くだもの・科学・健康ジャーナルHP > 果物&健康NEWSトップ >
ほぼ週刊メールマガジン「果物&健康NEWS」

第55回 毎日くだもの200グラムの科学的根拠

  



サイト案内





メルマガ果物&健康NEWS登録


□□■ 果物&健康NEWS Vol.55 ■□□
   ■  2005年5月13日(水)   ■


みなさん、こんにちは!
今週の特集は毎日くだもの200グラムの科学的根拠です。
--------------------------------------------------
毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは http://www.kudamono200.or.jp



:::■ メニュー ■::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

 ◇ 毎日くだもの200グラムの科学的根拠
 ◇ 健康ニュース フリーラジカル除去でマウスの寿命が延長
 ◇ 食料自給率向上協議会関連
 ◇ 食育コーナー:ワールドカップ給食レシピ
 ◇ サイト紹介:生鮮果実・野菜衛生管理規範
 ◇ 食料・農業・農村政策審議会委員を募集します
 ◇ 編集部より



□ 毎日くだもの200グラムの科学的根拠

 毎日の食事は楽しみの一つです。楽しみながら健康を維持することができたらの願いから「毎日くだもの200グラム」の運動は進められています。果物をたくさん摂取すると、ガン、高血圧、心臓病など循環器系疾患、アレルギーなど生活習慣病を予防する効果があります。また、最近では、アルツハイマー症の予防効果も期待されています。そのため、国際的には、「果物は、野菜とともに生活習慣病予防のために不可欠な食品である」との認識が浸透しています。

 アメリカ国立科学アカデミーは、1982年にガンに及ぼす要因についてヒトを対象とした2000以上の疫学調査の研究論文を再検討した結果、ガン予防のために禁煙の奨励とともに、果物と野菜を多く摂取することを推奨する勧告を行いました。

 この勧告を受けて、アメリカでは、1日あたり果物と野菜を5サービング(400g以上)摂取する運動(5 A DAY運動)が、1991年から始められました。その結果、10万人当たりの死亡率が、1993年の205.6人をピークとして減りはじめ、1998年には200.3人まで下がり、罹患率も減少しました。開始から10年が経過したところで、この運動に対する査定が行われ、アメリカで最も成功した健康施策であると、高く評価されました。

 現在、運動の成功を受けて、当初400gとした果物と野菜の摂取量を400〜800gに改正し、なるべく800gに近づけることとしています。また、疾病予防の範囲もガンだけでなく心臓病など生活習慣病の予防に効果があると認めて、現在も積極的に運動が推進されています。

 こうした研究成果、実績を受け、生活習慣病を予防して健康的な生活を送るためには、毎日、果物を少なくとも200g以上摂取することが望ましいと考えています。
 その科学的根拠は、
 @世界保健機構(WHO)の「食事と運動に関する世界戦略」で生活習慣病を防ぐため、果物の摂取を増やすことを勧告していること、
 A「5 A DAY(果物と野菜を1日400〜800gの摂取)」運動で推奨されている果物の平均推奨量が240gであること、
 Bアメリカ国立心臓・肺・血液協会などが推奨している高血圧予防のDASH摂取プランでは果物を320〜400kcal摂取することを勧めていること(ミカンなら1日あたり8〜10個、中くらいのリンゴなら4個くらい)、
 C生活習慣病予防(糖尿病予防も含む)のためのフードガイドピラミッドでは、果物を1日あたりの2〜4サービングの摂取を勧めていること(大きなリンゴなら1日あたり1〜2個)、
 D果物に含まれているショ糖や果糖など糖類は、生活習慣病発症には直接関与しないこと、
 E果物には、野菜の摂取では代替えは出来ない健康機能があること、
 F果物のカロリーは少ないので200gは、1日に必要な適正カロリーのおおよそ3〜5%にすぎないこと、などによります。

 果物200gは、温州ミカン2個、リンゴ1個、ブドウ(デラウエア)1.5房、日本ナシ(中位の大きさ)1個、モモ1個、カキ1個、キウイフルーツ2個程度です。果物は、美味しさを味わいながら健康な体を維持できます。




□ 健康ニュース フリーラジカル除去でマウスの寿命が延長

 抗酸化酵素であるカタラーゼをマウスのミトコンドリアに過剰に発現させると、マウスの寿命が延びたと科学雑誌Scienceに発表されました。カタラーゼは、抗酸化作用があるため、生体に有害な過酸化水素を除去します。遺伝子を組み換えられ、ミトコンドリアのカタラーゼ濃度が高くなったマウスでは、細胞の酸化に起因する損傷や老化による心臓の衰弱および白内障が減少し、寿命がほぼ20%延長しました。

 今回の研究は、生体内の酸化作用を抑制すると寿命が延びるとする説を支持する結果です。また、酸化酵素や抗酸化成分(機能性成分)などにより生体内に生じるフリーラジカルを除去すれば、生活習慣病が予防できることを裏付ける研究です。

【文献】 Schriner, S.E., et al. (2005) Extension of murine lifespan by overexpression of catalase targeted to mitochondria. Science,  [DOI: 10.1126/science.1106653]




□ 食料自給率向上協議会関連

 新たな食料・農業・農村基本計画で目指す食料自給率45%の達成に向け、行政や関係団体でつくる食料自給率向上協議会が開催されました(05/4/26)。

 自給率を引き上げるため、消費面では、1.食育や地産地消の全国的な展開、2.米、野菜、果物など国産農産物の消費拡大、3.国産品に対する消費者の信頼確保、

 生産面では、1.担い手による需要に即した生産、2.食品産業と農業との連携、3.担い手への農地集積と飼料作物の生産拡大など効率的な農地利用を推進することとしています。

 このため、国、県や市町村、農業団体や食品事業者、消費者団体のそれぞれが目標を明確にし、取り組みの行動計画を策定することとしています。

 別添資料は下記のサイトで見ることができます。
 http://www.maff.go.jp/www/press/cont2/20050426press_2b.html




□ ワールドカップ給食レシピ

 現在、サッカー日本代表は、ワールドカップドイツ大会出場を目指して戦っていますが、今回紹介する給食レシピは、前回、日韓で行われたワールドカップにちなんだ学校給食の献立です((独)日本スポーツ振興センターHP)。

○ バナナをくるんだドーナツ
 大分県中津江村立中津江小学校のカメルーン給食です。

材料
 ホットケーキミックス 10g、小麦粉 10g、水 8g、 バナナ 10g

作り方とできあがり写真は下記のサイトにあります。
http://www.naash.go.jp/kenko/kyusyoku/rental/wc/siryou_wc_cam.html#2

○ スウェーデン風ミートボール(クランベリージャム添え)
 宮崎県教育委員会提供のスウェーデン給食です。

材料
 ミートボール(冷凍) 40g、バター 4g、クランベリージャム 15g

作り方とできあがり写真は下記のサイトにあります。
http://www.naash.go.jp/kenko/kyusyoku/rental/wc/siryou_wc_swe.html#2




□ サイト紹介:生鮮果実・野菜衛生管理規範

 コーデックス委員会(FAO/WHO合同食品規格委員会)が、第26回総会(2003年6月)において採択した「生鮮果実・野菜衛生規範」の翻訳が下記のサイトで読めます。この衛生管理規範は、生鮮果実と野菜のための一般的な枠組みを示しています。第一次生産については、環境衛生、農業投入材(生産用水、天然肥料、土壌、農薬、生物農薬)の基準、室内設備、作業員の衛生・衛生施設、機器について記載されたほか、取扱いに関して、交差汚染の防止も盛り込まれています。

生鮮果実・野菜衛生管理規範の日本語訳(農水省HP)は下記のサイトにあります。
http://www.maff.go.jp/soshiki/seisan/yasai/codex.htm

原文は下記のサイトにあります。
ftp://ftp.fao.org/codex/alinorm03/al03_13e.pdf

生食用カット果実・野菜に関する付属書(農水省HP)は下記のサイトにあります。
http://www.maff.go.jp/soshiki/seisan/yasai/codex.htm#kat




□ 食料・農業・農村政策審議会委員を募集します

 農林水産省では、食料・農業・農村政策に広く国民の皆様の声を反映させ、国民の合意に基づいた政策の推進に資するため、食料・農業・農村政策審議会の委員を広く一般から募集しています。

 これからの食料・農業・農村政策に一役買おうという意欲のある方の御応募をお待ちいたしております。

 募集人員は3名以内、応募の締め切りは平成17年5月27日です。
 さらに応募方法等、詳細な情報については、 
 http://www.maff.go.jp/www/press/cont2/20050426press_1b.html
 を御覧ください。




☆ 編集部より ☆

 果物が大腸ガンの予防効果があるかどうかについては、効果があるとする報告とないとする報告とがあります。果物に予防効果があるとする報告の代表例は、約52万人を対象にヨーロッパで行われた疫学調査です。この調査では、果物などから食物繊維をたくさん摂取しているグループ(1日あたり31.9g)と少ないグループ(1日あたり12.6g)を比較しています。現在、我が国における1日あたりの食物繊維の平均摂取量は14g程度です。この量は、ヨーロッパで行われた調査の少ないグループに近い値です。この集団で統計的な有意差を求めるのは難しいのではないかと思っています。(tnk)

 デコポン、清見等小売店での取扱量がだいぶ少なくなってきましたが、味は良く、5,6個入りを2〜3日おきに買って食べています。うちの在庫がなくなったので、今日もかんきつ、りんごを買って帰ります。(毎日くだもの200g!)(N)




 果物&健康NEWS ご愛読に感謝申し上げます。
 無断転載は、引用を含めて、お断りします。
 ご協力に感謝いたします。  編集長 敬白

Copyright 2004-2005 Keiichi Tanaka. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.



くだもの
はたらき



果物と糖尿病予防


果物&健康Newsへ戻る
果物&健康Newsへ戻る


くだもの・科学・健康ジャーナルへ
くだもの・科学・健康ジャーナル
ホームページへ戻る