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 ■ ビワ
      
ビワの健康機能性

ビワの健康機能性に関する科学的根拠(研究論文等)


 
      
□□ ビワの健康機能性 □□

 ビワの名は、形が楽器の琵琶に似ていることから付けられたと考えられています。露地で栽培されているびわは、5月から6月にかけて収穫されます。今売られているのは温室で栽培されたものです。長崎県、鹿児島県、千葉県などが産地です。美味しいビワは、ヘタがしっかりしていて左右対称にふくらんでいる果実です。日持性はあまりないので、できるだけ早く食べることをおすすめします。

 ビワには、健康に役立つ成分が豊富に含まれています。プロビタミンAであるカロテンが1620μg/200g(ビタミンAとして280μg/200g)含まれているので、一日に必要なビタミンAの所要量を男性で47%、女性で52%満たせます。動物性食品から供給されるビタミンA(レチノール)には、過剰障害が知られていますが、カロテンには過剰障害はありません。

 ビタミンAの栄養所要量の1/2をカロテンから摂取することが望ましいとされているので、ビワの摂取は有効です。ビタミンAは、発育を促進したり、肌の健康を維持したり、暗いところでも目が慣れ見えるようになる機能(視覚の暗順応)に関わっています。また、カロテンには、ガンや白内障などの原因となる活性酸素の消去作用(抗酸化作用)もあることから、生活習慣病の予防効果もあります。

 さらに、ビワにはマグネシウムが28mg/200g含まれています。妊婦は、通常より35mg多く摂取することが推奨されていることから、ビワを3〜4個でこの量を満たせます。マグネシウムは、骨などの発育・形成に、カルシウムとともに重要な役割を果たしているミネラルです。そのため、激しい労働をする人、お酒を多量に飲む人、ストレスの多い人、老年期の人、妊娠している女性は、マグネシウムを積極的に摂取する必要があることから、ビワは有効です。

 ビワに含まれている食物繊維は、カロリー単位で比較すると、意外なことにイモ類より多いのです。ビワに含まれている食物繊維量は、100kcal当たり4.0gですが、ジャガイモ、サツマイモ、じねんじょは1.7gで、ビワの半分以下です。水溶性食物繊維は、血液中の総コレステロール値を下げる働きがあり、不溶性食物繊維は、便秘解消に効果があります。さらに、食物繊維には大腸ガンの予防効果も明らかとなっています。

(参考)カロリー(100kcal)当たりに含まれる食物繊維(g)
の食品間の比較
  
         (水溶性)  (不溶性)  (総量)   
び わ       1.0      3.0     4.0
ジャガイモ     0.8      0.9     1.7
さつまいも     0.4      1.4     1.7
じねんじょ     0.5      1.2     1.7
(やまのいも)




 
      
ビワの健康機能性に関する科学的根拠(研究論文等)

Ding CK, Chachin K, Ueda Y, Imahori Y, Wang CY.
Metabolism of phenolic compounds during loquat fruit development.
J Agric Food Chem. 49(6): 2883-2888. (2001)


Godoy HT, Amaya DB.
Carotenoid composition and vitamin A value of Brazilian loquat (Eriobotrya japonica Lindl.).
Arch Latinoam Nutr. 45(4): 336-339. (1995)




      
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