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 勝ちゃん家庭で楽しむ果物作り
  こんな時どうする



      

第2回

□ モモの袋掛け


 モモも、前回のカキと同様に摘果します。そして、摘果を終えたらモモ果実を無事収穫するために袋掛けをしましょう。モモの果実を病気や害虫から守ることが袋掛けの目的ですが、袋掛けをすると、ヒヨドリなどの鳥害や雹(ひょう)害などの防止や外観を良くすることもできます。

 家庭で楽しむ果樹の場合に掛ける袋の種類は、真っ黒な袋以外であればよいと思います。手作りする場合は、新聞紙や電話帳の紙で十分です。袋の大きさは横幅14〜15cmで縦が16〜17cm程度の大きさとします。
 モモは満開後45日目頃(白桃などでは50〜60日目位)になると生理的に果実が落ちなくなり実止まりが安定しきますので、この頃(5月下旬頃〜今頃まで)に袋掛けを行います。

 ナシやリンゴ、ブドウでは果実と枝の間の軸(果梗)が長いため袋を簡単に掛けられますが、モモは軸が短いので、最初はちょっと難しいかも知れません。袋は、口の開いた方の中央か隅に深さ3cm位切り込みを入れるか、中央を深さ3cm程度の三角状に切り離します。次に、袋をふくらませ、果実が袋の真ん中にくるように夾み、袋の口元部分を両端から中央に向かってジャバラ状に折り寄せて、留め金で口元を丁寧に止めます。袋と中の果実が接触しないように袋をふくらんだ状態にしておきます。また、袋の下を少し切り水抜きとします。口元がしっかり止められていると害虫の侵入を防ぎます。収穫後は袋も留め金も枝に残さないよう取り除くのを忘れないようにしてください。

 市販の袋は大半が止め金付き袋ですが、別売の留め金もあります。手作りの場合は、市販の針金(アルミ製の針金直径1mm程度のものが軟らかくて使いやすい)を4〜5cmに切り、留め金とすればよいでしょう。今年は、袋掛けに挑戦してみませんか。

注1) 市販されている袋の種類は数種類有り、モモ農家では果実生産の目的に合わせて袋を選びます。袋は一枚当たり2円から5円程度のものがあり、メーカー出荷は2,500〜5,000枚で、小売りでは100枚単位で売られているようです。

注2) 袋掛け作業は大変労力がかかるので、袋を掛けなくても済む栽培法が研究され、モモ、ナシ、リンゴなどでは無袋栽培法が開発され実際に使われています。一般的に袋を掛けない方が果実が甘くなります。


(2005/6/17記)



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