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 勝ちゃん家庭で楽しむ果物作り
  こんな時どうする



      

第18回

□ ブドウの施肥について


 小粒で甘い「デラウエア」や大粒の「巨峰」が庭先に植えられているのがよく見られます。仕立ては、フェンスに匍わせたものやカーポートを利用した雨よけ的なもの、軒先を利用した棚仕立てなどがみられます。

 施肥はどうされているのでしょうか。肥料を施している方もおられれば、全然施さない方もおられると思います。農家のブドウ栽培の現場では、施肥試験によって求めた数値から、成木果樹園で10a当たりブドウ15本植えの施肥量は「デラウエア」や「キャンベルアーリー」などでは窒素成分量として12〜15kgです。施肥量の割合は、窒素成分12:リン酸成分8:カリ成分10です。

 「巨峰」などの大粒で樹勢の強い品種では、樹の勢いを抑え実の付きをよくするため、肥料は少なめが基本です。特に「巨峰」などの4倍体系統の品種では、窒素肥料を多く施肥すると木の勢いが強くなり実が止まりにくくなります。特に、開花・結実期に花振るいとか花流れと呼ばれている生理的な落果が起きやすいので肥料は、窒素成分量として2〜8kgとし、「デラウエア」などより少なくします。施肥量の割合は、窒素成分8:リン酸成分8:カリ成分8です。

 上記の施肥量を1本当たり換算すると「デラウエア」などでは窒素成分量として1kg程度、「巨峰」などでは窒素成分量として0.5kg程度になります。また、庭先での施肥は植えてから4,5年はほとんど無肥料で十分です。そして、樹が落ち着き果実がたくさんとれるようになったら堆肥と窒素成分量に見合う少量の化成肥料を基肥として施せばよいと思います。根は幹より遠くまで広がっているので、施す位置は広めにしましょう。

 他の果樹の場合、大木になるか、単位当たりの植える本数は何本か、収穫量は多いか少ないか、土壌の種類はどうかによって施肥量は異なりますが、考え方はブドウと同じでよいと思います。参考に、別の種類の果樹に対する施肥量を上げておきます。温州ミカンでは窒素成分として1本当たり約0.6〜1.2kg、モモでは窒素成分として1本当たり約0.4〜0.6kg、ニホンナシでは窒素成分として1本当たり約0.5〜0.6kgです。


(2005/11/4記)



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