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 勝ちゃん家庭で楽しむ果物作り
  こんな時どうする



      

第10回

□ ブドウの収穫適期


 ブドウは、庭先果樹として比較的少ない樹種かも知れませんが、それでも簡易な棚やフェンス、車庫などのスペースを利用して「デラウエア」、「キャンベルアーリー」、時には「巨峰」等が植えられているのが見かけられます。

 ブドウの収穫期は、それぞれの品種によって少し異なりますが、甘さ(糖度)や酸味度、着色程度などが目安となります。酸味が減り糖度が上がり、品種特有の香り(マスカットブドウの香りやキャンベルアーリーの様な香り等)が出てくると収穫期です(ほとんど香の無いブドウもありますが)。モモやナシなどは、収穫適期は比較的短いのですが、ブドウは、果実が着色し、糖度も上がり食べられるようになってからも、比較的長期間、樹上に置くことができます。ただそのまま置いておくと「晩腐病」等にかかる場合があるので注意が必要です。

 ちなみに品種別に見た熟期判定の目安は、「デラウエア」では糖度が18度以上、甘味比(糖度と酸度の比)が30〜35で果皮色が紫赤色のもの、「巨峰」では糖度17度以上、甘味比が30〜35で果皮色が濃紫黒色のもの、「ネオ・マスカット」では16度以上、甘味比が25〜30、果皮色が黄緑色のものです。

 ただ、家庭では糖度や酸を簡単に測ることができないので、開花後からの日数や果皮色が目安となります。「デラウエア」では70〜75日、「巨峰」では85〜90日、「ネオ・マスカット」では95〜100日)です。

 果皮色や日数を参考にしながら着色の進んだ果実を食味して収穫してください。房の中では先端の方が果梗側より成熟が遅れるので、先端の果実を食べて美味しければ収穫可能と考えます。

 ブドウが着色を始める頃に暑い日が続き、特に夜温が高いと、本来、赤や黒に着色するブドウ品種が着色不良となり、「巨峰」など黒色のブドウでは赤褐色や赤紫色程度までしか色が付きません。また沢山成らせすぎて糖度が上がらない場合も黒く着色しません。前者の場合は甘みは十分ありますが、後者は甘味不足であまり美味しくありません。

注)甘味比とは、糖度(屈折計示度)と酸含量を測定し、糖度を酸含量で割った値。例:糖度18で酸含量0.6%の場合は、甘味比は30となります。


(2005/8/12記)




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