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わが国の果物摂取量は、世界的に見て、非常に少ないのが現状です。なぜ、日本人は果物を食べないのでしょうか。いろいろな理由があると思いますが、「果物は甘くカロリーが高いので太るから食べない」もその理由の1つと思われます。本当でしょうか。
例えば、ゴボウとリンゴを比較してみましょう。ゴボウのカロリーは100g当たり65kcalですが、リンゴのカロリーは54kcalです。また、わさびを一度に100g食べる人はいないと思いますが、わさびのカロリーは88kcalです。リンゴよりかなり高いことが分かります。最初に、ゴボウとわさびを取り上げたのは、甘さとカロリーは直接関係がないことを言いたかったからです。ショートケーキは甘くて美味しいのですが、カロリーが高いのは糖分ではなく脂肪分が多く含まれているためです(表1参照)。
リンゴや温州ミカンなど主な果物は、下の表1に示したとおり30〜70kcalの間に入ります。それに対して、らっかせい(295kcal)、とうがらし(96kcal)、グリンピース(93kcal)などの野菜は、果物よりカロリーが高いのです。また、パセリは44kcalで温州ミカンと、にんじん、たまねぎはアンズとほぼ同じカロリーです。このように果物は野菜と比較してもカロリーが高いわけではありません。
「ごまかさないでください。もっとカロリーの低い野菜がたくさんあるはずです」と、言われそうです。その通りです。果物よりカロリーの低い30kcal以下の野菜には、ししとうがらし(27kcal)や青ピーマン(22kcal)などがあります(表1参照)。前号メルマガのキッズQ:トマトは野菜か果物かについての裁判を思い出してください。野菜とは、そのままではあまり食べず、加工して食べるものであるとの判例がでています。例えば、ししとうがらしや青ピーマンを油炒めにすると、それぞれ60kcal、64kcalとなり、リンゴより高くなってしまいます。セロリ(15kcal)はカロリーがとても低い野菜ですが、マヨネーズやドレッシングなどと一緒に食べると、この場合も果物と同じかそれ以上のカロリーとなります。マヨネーズ大さじ1杯(15ml)のカロリーは100kcal位です。カロリーの低い野菜はそのままで食べるのはまれで、油炒めなど、美味しく料理するのが普通です。
以上のことから私たちは果物と野菜のカロリーは、ほぼ同じと考えています。従って、「果物は甘いから太る」は誤解だと思っています。 皆さんの裁定やいかに?
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