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□□■ 果物&健康NEWS Vol.30 ■□□
■ 2004年10月1日(金) ■
みなさん、こんにちは!
今回は、クリの特集2についてです。
■メニュ−■
□□ クリでスタミナづくり □□
◆◇ サイト紹介 ◇◆
●◇ 今週のレシピ ◇●
○○ 関東「旬のやさい・くだもの健康セミナー」 ○○
□□ クリでスタミナづくり □□
スポーツの秋、10月11日は体育の日です。スポーツにはスタミナ(持久力)が欠かせません。スタミナが切れるとばててしまいます。スタミナのもとは筋肉や肝臓に蓄えられているグリコーゲン(炭水化物:糖質)です。運動中は、はじめに炭水化物がエネルギーとして使われ、その後、脂質のエネルギーが使われます。激しい運動をすると炭水化物からのエネルギーを消費し、使い果たすとスタミナ切れになります。そのため、スポーツをする前には炭水化物を多く摂取することが大切となります。しかし、炭水化物の摂取だけではエネルギーを利用することはできません。炭水化物からエネルギーを取り出すためにはビタミンB群やビタミンCの摂取が必要です。
ビタミンB1は、糖の代謝を促進して神経・筋肉などへエネルギーを供給します。ビタミンB1が不足すると、エネルギー不足により乳酸が体内に蓄積され疲労を引きおこします。摂取した糖質を効率よくエネルギーに変えるためには、摂取エネルギー1,000kcalあたりビタミンB1を0.4mg必要とされています。ビタミンB2もエネルギー代謝に関与しており、激しい運動をする人は体内での消費量が増えるため不足しやすいといわれています。そのほか、ビタミンB6は、体内で補酵素として働き、アミノ酸とタンパク質の代謝にかかわっています。ナイアシンは、糖質・脂質・タンパク質の代謝にかかわり、エネルギー産生を促進します。ナイアシンが不足するとエネルギーが不足して疲れやすくなります。抗貧血性因子として見出された葉酸は細胞分裂にかかわり、新陳代謝にかかわっています。また、運動すると多くの酸素を体内に取り入れることから、体内に活性酸素の量が増えるため、活性酸素を消去するビタミンCが大量に消費されることから、ビタミンCの摂取が必要となります。
ゆでたクリには、スポーツのスタミナ維持に必要な炭水化物が36.7g/100g含まれています。また、ビタミンB1が0.17mg/100g、ビタミンB2が0.08mg/100g、ビタミンB6が0.26mg/100g、ナイアシンが1.0mg/100g、葉酸が76μg/100g、ビタミンCが26mg/100g含まれています。スポーツをする朝に、クリを食べることは合理的です。アスリートは勝ちグリ(くりを天日干しにし、渋皮と殻をとったもの)を食べて試合にのぞむそうです。
また、運動会の昼食には、クリご飯のおにぎりもよいのではないでしょうか。ご飯は炭水化物源として優れていますがビタミンB群が不足しています。かって、米中心の食生活から招く脚気が流行しましたが、この原因は、ビタミンB1の不足によるためです。したがって、クリご飯は、美味しいだけでなく、ご飯で不足しがちなビタミンB1をクリから補えるなど、栄養的にも優れた食べ方です。
表 クリ(ゆで)とめし(精白米)に含まれているビタミン含量
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クリゆで めし(精白米)
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ビタミンB1 0.17 0.02 (mg/100g)
ビタミンB2 0.08 0.01 (mg/100g)
ビタミンB6 0.26 0.02 (mg/100g)
ナイアシン 1.0 0.2 (mg/100g)
葉酸 76 3 (μg/100g)
ビタミンC 26 0 (mg/100g)
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◆◇ サイト紹介 ◇◆
縄文人は、クリなど植物性の食物を主食としていました。青森県の三内丸山遺跡からクリがたくさん出土しています。三内丸山遺跡は、縄文時代前期から中期(約5,500年前〜4,000年前)の大集落跡で、竪穴住居跡、掘立柱建物跡、墓、土器などが見つかっています。当時、青森県の三内丸山周辺は、今より気温が2〜3℃高く、針葉樹にかわってクリやブナ、ナラなど広葉樹林が広がっていたと考えられています。
三内丸山遺跡のサイトです。食についても記載されています。
http://sannaimaruyama.pref.aomori.jp/jomon/index.html
クリの木で作られていた大型掘立柱建物です。高さは20m以上とのことです。
http://www.capa.ne.jp/a-bank/maruyama/ikou/ikou1.html#01
●◇ 今週のレシピ ◇●
クリをつかった料理を紹介しているキッコーマン・ホームクッキングのサイトです。栗ご飯(調理時間:90分)、豚肉と栗の煮物(調理時間:90分+)、中華風里いもと鶏手羽先のオイスターソース煮(調理時間:30分)、中華おこわ(調理時間:45分)
http://www.kikkoman.co.jp/homecook/series/kuri02.html
○○ 関東「旬のやさい・くだもの健康セミナー」 ○○
『旬のやさいくだもので健康づくり』
1 趣 旨
野菜と果物は、ビタミン、ミネラルや食物繊維の供給源として食生活上重要な食品に位置付けられております。特にこれら栄養素を適量摂取することで心筋梗塞、脳卒中やがん等の生活習慣病にかかるリスクを下げるという研究結果が報告されており、毎日の食事において十分に摂取する必要があります。
しかし、我が国の野菜と果物の1人当たり摂取量は減少傾向にあ り、特に若年層を中心に健康の観点から定められた目標量を大きく下回っている状況です。
このため、食生活改善の重要性及び青果物の健康機能と栄養の知見を広く消費者へ情報提供するセミナーを開催し、青果物摂取の促進を図ることにより健康で豊かな食生活に寄与します。
2 主 催 関東地域野菜・果物健康食生活推進協議会、関東農政局
3 共 催 果物のある食生活推進全国協議会、青果物健康推進委員会
4 後 援 東京電力轄驪ハ支店、埼玉県食生活改善推進員団体連絡協議会、社団法人埼玉県栄養士会、埼玉県地域婦人会連合会、JA埼玉県生活指導員連絡協議会、JA埼玉県女性組織協議会、埼玉県消費者団体連絡会、埼玉県生活協同組合連合会、生活協同組合さいたまコープ、生活協同組合ドゥコープ、埼玉新聞社
5 日 時 平成16年11月2日(火) 10:00〜16:00
6 会 場 大宮ソニックシティ
第一部 10:00〜13:00 テプコソニック 30階
第二部 14:00〜16:00 市民ホール 4階
7 内 容 第一部 「旬のやさい・くだもの料理教室」
講師:料理研究家 小川 聖子氏
第二部 「野菜果物に関する講演」
@「果物の健康パワー」
講師:(独)農業・生物系特定産業技術研究機構果樹研究所
品質化学研究室長、「果物&健康NEWS」編集長 田中 敬一氏
A「野菜・果物はカラダのミカタ」
講師:管理栄養士・健康運動指導士 平野美由紀氏
8 参集者 第一部 一般消費者 20名
第二部 一般消費者 200名
9 参加費 無料
10 参加申込み及び問合せ先
「関東地域野菜・果物健康食生活推進協議会事務局」
関東農政局園芸特産課(担当:菊池、永塚)
・住所:さいたま市中央区新都心2−1
・電話:048-600-0600(内線3336、3338)
・FAX:048-601-0533
・E-mail:engei@kanto.maff.go.jp
☆ 編集部より☆
おかげさまで、「果物&健康NEWS」の発行が30回目となり、配信数も3,000件を越えました。引き続きご愛読お願い申し上げます。果物についての「へぇ〜」情報を提供できたらと思っています。(tnk)
先日、ぶどうの産地でワインをいただいたのですが、すっきりとした辛口で飲みやすく、おいしいワインでした。うちに帰って生果のぶどうをつまみにワインを飲んだのですが、これもまた、どちらも美味でした。(N)
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