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 勝ちゃん家庭で楽しむ果物作り
  こんな時どうする



      

第17回

□ カキの施肥について(その2)


(1)施肥量

 施す肥料の量は果実の生産量や、樹体の大きさなどによって決められています。15年以上の成木で、10a当たり窒素肥料は窒素成分量として15kg〜20kg、燐酸肥料はリン酸成分量として15〜23kg、加里肥料はカリ成分量として18〜25kgくらい施されています。これを単純に1本当たりに換算して庭先に当てはめるわけには行きませんが、一応の目安にはなります。10a当たりに30本植えられていると1本当たり窒素肥料の窒素成分量として0.5〜0.7kgとなります。庭先の大きな成木であれば、1本当たりに換算した同じ量か半分程度の成分量を施せば良いと思います。

 そのため、窒素、リン酸、カリがそれぞれ10%の割合で含まれている化成肥料を施肥する場合の施肥量は5kg〜7kgの半分程度の2.5kg〜3.5kgとなります。堆肥など有機質肥料を併用する場合は、施す量にもよりますが、化成肥料は2kg程度で良いと思います。

(2)施肥位置と施肥法

 一般には樹冠(樹木の枝葉の広がり)と根群の横への広がり(水平分布)の間には密接な関係があります。普通、根は枝や葉の広がりより、さらに広く分布していると考えられます。樹の幹付近には実際に養分や水分を吸収する細根が少ないので、幹の近くに施肥するより樹冠全面に施用することが良いと思われます。ただし、全面に草などが生えている場合、全面に施肥すると草が肥料を利用してしまうので、こうした場合は地面に穴を掘り局所的に施肥したほうが効果的なこともあります。また、縦溝、横溝、あるいは輪状(樹の大きさによって2重、3重とする)に溝を掘り施用する方法もあります。

 肥料だけで上手に樹を育てることは出来ませんが、施肥は大切な基本の一つです。良い果実が収穫できるよう観察しながら施肥量を加減しましょう。



(2005/10/28記)



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