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第16回
□ カキの施肥について(その1)
果樹は、一般的に12月〜1月の基肥を中心に施肥をします。そして、樹の成育等を見ながら、必要に応じて3〜4月頃に芽出し肥、6月頃に玉肥、10月頃にお礼肥などの追肥を行います。ただ、追肥の時期を誤ると着色や成熟の遅れ、糖度が上がらない等、果実の品質に悪影響が出たり、秋遅くまで新梢が伸びて枝の貯蔵養分が不足したりします。
最近行われたカキの施肥試験の結果によれば、10月以降に吸収された窒素成分の多くは、根の中・細根部分に蓄積され、果実品質への悪影響が少なく、果実生産によって消耗した樹体を早期に回復し、貯蔵養分が増加するとしています。このことから秋季の追肥をこれまでより多く施肥するのがよいと結論づけています。基肥も樹体への早期吸収を目的に11月から実施する例も見られます。
庭先果樹の施肥も果樹園で行われている施肥方法を参考にして行えばよい分けですが、農家の果樹園と庭先果樹では条件が大きく異なることと、樹の状態を見ながら施肥量を決めるのは難しいと思われます。
そこで、庭先果樹の施肥は、堆肥等の有機質肥料を中心に化成肥料を補助的にして、秋(10月中旬頃)に年間の施肥量全部を施すのがよいでしょう。 施肥量は、剪定の程度や土壌の種類とも関係が深く単純ではないのですが今まで行われた色々な試験の結果から、果樹の種類ごとの施肥基準が決められています。カキでも年間の施肥量の基準が決められているので家庭果樹でもそれらを参考に決めれば良いと思います。カキに対する施肥量、施肥方法等は次号で紹介します。
【用語解説】 芽出し肥(めだしごえ):木に対して新芽のでる時期に肥料を施すこと。春肥。
玉肥(たまごえ):幼果の肥大、樹勢維持、翌年の花芽(雄花などの分化) のために撒く肥料のこと。夏肥
お礼肥(おれいごえ):実を収穫した直後に弱った樹を回復させ、翌年の新しょう伸長、雌花の増加のために施す肥料のこと。速効性の肥料を使う。秋肥。
(2005/10/26記)
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