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■□ 果物&健康N8WS Vol.207
□■ 2008年7月28日(月)
みなさん、こんにちは。お元気ですか。
特集は「にわかには信じられない(その3)−果物と野菜の値段など」です。 ◇
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公式ホームページは http://www.kudamono200.or.jp
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◇ くだもの健康豆知識:スモモ
◇ 今週のレシピ:スモモ
◇ にわかには信じられない(その3)−果物と野菜の値段など
◇ 品種紹介:スモモ「紅明」
◇ 文献紹介:食生活を少し変更するだけでもガン予防に効果
◇ 読者から:リボフル閑談の表記法の改善
◇ 読者から:ビワの伝承について
◇ 万葉集から:スモモ
◇ 夏休み特集:ジュニア農林水産白書 2008など
◇ 文学の中の果物::青猫(萩原朔太郎)
◇ 今週の果物
◇ 今日のフォト
◇ 編集部より
□ くだもの健康豆知識:スモモ
スモモはバラ科サクラ属に属する核果類です。近縁種を含めると多数の種が知られていますが、経済的に重要な果樹はヨーロッパスモモ(Prunus domestica)とニホンスモモ(P. salicina)です。
我が国では単にスモモと呼ぶ場合はニホンスモモを指します。一方、ヨーロッパスモモはプルーンと呼ばれ長野県の一部で生産されています。
ニホンスモモの原生地は中国ですが、我が国でも古くから栽培されていました。こうした在来品種が明治時代にアメリカに渡り、近縁種と交雑され多くの品種が生まれ、世界に広がりました。現在、日本の主要品種はアメリカから再導入された品種をもとにしています。
□ 今週のレシピ:スモモ
○ すももと林檎のクランブル
材料
スモモ(種を除いて4等分) 小さめ4〜5個、リンゴ(5ミリにスライス) 1〜2個(400g位)、シナモンなど
作り方と出来上がりの写真は下記のサイトです。
http://cookpad.com/recipe/416198
○ スモモのアーモンドクリームケーキ
材料 (20?22cmタルト型)
スモモ 12?13こ、バタークッキーなど
作り方と出来上がりの写真は下記のサイトです。
http://cookpad.com/recipe/403197
□ にわかには信じられない(その3)−果物と野菜の値段など
果樹関係者も「果物の値段は高くない」は、にわかには信じられないが第一印象のようです。「果物は高い」とのイメージが定着しています。でも、本当に果物は高いのでしょうか。また、「食事指導で果物を勧められたことはない」について考えてみたいと思います。
○ 果物の値段は高いか
果物には沢山の種類があり、値段も異なっています。一方、果物と野菜の摂取基準は果物200g、野菜350gです。そこで、重量単位で果物と野菜の値段を、総務省が調査している家計調査で比較してみました(文献1)。
家計調査では、購入量と支出額を調査しているので100g当たりの購入価格が計算できます。野菜では100g当たり、ネギは56.0円、トマトは54.0円、キュウリは39.2円、レタスは36.0円、ニンジンは28.7円、キャベツは14.9円でした。果物では100グラム当たり、ナシは44.4円、リンゴは38.0円、ミカンは34.5円、スイカは30.4円、バナナは21.0円でした。ここで示したのは食材の重量当たりの値段です。
ネギは100グラムも食べません。そこで次に、ネギを含む生鮮野菜全体と生鮮果物全体の購入額と重量から野菜と果物の値段を調べました。重量(100g)当たりの生鮮野菜は平成18年が36.9円、平成17年が35.9円、平成16年が37.9円でした。生鮮果実では平成18年が40.4円、平成17年が38.7円、平成16年が39.9円でした。このように野菜と果物の値段には大きな差はなく、果物が野菜と比べて特に高いことはないと考えられます。
【参考】
果物&健康NEWS Vol.187
http://www.kudamononet.com/
Kudamono&Kenko/back_number/K&K_No187.html
○ 果物の摂取を勧められたことはない
「食事指導で果物の摂取を勧められたことはない」、また、「果物の摂取は、過ぎたるは及ばざるがごとし」ともいわれます。
果物の摂取については、以前の食事指導では勧められていませんでしたが、平成12年の食生活指針で初めて記載され、平成17年の食事バランスガイドで具体的な目標量が定められました。また、毎日くだもの200グラム運動などの科学的根拠となっている論文では、果物の摂取量は200g以上とされています。
例えば、アメリカ・DASH摂取プランでは果物を320kcal〜400kcalの摂取を勧めています(リンゴなら毎日3〜4個、ミカンなら7〜8個)。こうした科学的根拠をもとに、アメリカの食生活指針であるマイピラミッドでは、果物を1日あたり1〜2.5カップ(1カップは2サービング)の摂取を勧めています(リンゴなら毎日1〜3個くらい)。
【文献】
1) 総務省:家計調査年報(平成18年)
http://www.stat.go.jp/data/kakei/2006np/index.htm
□ 品種紹介:スモモ「紅明」
「紅明(こうめい)」は、「大石早生(おおいしわせ)」と「ソルダム」を交雑して出来た早生品種です。果実の大きさは80〜90g程度、核は粘核、果皮及び果肉が紅色、糖度は12度程度です。硬度は中程度で、果汁は多く、酸味の少ないのが特徴です。
「紅明」の果実の写真は下記のサイトで見られます。
http://www.fruit.affrc.go.jp/kajunoheya/
ikuseihinsyu/data/hinsyu/pr-koumei.html
□ 文献紹介:食生活を少し変更するだけでもガン予防に効果
果物と野菜を多く摂取する地中海式食事パターンはガン予防に有効とされているが、その習慣のいくつかを食生活に応用するだけでもガンのリスクを下げられることがギリシャでおこなわれた研究から分かりました。
研究では、26,000人のギリシャ人に対する調査で、使用する油をオリーヴオイルにかえるだけでガンのリスクが9%低下することが分かりました。さらに、牛肉など赤肉の摂取を控え豆類の摂取を多くするとガンのリスクを12%まで下げられることが分かりました。
以上の結果について研究者は、「この調査結果は、特異的な食品がガン予防に効果があることを示唆しているのではなく、食生活を地中海式食事パターンに少しでも近づけることがガン予防のためには必要であることを示す結果である」と述べています。
【文献】
Benetou, V. et al.: Conformity to traditional Mediterraneandiet and cancer incidence: the Greek EPIC cohort. British J. Cancer, 99: 191-195. (2008) [doi:10.1038/sj.bjc.6604418]
□ 読者から:リボフル閑談の表記法の改善
最近、リポフル閑談が楽しみです。
でも、ちょっと読みづらいな(^^;と思うのです。名前と会話文の違いが分かりやすくならないでしょうか? よくある台本みたいに名前を左側に独立させるとか、名前をカッコで括ったりするとか。。。
ちょっと工夫して頂けると読みやすくなると思いますので 宜しくお願いします。 ≪ありんこ≫
【編集部より】
メールありがとうございました。本メルマガの送信形式はテキストです。そのため、文の書式を整えることが難しいのですが、次のリボフル閑談では工夫して読みやすいようにしたいと思います。
□ 読者から:ビワの伝承について
前回、ビワの伝承について沢山の投稿がありましたが、「俗信を破って開かれた千葉のビワ園}(村田隆一著「くだものがたり」八坂書房)を見つけましたのでお知らせします。参考にしてください。
千葉県のビワの栽培面積は多く、栽培の歴史は古く、宝暦初年(1751)頃、汐入村の山田屋、南無谷村の太郎右ェ門たちが五反か六反のビワをつくって江戸神田須田町の三河屋の店に出荷していた。
ところが、当時は「ビワなんか植えると早死にする」と本気で信じられていた。そのため、是正というお坊さんがせっかく儲かっているのにと残念がって、「馬鹿なことをいっちやいけない。寿命というものは・・・・」と、お説教をして自分でも植えて見せたりして、ビワの俗説を打ち消したそうです。 (茨城;S)
□ 万葉集から:スモモ
わが園の李の花か庭に落りしは はだれのいまだ残りたるかも (大伴家持)
□ 夏休み特集:ジュニア農林水産白書 2008など
夏休みの自由研究などに役立つサイトを紹介します。
○ ジュニア農林水産白書 2008
日本の食料・農林水産業・農山漁村についてみんなで考えよう。
【内容】
わたしたちの食べものについて / 日本の農業について / 木や森林・林業について / お魚や水産業について / 農山漁村について
サイトは下記です。
http://www.maff.go.jp/j/wpaper/w_junior/2008/index.html
○ みのるんとみのりんの大冒険
いつも口にしている食べ物のこと、ふたごのなかよし兄妹と一緒に調べにゆこう!
サイトは下記です。音楽付きですので、音が不要な場合は消音してからクリックしてください。
http://www.maff.go.jp/j/kids/index.html
□ 文学の中の果物:青猫(萩原朔太郎)
ある風景の内殼から
どこにまあ! この情慾は口を開いたら好いのだらう。
大海龜(うみがめ)は山のやうに眠つてゐるし
古生代の海に近く
厚さ千貫目ほどもあるシャコ(※)の貝殼が眺望してゐる。
なんといふ鈍暗な日ざしだらう!
しぶきにけむれる岬岬の島かげから
ふしぎな病院船のかたちが現はれ
それが沈沒した錨の纜(ともづな)をずるずると曳いてゐるではないか。
ねえ! お孃さん
いつまで僕等は此處に坐り 此處の悲しい岩に竝んでゐるのでせう。
太陽は無限に遠く
光線のさしてくるところに ぼうぼうといふほら貝が鳴る。
お孃さん!
かうして寂しくぺんぎん鳥のやうにならんでゐると
愛も 肝臟も つららになつてしまふやうだ。
やさしいお孃さん!
もう僕には希望(のぞみ)もなく 平和な生活(らいふ)の慰めもないのだよ。
あらゆることが僕を氣ちがひじみた憂鬱にかりたてる
へんに季節は轉轉して
もう春も李(すもも)もめちやくちやな妄想の網にこんがらかつた。
どうすれば好いのだらう お孃さん!
ぼくらはおそろしい孤獨の海邊で 大きな貝肉のやうにふるへてゐる。
そのうへ情慾の言ひやうもありはしないし
こんなにも切ない心がわからないの? お孃さん!
(※原文は漢字)
☆
萩原 朔太郎(はぎわら さくたろう)
1886年(明治19年)11月1日−1942年(昭和17年)5月11日)。群馬県東群馬郡北曲輪町(現:前橋市千代田町)に、開業医の父・密蔵と母・ケイの長子として生まれる。旧制県立前橋中学校(現・前橋高)の在学中に短歌を発表していた。大正・昭和期の詩人、作家。代表作は、「月に吠える」、「青猫」、「純情小曲集」など。
□ 今週の果物
今週は名古屋市の青果物の入荷状況についてです。地元産のニホンナシ、ブドウ、温室メロンなども沢山入荷しています。
ニホンナシ(「幸水」など)は地元愛知産や佐賀産、モモは山梨、和歌山産、スモモは山梨、長野産、サクランボは北海道産、ブドウ(「デラウェア」、「巨峰」など)は山形、山梨、愛知産です。
イチゴは長野、岐阜産、メロン(温室メロン、「アンデスメロン」など)は山形、青森、愛知産など、スイカは石川、長野、山形産が入荷しています。
ミカンは、愛知、佐賀産、リンゴは青森産の「ジョナゴールド」、「王林」、「ふじ」、また、奈良産の渋がきの入荷が始まっています。
□ 今日のフォト
果物売り場にはブドウが並べられていますが、農研機構果樹研究所の圃場では成熟途上です。写真は垣根仕立てで作られているブドウです。
http://www.kudamononet.com/kkr/snapshot/KK-News51.html
(掲載は次号まで)
☆ 編集部より ☆
最近連日スモモを食べています。皮ごと食べる食感が好きです。暑い夏に冷たくした果物を食べるのは醍醐味です。(tnk)
課内の引越し作業でばたばたしてしまい、金曜日にメルマガを送れませんでした。汗だらだらかきながら作業をしてましたが、暑すぎて作業もだらだらになってしまいました・・・。風呂上りの苺シャーベット(果肉入り)はとってもおいしく頂けました。(KT)
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