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□□■ 果物&健康NEWS Vol.81 ■□□
■ 2005年11月25日(金) ■
みなさん、こんにちは!
特集は「ウンシュウミカンの健康機能」です。
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毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは http://www.kudamono200.or.jp
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◇ ウンシュウミカンの健康機能
◇ おもしろ記録:2万個以上実をつけるミカン
◇ 勝ちゃんの家庭で楽しむ果物作り、こんな時どうする(第21回)
◇ 文献紹介:不適切な食事で毎年60億ポンドの損失:イギリス
◇ 編集部より
□ ウンシュウミカンの健康機能
ウンシュウミカンは、手軽で美味しくて生活習慣病の予防にも効果的です。近年、ウンシュウミカンに多く含まれているβ-クリプトキサンチンのガン予防効果に注目が集まっています。大腸ガンに対する発ガン抑制効果が報告されたほか、皮膚ガン、肺ガンに対しても発ガン抑制効果が認められました。人を対象とした疫学研究から、血液中のβ-クリプトキサンチンの濃度が高い女性は乳ガンに罹るリスクが少ないことが分かりました。また、β-クリプトキサンチンを多く摂取している人は、酸化ストレスによって生成するDNAの損傷が少ないことも報告されています。ウンシュウミカンの品種「興津早生」、「杉山温州」にはβ-クリプトキサンチンが1.8〜2.4μg/200gも含まれています。
さらに、ウンシュウミカンに含まれているリモネンと呼ばれるテルペノイドには、発ガン抑制効果がヒト介入研究及び動物試験で確認されています。また、リモノイド類にも、動物試験で発ガン抑制作用が報告されています。
ウンシュウミカンの摂取量と肥満や糖尿病との関係について、農研機構果樹研究所(興津)で、静岡県の静岡市清水や三ヶ日町などに住む6049人を対象に、大規模な疫学調査が行われました。その結果、中高年の男性(50〜79歳)で、糖尿病にかかっている人の割合は、ウンシュウミカンを週に2〜3個しか食べない人で13.7%、毎日1〜3個食べる人で10.5%、毎日4個以上食べる人で6.6%と、ウンシュウミカンを食べる量が多いほど、糖尿病の罹患率が統計的に有意に減少していました。この傾向は男性よりも女性で顕著でした。ウンシュウミカン1個は約100g(45kcal)ですから、糖尿病罹病率の低いグループでは、1日400g(180kcal)以上とかなりの量を摂取していることになるので、「果物を食べると糖尿病になる」ことはないも同時に証明されました。アメリカで行われた疫学調査でも、果物の摂取が多いと糖尿病の発症が少ないと報告されています。
また、肥満とウンシュウミカンの摂取量との間には有意な差は認められませんでした。さらに、男性ではたくさん食べるグループで、高血圧、心臓病、痛風の羅病率が有意に低いことも分かりました。今回の調査結果から、ウンシュウミカンを多く食べる人では、糖尿病、心臓病、高血圧、痛風などの生活習慣病の羅病率が低いことが明らかになりました。このことは、糖尿病モデルラットにウンシュウミカンエキスを長期間摂取させた実験でも、耐糖能と血管障害が顕著に改善されることからも糖尿病や合併症の発症予防に効果的であることを裏付けています。
□ おもしろ記録:2万個以上実をつけるミカン
鹿児島県桜島にはたくさん実をつける小みかんの木があります。2002年から古木の保護を目的に桜島小みかんの木収穫祭行われています。毎年、市内外の小学生が参加してミカンの収穫を楽しんでいるとのことです。2003年は、樹齢150年と200年の木から子供達が1個1個、丁寧に収穫したところ24,600個のミカンが収穫されたそうです。
http://www.ks-ja.or.jp/jagk/t_%20komikan.html
□ 勝ちゃんの家庭で楽しむ果物作り、こんな時どうする
第21回 「花芽の付き方、実のなり方いろいろ」その2.混合花芽
前回に引き続いて花芽の付き方です。今回は、混合花芽について説明します。混合花芽とは、外見上は1個に見える芽の中に花を咲かせる芽と葉をつけ枝として伸びる葉芽が一緒になっている芽のことです。この仲間には、カンキツ類、リンゴ、ナシ、カキ、ブドウ、クリ、キウイフルーツなどがあります。
冬場の剪定時、リンゴ、ナシなどの混合花芽は大きいので、外観からみても花にならず葉や枝になる葉芽と区別がつきます。一方、カンキツ類やブドウ、キウイフルーツなどでは両者はほとんど区別がつきません。ただ、ブドウやキウイフルーツでは実がなりだす年齢(結実年齢)に達していて、枝が充実していることを前提にすれば、ほとんどの芽は混合花芽です。
カキやクリでは先端から数芽の比較的大きい芽は混合花芽ですが、葉芽と外見上は見分けにくい場合もあります。このためカキやクリでは1年生の枝を半分近くまで切りつめると花芽の部分がなくなってい実がなりません。
混合花芽の花の咲き方は種類によって異なります。リンゴやナシでは芽の基部からわずかに花台を伸ばし数個から10個程度の花をつけますが、カンキツ類、カキ、クリ、ブドウ、キウイフルーツなどでは、春先に混合花芽から新しく伸びた枝に花をつけます。
カンキツ類やナシ、リンゴなどは、伸びた枝の先端が混合花芽となる場合が多く、養分を多く蓄えた枝では側芽も混合花芽(腋花芽という)となります。従って、枝にある混合花芽を確認して枝を切るようにしてください。前回紹介した純正花芽をつけるモモなどは1年生の枝の基のほうまで花芽をつけるので、途中まで切りつめても花は咲きます。
以上のように、それぞれの果樹の花芽についての結果習性を知り、枝の切り方(剪定)を考える必要があります。花芽を切り捨てないようにして果実をならせましょう。
□ 文献紹介:不適切な食事で毎年60億ポンドの損失:イギリス
不適切な食事のためにイギリスは医療費を毎年60億ポンド余分に支出していると、食生活に起因している病気と費用との関係を調査した研究から明らかになりました。
食習慣と心血管疾患、ガン、糖尿病との関係について調査したところ、これらの疾病の37%は不適切な食事に起因していることが分かりました。一方、2002年の心血管疾患、ガン、糖尿病のためのイギリスにおける医療費は180億ポンドでした。不適切な食習慣に起因する病気のために支払っている医療費をおよそ3分の1とすると年に60億ポンド余分に支出していると見込まれました。このコストは、交通事故のコストの二倍、喫煙のコストの3倍以上にあたります。
食習慣に関連する病気のコストは喫煙のコストより高いことから、食習慣に対する対策を政府の健康施策の目標とする必要があると研究者らは述べています。
【文献】
Rayner, M., et al.: The burden of food related ill health in the UK. J.
Epid. Com. Health, 59: 1054-1057. [doi:10.1136/jech.2005.036491] (2005)
☆ 編集部より ☆
ウンシュウミカンの価格が低迷しています。ぜひ今年の美味しいミカンを食べてください。
(tnk)
先日、ウンシュウミカンを1ケース(10キロ)購入したので、今は毎日ミカン中心の食生活です。(sk)
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