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我が国の胃がんの発生率と死亡率は減少していますが、他の国と比較するとそれでも高い状況にあります。そのため、国立がんセンターどのJPHC(Japan Public Health Center-based prospective Study)の研究グループは、日本における食習慣と胃がんとの関連について調査を行いました。
岩手県二戸、秋田県横手、長野県佐久、沖縄県石川の40〜59歳の男女約4万人について野菜・果物摂取と胃がん発生率との関係を調べた結果、果物・野菜の摂取で胃がんの発生率が下がることが分かりました。 この研究の中で明らかになった果物の効果は以下の通りです。果物について「ほとんど食べない人」、「週に1日から2日食べる人」、「週に3日から4日食べる人」、「ほとんど毎日食べる人」の胃がんの発生率を比らべたところ、果物を「週1日以上食べる人」でも、「ほとんど食べない人」より胃がんの発生率が低下することが分かりました。このことから、果物の摂取量を少し増やすだけでも胃がんの発生率を下げられると考えられます。
この研究からだけでは、どのぐらいの野菜・果物を食べれば胃がん予防できるかについてはわかりませんが、これまでの他の研究結果を含めて総合的に考えると、野菜・果物を少なくとも毎日1回は食べると胃がんの予防になると考えられます。
文献:
Kobayashi M, Tsubono Y, Sasazuki S, Sasaki S, Tsugane S; JPHC Study Group.
(2002) Vegetables, fruit and risk of gastric cancer in Japan: a 10-year
follow-up of the JPHC Study Cohort I. Int J Cancer. 102: 39-44.
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