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第19回
□ 庭先果樹の整枝・剪定
この時期になるとよく質問を受けるのが、「整枝・剪定は何のために行うのか?」、「剪定はしなければいけないか?」や「その時期はいつか?」などです。そこで、これから数回に分けて、整枝・剪定についてお話ししたいと思います。
【整枝・剪定の目的】
剪定とは枝を切ることです。そのことにより樹形を整えることを整枝といい果樹栽培では整枝・剪定と一つの言葉で表しています。整枝・剪定の目的を大きく分けると以下の通りです。
1) 種類・品種の特性にあった樹の姿を尊重しながら、栽培管理などの作業が容易になるような樹形にすること。
2) 主幹・主枝・亜主枝・側枝・結果枝など、それぞれの枝が釣合のとれた状態になり、果実の重みを支え、かつ、気象災害などに十分耐えられる丈夫な骨格をつくること。
3) 枝や葉と果実との比を片方に偏ることなく、この比を適正に保ち隔年結果を防止すること。
4) 樹冠全体に日射が十分にいきわたるように枝を配置し、品質の揃った優良な果実を生産すること。
5) 病害虫に侵されている枝を除去し、病害虫の発生を少なくすること。
6) 樹の勢いを調整し、樹が大きくなりすぎないようにすること。
などですが、整枝・剪定は、冬期の剪定だけでは目的を達成することはできません。新梢の管理や枝の誘引など、夏場の剪定をはじめとした、様々な管理作業が一体となってはじめて目的を達成することができます。枝を切る場合、どの様に切るかは果樹に共通した面と、果樹の種類によって異なる面とがあります。
そのため、多くの方が、果樹の剪定は難しいと考えておられます。果樹の種類によって整枝・剪定が異なる理由は、枝への花芽の付き方、花の咲き方、実の付き方が異なるためです。園芸学ではこのことを結果習性といいます。例えば、種類によっては、枝を切ると花芽がなくなってしまう場合があります。そのため結果習性を知ることは、果実を成らせるための剪定の第一歩であるといえましょう。
そこで次回は、果樹の結果習性についてお話しします。
(2005/11/11記)
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