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□□■ 果物&健康NEWS Vol.56 ■□□
■ 2005年5月20日(金) ■
みなさん、こんにちは!
今週の特集は健康機能性成分ケルセチンです。
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毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは http://www.kudamono200.or.jp
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◇ 健康機能性成分ケルセチン
◇ 地産地消活動の実態調査
◇ 今週のレシピ:リンゴ入り生ハム巻き
◇ 食育コーナー
◇ 健康ニュース:ホモシステインがアルツハイマー病に関与
◇ 読者から
◇ 編集部より
□ 健康機能性成分ケルセチン
リンゴやベリー類などに含まれているケルセチンは、ポリフェノールに属するフラボノイドの一種で、強い抗酸化作用があるため動脈硬化を防いでくれます。動脈硬化になると、組織への血流が減少し、機能不全を起こします。動脈硬化の原因は、活性酸素によってLDL-コレステロール(悪玉コレステロール)などが酸化されるためと考えられています。ケルセチンは、この活性酸素を消去し、血管壁の障害を抑制する働きがあります。フィンランドで約1万人の男女を15年間調べた疫学調査によると、ケルセチンの摂取量が多いと脳血管疾患のリスクが下がると報告されています。また、オランダ・ズッフェン地域で行われた疫学調査では、フラボノイド(主にケルセチン)の摂取量が多い人は、心疾患による死亡率が統計的に有意に低いことが認められています。
ケルセチンは発ガン抑制物質としても知られています。ケルセチンは乳ガン細胞(p53)、直腸ガン細胞(Caco-2)などの細胞増殖抑制効果が高く、マウスなどの動物実験でもガン抑制効果が確認されています。フィンランドで行われた疫学調査では、ケルセチンを多く摂取していると肺ガンのリスクが低いことが明らかとなりました。
糖尿病(2型)に対してもケルセチン摂取の効果が認められています。フィンランドの疫学調査では、リンゴに含まれているケルセチンと糖尿病(2型)発症との間には逆相関があり、発症のリスクを下げました。また、ケルセチンは、アレルギーが発生する閾値(限界値)を上げる効果があるため、花粉症を緩和すると考えられています。
摂取したケルセチンが体内に何時間とどまれるかの実験では、2.5時間後に血液中のケルセチン含量が最大になり、半減期は約25時間後でした。ケルセチンを多く含むリンゴなど果物を毎日摂取することが大切であることを、この実験も示しています。
□ 地産地消活動の実態調査
農林水産省統計情報部において、「平成16年度農産物地産地消等実態調査結果の概要」が公表されました(05/05/10)。この調査はアンケート形式で行われ、地産地消の取組の中で代表的な取組である産地直売所、農産加工場及び学校給食における地場農産物の取扱い状況の実態をまとめたものです。
産地直売所における年間販売総額(1産地直売所当たり平均)は7,462万円で、このうち、地場農産物の販売額は4,759万円となり、年間販売総額の63.8%を占めていました。産地直売所の年間購入者数は「1万人〜5万人未満」が30.8%で最も多く、次いで「1万人未満」が28.4%となっています。一方、20万人以上も9.6%を占めていた。また、売り上げ1億円以上の直売所は2割強ありました。今後の課題として「地場農産物の品目数、数量の確保」、「購入者の伸び悩み」、「新たな販路の開拓」等が上げられています。
また、地場産農産物を給食に「恒常的に使う」小・中学校は76.6%あり、「地場産を増やしたい」とする小・中学校も多いことが分かりました。ただ、「量がそろわない」、「地場農産物の種類が少ない」などの指摘もありました。
詳しいデータは農林水産省の下記サイトで読めます。
http://www.maff.go.jp/toukei/sokuhou/
data/tisanti-jittai2004/tisanti-jittai2004.pdf
□ 今週のレシピ:リンゴ入り生ハム巻き
2004年度の「朝ごはん新メニューコンテスト」家で食べる朝ごはん部門審査員特別賞を受賞した神奈川県の藤井敦子さんの作品です。
リンゴやバジル、らっきょうなどの爽やかな香りと生ハム、ごはんとの組み合せが、まるでイタリア風前菜ともいえるそうです。らっきょうという意外な素材の組み合せですが、シャキシャキとした歯ごたえと酸味が全体の味のアクセントになっているとのこと。
■材料(4食分)
リンゴ<ふじ等> 1/2個、ごはん 茶碗3杯分、ルッコラ 適量、バジル 適量、らっきょう
10粒、レモン汁 少量、塩 少量、生ハム 20枚、オリーブオイル 適量
作り方とできあがりの写真は下記のサイトで。
http://www.asagohan.org/contest/2004_ouchi04.html
□ 食育コーナー
北海道帯広市の村田ナホさんは、「地域に根ざした食育コンクール2003」で優秀賞(農林水産省消費・安全局長賞<食生活改善分野>)を受賞されました。テーマは、「ぼくとわたしの楽しいクッキング」です。「料理教室」の一コマは約2時間。「料理実習」が村田さんで、「料理の社会科」はご主人の担当とのこと。「料理の社会科」では、できるだけ当日の食材・調理方法にあわせて、世界の歴史・地理、風俗習慣、物語などを取り上げているそうです。10月は、リンゴのジャムづくりを教えているそうです。
食育を実践してきた村田さんの受賞講演要旨は下記のサイトで読めます。
http://www.ruralnet.or.jp/shokuiku/hyosho2.html
□ 健康ニュース:ホモシステインがアルツハイマー病に関与
β-アミロイドが脳に蓄積するとアルツハイマー病が発症すると考えられています。そして、β-アミロイドの蓄積に、アミノ酸の一種であるホモシステインが関与するとされていますがそのメカニズムはよく分かっていませんでした。長谷川(佐賀女子短大)らは、遺伝子を組み換えたヒトの脳細胞を用いてβ-アミロイドの蓄積機構を検討した結果、ホモシステインが酸化され、ホモシステイン酸が増えると脳細胞中にβ-アミロイドが、含まれていない場合と比較して約1.4倍に増加することを見いだしました(文献下記)。このことから、アルツハイマー病は、ホモシステインがホモシステイン酸に酸化されることによって起きると考えられます。
ホモシステインは体内でメチオニンから生成されます。そして、血中のホモシステイン濃度が高まるとメチオニンへ戻ります。このメチオニンに戻る過程に葉酸が関与します。
果物には葉酸が多く含まれているため、アルツハイマー病の予防に効果的だとする報告がありますが、今回の研究もその説を支持していると思います。
【文献】 Hasegawa, T., et al., Homocysteic acid induces intraneuronal accumulation
of neurotoxic A42: Implications for the pathogenesis of Alzheimer's disease.
J. Neurosci. Res., online doi: 10.1002/jnr.20514 (2005)
□ 読者から:リンゴのちょっと変わった食べ方
いつも、果物のニュースや調理の記事を楽しみに拝見しています。群馬県前橋市在住の女性です。今日は、ちょっとかわったリンゴの食べ方のお話です。15年以上も前のことです。当時は、ヨーロッパへ行くのに、南周りと北周りの飛行機がありました。南回りは時間がかかりましたが、その分、飛行機代が安く、たくさんの国々の飛行場を経由したものでした。日本から飛び立つと直ぐに香港に到着します。台湾・インド・バーレーンなどを経由して一路目的地を目指します。ここで面白いことに、違う国に到着し、そこを飛び立つと直ぐに機内食が出されます。そのたびに2〜3種のメニューの中からフルコースもどきの食事です。イギリスに到着するまでに、7回の食事がだされました。24時間以上のフライトでも、7食はすごい。
さてイギリスに着いたころには、ブロイラー状態も最高潮で、歓迎会場では、何の食欲もわきません。「私は、おなかがいっぱいです。I'm
full. Sorry.」と少々青白い顔で、すまなそうに(多分)胃の辺りを押さえたもので、余計に心配をお掛けしたようです。それではと、”切ったリンゴにチーズを挟んで”「これは健康に良いのよ・・・」と持ってきてくださいました。これが美味しかった。リンゴに塩分の少ないクリーム系のチーズを乗せて召し上がってください。少々食べ過ぎでも、具合が悪くても、元気になれますよ。
☆ 編集部より ☆
弘前市りんご公園では、今がりんごの花の見頃だそうです(http://www.hi-it.net/~ringo-kouen/)。つくばの果樹研究所では、なしの摘果やももの袋掛けが行われています。台風が少なくて、お天気に恵まれ、美味しい果物ができることを祈念しています。(tnk)
果物にはビタミン、ミネラル等の栄養素が含まれていますが、その多くは摂りだめできない性質を持っているため、毎日食べることが必要です。果物で、元気ハツラツ
see you next week!(N)
果物&健康NEWS ご愛読に感謝申し上げます。
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ご協力に感謝いたします。 編集長 敬白
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