があり、私たちが健康的な生活を送る上で欠かすことのできない食品です。
 本学習会は、果物の持つ優れた機能・効果等を広く知っていただき、果物の摂取拡大を通じて、皆様の健康維持・増進に役立てていただくことを目的に開催します。

2 テーマ
 「果物の健康・機能性に関する学習会」
  〜くだもののちから、再発見〜

3 主催
 近畿農政局、果物のある食生活推進全国協議会

4 協賛
 (社)大阪市中央卸売市場本場市場協会、日本園芸農業協同組合連合会大阪事務所、フルーツル ネッサンス21

5 日時
 平成16年10月22日(金)
 9:40〜12:00(市場見学会、利き果物会、展示品紹介)
 13:00〜15:45(講演会、果物豆知識、展示品紹介)

6 会場
 大阪市中央卸売市場本場 大ホール(16階)
 (JR野田駅又は地下鉄玉川駅から徒歩10分)

7 参集範囲
 市場見学会:50名程度
 講演会:150名程度

8 内容
 (1)講演会:くだもの200グラム運動の指針に沿って、果物の持つ機能性・健康面に関する講演を行う。
  講演内容:「果物と糖尿病」、「果物を楽しむ」
  (独)農業・生物系特定産業技術研究機構
  果樹研究所カンキツ研究部上席研究官 矢野昌充氏

 「果物のがん予防効果」
  京都府立医科大学大学院教授 西野輔翼氏

 (2)市場見学:生鮮食料品の流通に関する情報を場内を見学して紹介する。

 (3)展示品紹介:果物の機能性、食べ方・選び方等をわかりやすく紹介する。

 (4)利き果物会、果物豆知識:果物に関する情報を交えながら試食し、また、流通関係者と消費者の交流を図る。

9 お問い合わせ先
 近畿農政局園芸特産課園芸流通係
 〒602−8054 京都市上京区西洞院下長者町下ル
 電話:075−451−9161(内線2325)
 FAX:075−414−9030



○○ メルマガ「果物&健康NEWS」推薦のお願い ○○

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☆ 編集部より☆

 今年は、台風が多く来襲し、厳島神社が倒壊するなど大きな被害がでました。また、強風のためたくさんの果物が落下したり、傷ついたりしました。今年の果物は味がいいとの評判で、張り切っていた果樹農家はがっかりされています。自然災害とはいえ残念です。(tnk)

 果実に、多少傷があってもおいしいものはおいしいです。みなさん、たっぷりいただきましょう!(N)


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