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第54回 ブルーベリーの健康機能性−その2

  



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□□■ 果物&健康NEWS Vol.54 ■□□
   ■  2005年4月26日(火)   ■


みなさん、こんにちは!
今週はブルーベリーの健康機能性−その2です。
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毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは http://www.kudamono200.or.jp



:::■ メニュー ■::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

 ◇ ブルーベリーの健康機能性−その2
 ◇ 健康ニュース−メタボリックシンドロームの診断基準
 ◇ 今週のレシピ
 ◇ 食と農を結ぶ食育コーナー
 ◇ 読者から
 ◇ 編集部より



□ ブルーベリーの健康機能性−その2

 ブルーベリーは、溶解性や分子構造など物理化学的性質の異なる多種多様なポリフェノールを含んでいます。今まで見いだされたポリフェノールには、アントシアニジンのほか、タンニンの一種であるプロアントシアニジンやフラバノール、ケルセチン配糖体、フェノール酸などがあります。

 プロアントシアニジンは、強い抗酸化活性をもつため、LDL-コレステロール(悪玉コレステロール)の生成を抑制し、動脈硬化の発症を抑えると報告されています。さらにプロアントシアニジンには、アレルギーに対する効果も見いだされています。アレルギーは、食品中に含まれているタンパク質や花粉などを抗原として発現しますが、プロアントシアニジンは、アレルギー反応に関わるヒアルロニダーゼと呼ばれる酵素の活性を阻害するとともに、アレルギーの化学伝達物質であるヒスタミンの遊離を抑制します。皮膚がかゆくなる病気で、アレルギーの一種であるアトピー性皮膚炎に対してプロアントシアニジンによる抑制効果が報告されています。

 ポリフェノールには抗酸化作用があるため、細胞の老化やガン予防、肝臓の機能回復、血圧の上昇を抑制します。また、血液中の血小板の凝固を抑制し、毛細血管を保護する機能や血栓の生成を抑制するなど、生活習慣病を予防する成分として期待されています。Sweeneyらは、ラットにブルーベリーを摂取させたところ、脳への血液の流れを止め、ときにおこる脳障害を軽減できたことから、脳への血液循環の異常で起きる脳卒中の予防効果が期待できるとしています。さらに、ブルーベリーには脂溶性抗酸化ビタミンであるビタミンEやA、水溶性抗酸化性ビタミンであるビタミンCなどが含まれています。

 ポリフェノールなどの抗酸化成分には水に溶けやすい性質(水溶性)のものと脂質に溶けやすい性質(脂溶性)のものとがあります。人の身体には、性質の異なる多種多様な細胞、組織、器官で構成されているため、単一な成分だけの摂取では効果が十分に発揮されません。そのため、溶解性の異なる成分がバランス良く含まれている食品が健康の維持増進、疾病の予防に効果的であると考えられています。ブルーベリーはこうした観点からも優れた食品の一つです。




□ 健康ニュース メタボリックシンドロームの診断基準

 日本内科学会など8学会の委員で構成されるメタボリックシンドローム診断基準検討委員会は、大阪市で開催された日本内科学会で、日本におけるメタボリックシンドロームの診断基準を発表しました(05/4/8)。

 胴回りが男性85cm以上、女性90cm以上で脂肪の蓄積が認められ、かつ、リポタンパク質異常、高血圧、高血糖のうち2つ以上のリスクをもつ場合にメタボリックシンドロームと診断することが示されました。

 メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪型肥満が原因で糖尿病や高血圧、高脂血症などが重なり、動脈硬化症を引き起こす病気で、中高年がかかりやすく、国内には1000万人以上の患者がいると推定されています。

 身体に蓄積する脂肪には皮下脂肪型と内臓脂肪型があります。内臓脂肪が増えると、肝臓の代謝異常などがおきるため、血糖や血圧、LDL-コレステロールなどが正常より高めになり、こうしたリスクが複数重なると動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳梗塞が起きる可能性が高くなります。そのため、こうした複数の症状があらわれた場合を「メタボリックシンドローム(代謝異常症候群:Metabolic syndrome)」としています。

 糖尿病や高血圧、脂質代謝異常の治療を受けていて、内臓脂肪のある人では、薬剤による治療を開始する前に、これらの根本にあたる内臓脂肪を減らすことが重要です。そのためには、食生活などの生活習慣の改善を積極的に行うことが必要があります。

表 メタボリックシンドロームの診断基準
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・ウエスト周囲径  男性 85cm以上 女性 90cm以上
 (内臓脂肪面積が男女とも100cm2以上に相当)
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上記に加え、以下の3つのリスクのうち2つ以上のリスクを有する場合に、メタボリックシンドロームと診断します。

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・高トリグリセリド血症   150mg/dL以上
      かつ/または
・低HDLコレステロール血症  40mg/dL未満
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・収縮期血圧      130mmHg以上
かつ/または
・拡張期血圧      85mmHg以上
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・空腹時高血糖    110mg/dL以上
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注1)CTスキャンなどで内臓脂肪量測定を行うことが望ましい。
 2)ウエスト径は立位、軽呼気時、へそレベルで測定する。脂肪蓄積
  が著明でへそが下方に偏位している場合は肋骨下縁と前上腸骨棘
  の中点の高さで測定する。
 3)メタボリックシンドロームと診断された場合、糖負荷試験が薦め
  られるが、診断には必須ではない。
 4)高いTG血症、低HDL-C血症、高血圧、糖尿病に対する薬剤治療を
  受けている場合、それぞれの項目に含める。




□ 今週のレシピ

○ ブルーベリーとヨーグルトのクレープ

 中身をバナナやイチゴに代えることもできます。

【ブルーベリーのフィリングの材料】
 ブルーベリー 2カップ (冷凍でも可)、プレーンヨーグルト 1カップ、コテッジチーズ 1/2カップ、バニラ 小さじ1/2杯、砂糖 大さじ3杯、生クリーム 少々

作り方の出来上がりの写真は下記サイトにあります。
http://www.geocities.jp/anyrecipe2/cake/recipes/crepe.html


○ ブルーベリーチーズケーキ

 初夏の爽やかさを味わうデザートです。

【材料】
 クリームチーズ 300g、蜂蜜 80g、卵黄 50g、レモン汁 大さじ2杯、バニラビーンズ 1/2本、ブルーベリー 50g、グラハムクラッカー 70g、バター 30g、サワークリーム 200g、粉砂糖 大さじ2杯

 作り方の出来上がりの写真は下記サイトにあります。
 http://www.ucc.co.jp/coffee/sweet/02.html




□ 食と農を結ぶ食育コーナー

 おいしいみかんづくりのために、毎日がんばっているみかん農家の1年を通して、みかんが実るまでを紹介しています。このサイトは、全農愛媛県支部が作成しています。
 http://www.e-mikan.ne.jp/yakuba/hyaka/sodatekata/index.html




□ 読者から

 群馬県前橋市に住んで,中学校の理科教員をしている女性です。先日ボランティアで,梨の花粉付けをしました。青い空に,白い梨の花は美しく,桃色の増量剤を入れた花粉を付けると,花びらにも紅がさします。私にとっては,楽しい作業でした。でも農家の方の下準備は,これが結構大変なようでした。花粉を出す種類の違う梨の花のおしべから葯(やく)を採り,その葯を開かせます。温度によって花粉が出たり,めしべの柱頭に受粉されなかったりとかで,農家の方は天気と気温に気を遣っていました。ボランティアの私の準備は服装だけです。梨畑のすぐ脇に,桃の花が咲き,菜の花が咲いていました。青空に映える白い花(梨)・桃色の花(桃)・黄色の花(油菜)に囲まれて,作業の合間に頂いたお茶と果物は美味しかった(ピクニック気分)。冬のうちに,桃や梨の木の枝の剪定を行い,畑に有機肥料を与え,花の開花を待ちます。これからも摘果や消毒もあるでしょう。果物,大好き人間の私としては,廉価でおいしい果物が欲しいけれど,一年の作業量を所得という金額にするならば,安い果物・安いもの・廉価な・・・とも言えなくなりますね。農家の皆さん・研究所のみなさん、良い実りを楽しみにしています。がんばって,おいしい果物を作ってください。




☆ 編集部より ☆

 今週末からゴールデンウイークに入ります。果物&健康NEWSも2週間休ませていただき、気力と体力をフレッシュアップしたいと思います。次回発行は5月13日(「毎日くだもの200グラムの根拠」)を予定しています。(tnk)

 今のお楽しみは、ゴールデンウィークでしょうか。計画バッチリで、その日が来るのを指折り数えている状況ですか。
 tnk先生もNも、ゴールデンウィークは楽しみの一つですが、みなさんからの果物に関するエピソード等(読者から)も楽しみにお待ちしております。(N)




 果物&健康NEWS ご愛読に感謝申し上げます。
 無断転載は、引用を含めて、お断りします。
 ご協力に感謝いたします。  編集長 敬白

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