くだもの・科学・健康ジャーナルHP > 果物&健康NEWSトップ >
ほぼ週刊メールマガジン「果物&健康NEWS」

第76回 キウイフルーツの健康機能性

  



サイト案内





メルマガ果物&健康NEWS登録


□□■ 果物&健康NEWS Vol.76 ■□□
   ■  2005年10月26日(水)  ■


みなさん、こんにちは!
特集は「キウイフルーツの健康機能性」です。
--------------------------------------------------
毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは http://www.kudamono200.or.jp



:::■ メニュー ■::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

 ◇ キウイフルーツの健康機能性
 ◇ 今週のレシピ:キウイフルーツ
 ◇ 文献紹介:コレステロールを下げるには
 ◇ 勝ちゃんの家庭で楽しむ果物作り、こんな時どうする(第16回)
 ◇ 健康ニュース:柿酢で血圧が下がる
 ◇ 講演会等のご案内
 ◇ 編集部より



□ キウイフルーツの健康機能性

 果肉がエメラルドグリーンのキウイフルーツは、見た目が美しいばかりでなく栄養素の宝庫といえる果物です。水溶性ビタミンであるビタミンCは、200g中に138mgと豊富です。食事摂取基準2005年版の1日の推奨量は100mgなので、1〜2個食べるだけで十分な量を摂取できます。さらに、脂溶性ビタミンであるビタミンEを2.6mg/200g含み、200g摂取すると1日の目安量(30-49歳の男序とも8mg)の32.5%も満たすことができます。

 ビタミンCとEは抗酸化ビタミンとしてよく知られていますが、両者の働き方や働く場所が異なるので、両者を同時に摂取できるキウイフルーツでは抗酸化の相乗作用が期待できます。

 また、アルツハイマー認知症や心臓病の予防に関与する葉酸も72μg/200g含まれており、この量は成人1日の推奨量240μgの30%に相当します。

 キウイフルーツには、ナトリウムが少なく、カリウムが580mg/200g含まれているためカリウムの供給源としても優れた食品です。カリウムを多く摂取すると血圧が下がり、心臓発作の危険性が低下します。カリウムの摂取目標量は、1日当たり30-49歳の男性で2900mg、女性で2800mgですが、実際には男性で2258mg、女性で2103mgしか摂取していません。また、食事摂取基準で推奨している生活習慣病予防のために必要なカリウム含量は1日当たり3500mgとしているので、キウイフルーツを食事に加えることは高血圧など生活習慣病予防に有効です。さらに、カリウムは、尿からのカルシウムの排出を抑制する効果もあります。

 キウイフルーツ200gにはカルシウムが66mgと豊富に含まれており、この量は食事摂取基準の目標量600mgの10%に相当します。閉経前の女性の骨の密度を調査した結果、カルシウムの摂取量が多い人の骨密度は高いと報告されていることから、キウイフルーツは骨粗鬆症などのリスクを減らす効果も期待できます。

 食物繊維も多く(5.0g/200g)含まれています。水溶性食物繊維(1.4mg/200g)は、血糖値やコレステロールを下げる働きがあります。不溶性食物繊維(3.6mg/200g)は、吸水力が強いので便のかさが増えるため排便回数が増加して便秘が解消されます。

 さらに、有機酸として、クエン酸、キナ酸、リンゴ酸が含まれ、レモンやライムなどに次いで有機酸が多く、疲労回復に役立ちます。中国では、サッカーや陸上競技など暑い環境下での運動にキウイフルーツベースのスポーツドリンクが有効であると報告されています。

 キウイフルーツはほぼ1年中食べられますが、日本で生産されるキウイフルーツは今が旬です。爽やかで美味しいキウイフルーツをお楽しみください。



□ 今週のレシピ:キウイフルーツ

 掛川キウイフルーツ料理コンテスト実行委員会主催の『キウイフルーツ料理コンテスト』に、出品された数々の料理の中からから、各部門の最優秀賞に選ばれた、3つの料理のレシピを紹介します。

○ キウイと若鶏モモ肉のオリエンタル風煮込(料理の部)
材料名・分量(4人分)
 レットカレーペースト 50g、ココナッツミルク 1カップ、鶏モモ肉2枚、
 キウイフルーツ 4個、ジャガイモ 1個、玉ねぎ 0.5個、人参 0.5個、
 ナンプラー 少々、香菜 少々、エリンギ 2本

作り方と出来上がりの写真は下記のサイトで見ることができます。
http://www.kiwicountry.jp/cooking/menu1.html

○ キウイフルーツサングリア(カクテルの部)
材料名・分量(4人分)
 キウイフルーツ4個、かけがわキウイワイン(甘口)720ml

作り方と出来上がりの写真は下記のサイトで見ることができます。
http://www.kiwicountry.jp/cooking/menu2.html

○ 緑の雫(菓子・デザートの部)
材料名・分量(約12個)
 露草(水まんじゅう粉)50g、グラニュー糖 175g、水 400cc、
 キウイフルーツ 3個、白あん 150g、抹茶 小さじ2杯

作り方と出来上がりの写真は下記のサイトで見ることができます。
http://www.kiwicountry.jp/cooking/menu3.html




□ 文献紹介:コレステロールを下げるには

 コレステロール値が高いと、心臓血管系の疾病のリスクが高まりますが、果物など植物性の食物を多く含んだ食事にするとコレステロール値が下がることがアメリカ・スタンフォード大学の研究から分かりました。臨床試験期間は4週間で、脂肪を総エネルギーの30%以下、飽和脂肪酸を10%以下にして、果物、野菜、豆類などを多く摂取した人(59人)は、少ししか食べなかった人(61人)よりLDL-コレステロールの値が大きく改善されました。従って、心臓病等の予防には脂肪分の摂取量を下げるだけでなく、果物など植物性の食品を多く摂取することが有効であるとアメリカ内科学雑誌に報告されました。

 この結果はアメリカ心臓病協会(American Heart Association)の食事摂取基準を裏付けるデータです。アメリカ心臓病協会の食事摂取基準は、果物&健康NEWS第17、18、19回高血圧予防:DASH摂取プランをご覧ください。

【文献】
Gardner, C.D., et al., (2005) The Effect of a Plant-Based Diet on Plasma Lipids in Hypercholesterolemic Adults. Ann. Int. Med. 142:725-733.




□ 勝ちゃんの家庭で楽しむ果物作り、こんな時どうする
  第16回 カキの施肥について(その1)


 果樹は、一般的に12月〜1月の基肥を中心に施肥をします。そして、樹の成育等を見ながら、必要に応じて3〜4月頃に芽出し肥、6月頃に玉肥、10月頃にお礼肥などの追肥を行います。ただ、追肥の時期を誤ると着色や成熟の遅れ、糖度が上がらない等、果実の品質に悪影響が出たり、秋遅くまで新梢が伸びて枝の貯蔵養分が不足したりします。

 最近行われたカキの施肥試験の結果によれば、10月以降に吸収された窒素成分の多くは、根の中・細根部分に蓄積され、果実品質への悪影響が少なく、果実生産によって消耗した樹体を早期に回復し、貯蔵養分が増加するとしています。このことから秋季の追肥をこれまでより多く施肥するのがよいと結論づけています。基肥も樹体への早期吸収を目的に11月から実施する例も見られます。

 庭先果樹の施肥も果樹園で行われている施肥方法を参考にして行えばよい分けですが、農家の果樹園と庭先果樹では条件が大きく異なることと、樹の状態を見ながら施肥量を決めるのは難しいと思われます。

 そこで、庭先果樹の施肥は、堆肥等の有機質肥料を中心に化成肥料を補助的にして、秋(10月中旬頃)に年間の施肥量全部を施すのがよいでしょう。
 施肥量は、剪定の程度や土壌の種類とも関係が深く単純ではないのですが今まで行われた色々な試験の結果から、果樹の種類ごとの施肥基準が決められています。カキでも年間の施肥量の基準が決められているので家庭果樹でもそれらを参考に決めれば良いと思います。カキに対する施肥量、施肥方法等は次号で紹介します。

【用語解説】
芽出し肥(めだしごえ):木に対して新芽のでる時期に肥料を施すこと。春肥。

玉肥(たまごえ):幼果の肥大、樹勢維持、翌年の花芽(雄花などの分化)
のために撒く肥料のこと。夏肥

お礼肥(おれいごえ):実を収穫した直後に弱った樹を回復させ、翌年の新しょう伸長、雌花の増加のために施す肥料のこと。速効性の肥料を使う。秋肥。




□ 健康ニュース:柿酢で血圧が下がる

 渋柿を発酵させてつくる柿酢に、血圧を下げる効果があると和歌山県農林水産部果樹園芸課が発表しました。調査研究は、和歌山県立医科大学と協力して、伊都・那賀地方に在住の農家、会社員、主婦、農協職員等の30〜70歳の94人(女性57人、男性37人)に8週間、1日1回20mlの柿酢を飲用してもらいました。計4回調査した結果、柿酢の飲用が血圧の高めの人の血圧を下げることが明らかとなりました。

 柿酢には、カリウムが米酢の3〜10倍含まれていることから高血圧予防に有効と考えられています。

和歌山県の発表内容は下記のサイトで読めます。
http://www.pref.wakayama.lg.jp/news/shiryo.php?sid=3951




□ 講演会等のご案内

 「くだもの・やさいフォーラム イン東海」の開催のお知らせ
 日時:平成17年10月30日(日) 13:00〜15:40
 場所:アスナルホール(名古屋市)
 詳細は→http://www.tokai.maff.go.jp/puresu/
2005092901/press2005092901.htm


 べじふる&毎日くだもの200グラムin東北の開催のお知らせ
 日時:平成17年10月30日(日) 9:00〜
 場所:仙台サンプラザ(仙台市)

 リンゴ祭り
 11月6日(日)に横浜みなとみらい21 全国ふるさとフェア2005の
イベントとして「りんご祭り」が開催されます。当日は、りんごの試食・対面販売や果物に関するスタンプラリー等が行われる予定ですので、是非ご参加下さい。
 日時:平成17年11月6日(日)
 場所:横浜市(赤レンガ倉庫イベント会場) 




☆ 編集部より ☆

 みかんは今が旬なので、私は毎日3個は食べています。(まとめ買いが断然お得です!)(sk)




 果物&健康NEWS ご愛読に感謝申し上げます。
 無断転載は、引用を含めて、お断りします。
 ご協力に感謝いたします。  編集長 敬白

Copyright 2004-2005 Keiichi Tanaka. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.



くだもの
はたらき



果物と糖尿病予防


果物&健康Newsへ戻る
果物&健康Newsへ戻る


くだもの・科学・健康ジャーナルへ
くだもの・科学・健康ジャーナル
ホームページへ戻る