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第15回
□ カキの病害虫防除
庭先のカキの実が一段と大きくなり、早生種では黄色く色づき始めています。このまま収穫期を迎えたいと期待したいところですが、本来、成熟期ではないのに、未熟の青いカキに混じって赤くなった果実が目につくことがあります。同時に落果も目立ちます。これは生理的な落下も一部あるかも知れませんが、大部分は「カキノヘタムシガ」の被害と思われます。「カキノヘタムシガ」につきましては第9回でお話ししましたが、農薬散布をしなかたり、散布しても「難を逃れたカキノヘタムシガ」が再発生したためと思われます。残念ながら、今となっては防除法はありません。
そこで今回は、来年のためにカキの病害虫防除についてお話ししたいと思います。カキの病気には、うどん粉病、炭疽病、落葉病などがあります。害虫ではカキノヘタムシガ、カキクダアザミウマ、チャノキイロアザミウマ、コナカイガラムシ類、ハマキムシ、カキノヘタムシガ、イラガ類、カメムシ類、アメリカシロヒトリガなどです。
家庭果樹で防ぎたいカキの主な病気は落葉病で「円星(まるほし)落葉病」と「角斑(かくはん)落葉病」があります。樹勢の弱ったときに多発しますので、落葉病を防ぐには健全な樹勢を保つようすることが大切です。「円星落葉病」の感染時期は5〜6月、「角斑落葉病」は5〜7月なので、防除するためにはこの時期にキノンドー水和剤やトップジンM水和剤等の殺菌剤の散布すると良いでしょう。ちなみに「円星落葉病」の発病時期は9月上旬〜9月中下旬で、「角斑落葉病」は7月〜落葉期にかけてです。
カキの主な害虫はカキノヘタムシガ、イラガ類、アメリカシロヒトリガです。イラガ類やアメリカシロヒトリガは早いものは6月の終わり頃から葉の裏に卵を産み付け、孵化後の幼齢虫は1枚の葉にかたまっています。日頃から注意していてこの時期に卵や幼齢虫を捕殺することが出来れば被害は防げます。見逃すと幼虫が樹全体に散らばり葉を食害するので、被害が大きくなります。そうなってしまったときは7月上旬から8月上旬にかけてスミチオンなどの殺虫剤を散布して防ぎます。
家庭果樹の病害虫防除は、冬季の石灰硫黄合剤散布、マシン油散布、粗皮削り、落葉の処分で防げます。適切な時期に農薬散布を行い、農薬の少ないカキつくりを心がけてみましょう。
(2005/10/12記)
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