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□□■ 果物&健康NEWS Vol.番外 ■□□
■ 2006年 月 日( ) ■
メルマガ「果物&健康NEWS」制作の楽屋裏
はじめに
メールマガジン「果物&健康NEWS」が100号を越えました。最近、その制作過程を聞かれることが多くなりました。そこで、データの収集方法や特集記事の作り方など制作の楽屋裏を公開します。
メルマガ「果物&健康NEWS」は、多くの方に果物の良さを知ってもらいたいとの願いと、一線の研究者にも信頼されるデータの提示との2つの目的で創刊し、農林水産省果樹花き課から発行しています。
研究者に対しては、特集記事などで科学研究雑誌NatureやScienceなどから収集して最新情報を提供しています。こうした科学医学ニュースを出版とほぼ同時に掲載することがあり不思議がられますが、それはオンラインで1週間から数週間早く原著を読むことが出来るためです。
また、くだもの健康文化を紹介するために、果物の歌や花便り、レシピなどを掲載しています。どうやってサイトを見つけるかというと次のようにしています。
果物の歌の探し方は、最初によく知られた果物の歌を思いだし、日本の歌であれば、題名と作詞、作曲を検索キーワードとしてgoogleやYahooなどで検索します。するとかなり沢山の音楽サイトが見つかります。そうしたら、そのサイト内に限定して、りんごとか、みかんとかで検索すると果物別に多くの曲が見つかります。
次にすることは、音楽サイトであれば著作権に違反していないか、掲載されている広告に問題はないか、他のページもメルマガで紹介するのにふさわしいかどうかをチェックします。この作業に結構時間がかかり、採用できるケースの方が少ないのが現状です。
特集記事の作り方
特集記事は、メルマガとしては少し長めの文章(800-1200字)となっていますが、正確な情報提供を考えると必要な量だと考えています。テーマはだいたい2〜4週間先まで考えていますが、最終的に決めるのはその週のメルマガを発送してからです。
素材を探すために日常的に見ているのは、オンラインで参照できる新聞(朝日新聞、毎日新聞、共同通信、BBC、CNN、etc)の科学・健康欄やNatureなどの科学研究雑誌です。この段階に、それほど時間をかけているわけではありません。
新聞記事などの場合は、記事が見つかってもそのまま取り上げることはなく、必ず原著と呼ばれる基の資料にあたります。その時利用するのが、PabMedとよばれる科学文献検索サイト(PubMedの利用の仕方は本サイトにあります)と科学研究雑誌のホームページです。ここには、アブストラクト(要約)が掲載されていますので科学的内容を確認します。
次に、特集記事を作るためには、全文が掲載されている資料を取り寄せ、もう一度内容を確認します。最後に、その科学文献の背景を調べるのですが、その資料探しと内容の理解に結構時間がかります。まず自分自身が納得できないと読んでいる人はもっと納得できないと思うからです。
集めるた資料は文章化してストックしますが、その量はおおよそ5000-10,000字くらいになります。最後に、文章を削っていくわけですが、その段階でまた疑問に思うことが出てきます。そのつめに時間がかかると配信担当者に迷惑をかけることになります。
ニュースの源を調べる
記事の作り方を「学校に設置できる飲料のガイドラインに合意」で説明します。最初に朝日新聞のサイトでこのニュースを知りました。この記事にはニュース源が記されていないので独自取材と思われますが、CNNのサイトを見るとほぼ同じ内容の記事が記載されていました。両方とも掲載されている写真が同じなので記者発表されたのだと考え、クリントン財団(Clinton Foundation)について検索したところ、プレスリリースが見つかりました。
そのサイトで新たに分かったことは、クリントン財団とアメリカ心臓病学会がアメリカ飲料協会と公立学校に設置する飲料についての科学的根拠に基づくガイドラインに合意したということでした。この合意では「科学的根拠に基づくガイドライン」というところが、重要な点で、朝日新聞やCNNにはなかったところです。もう一つ、今回の合意文書がサイトに掲載されていることも分かりました。この点も朝日新聞やCNNに記載されていません。
掲載しなかった記事
かなり調べたけれども掲載しなかった記事は4月14日の「オレンジデー」です。オレンジデーとは、2月14日のバレンタインデー、3月14日のホワイトデーに続き、2人の愛を確かなものにする日として、オレンジまたはオレンジ色のプレゼントを持って相手を訪問する日とされています。
その根拠を調べましたが、外国には、この日をオレンジデーと記載しているサイトはありませんでした。そして調べて分かったのは、ある農家がN協会に登録した日であるということした。そこで、N協会を調べたところ、この協会に1件、5万円の登録料を払えば記念日として登録出来ることが分かりました。しかし、N協会は、登録基準や収支報告書などの記載がなく、どんな活動をしているかについてもよく分かりませんでした。
オレンジデーの根拠が曖昧なこと、まだ一般的に定着したとは言えないこと、N協会への疑問が解けなかったことから掲載を見送りました。
健康サイトについて
健康に関するサイトは多数ありますが、メルマガを作るためにそうしたサイトをサーチすることはめったにありません。初期の頃は、調べたこともありましたが、内容を見ると新しい情報は新聞記事からのコピーなどに限られていることが分かりました。
また、予防と治療の違いや食品と医薬品の違いがよく分かっていないのではないかと思われるサイトもあります。その典型的な例は、ある特定の食品が薬と同様な作用を示すと暗示するような記事です。
わずかですが良いサイトもあります。しかし、そのサイトに行き着くための時間を考えると努力の割に実りが少ないように思えます。
医師による治療サイトは有益な情報が多く含まれていますが、「果物&健康NEWS」では治療に関する記事を基本的に扱っていません。
果物&健康NEWS ご愛読に感謝申し上げます。
無断転載はお断りします。 リンクは自由です。
詳しくは、著作権、リンクについて に記載しています。
ご協力に感謝いたします。 編集長 敬白
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