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□□ ミカンで疲労回復、ビタミン補給 □□
通常、みかんと言えば「温州みかん(ウンシュウミカン)」をさし、夏ミカンやオレンジを含むことはあまりありません。それだけウンシュウミカンは私たちの生活に定着しています。ただ、「温州」とついているため、原産地は中国と誤解されています。中国南東部にある浙江省に温州があります。温州はカンキツ類の有名な産地として知られていたので、その名前にあやかって「温州みかん」とつけられたのではないかと推測されています。ウンシュウミカンは、400年ほど前に鹿児島県長島で生まれた純粋の日本原産種です。
ウンシュウミカンは手軽に食べられて美味しいだけでなく疲労回復やビタミンの補給に効果的な果物です。スポーツや肉体労働により消費されたグリコーゲンを回復させるには、果糖やブドウ糖などの炭水化物の摂取とともに、クエン酸を一緒に摂取するとグリコーゲンの回復を早められます。ウンシュウミカンには糖とクエン酸の両方が豊富に含まれています。
また、運動すると体内のビタミンCが大量に消費されるので、ビタミンCの補給が必要となります。ウンシュウミカンにはビタミンCが70mg/200gも含まれています。ビタミンCは、抗酸化作用があり、コラーゲンの形成に関与することから、お肌のしみ、そばかす、しわの予防に効果があります。ウンシュウミカン200gは、果実2個分に相当し、これだけで、一日に必要なビタミンCの所要量を70%も満たせます。
さらに、スポーツなどでエネルギーを大量に消費したときは、疲労回復を早めるために炭水化物代謝に関与するビタミンB1を普段より多く摂取することが大切となりますが、ウンシュウミカンにはビタミンB1が0.18mg/200g入っています。そのため、2個食べるだけで、一日のビタミンB1の所要量を男性で16%、女性で23%満たせます。
ビタミンCやビタミンB1は、水によく溶けます。そのため、調理すると約40%も失われてしまうので、食生活における摂取不足に注意が必要なビタミンです。ウンシュウミカンは、果物かごから気軽にとって、手軽に生のまま食べられるので、これらのビタミンの供給源として優れています。
日本人の食事で不足しがちなミネラルとして鉄とカルシウムがあげられています。ウンシュウミカンには、これらミネラルはさほど多くはありませんが、鉄やカルシウムの吸収を促進するクエン酸が豊富に含まれています。
ビタミンAは、妊婦や授乳婦に対して特に重要なビタミンです。欠乏すると胎児に発生異常が生じることが知られているので、妊婦は60μg、授乳婦は300μg余分に摂取することが大切であるとされています。ウンシュウミカンには、カロテンが2000μg/200g含まれています。これをビタミンAに換算すると340μg/200gとなります。ビタミンAの一日に必要な所要量は、男性で600μg、女性で540μgとされているので、たった2個食べるだけで、それぞれ57%、63%も満たすことができます。
このように、ウンシュウミカンはビタミンの補給源として、とても効果的な果物です。
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