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第20回
□ 花芽の付き方、実のなり方いろいろ
その1.純正花芽
果樹は種類によって花芽の付き方や果実のなり方が異なります。このことを結果習性といいます。大部分の果樹の花になる芽は前年の6〜8月頃に、カンキツ類の花になる芽は11月中旬〜2月下旬頃に新梢の側部(腋芽あるいは側芽という)や頂部(頂芽という)などで花芽の分化が始まります。
果樹の花芽の種類は、純正花芽と混合花芽があります。純正花芽とは、1つの芽の中に花だけを含む芽(花芽)のことで、枝として伸長する葉芽は別に付きます。混合花芽とは、外見上は1個に見える芽の中に花を咲かせる芽と葉をつけ枝として伸びる葉芽がいっしょになっている芽です。
純正花芽の花芽は、冬場の剪定時期には葉芽と外見上からも区別できます。こうした純正花芽をつける果樹には、核果類グループのモモ、ウメ、サクランボ(オウトウ)、スモモ、アンズ等です。
ビワやブルーベリーも花芽と葉芽は別々です。
モモやウメは1個の花芽から1個の花が咲きますが、サクランボは1個の花芽から3個程度の花を、ビワやブルーベリーは1個の花芽から沢山の花をつけます。
核果類では、基本的には枝の先端の芽(頂芽)は葉芽となり、枝の側部に花芽と葉芽がつきます。
花芽をつける枝は剪定する時期でいうと前年枝に当たります。従って、果実はこの前年枝につきます。果実をつける前年枝を結果枝といい、短い枝から長い枝があります。10センチ以下のものを短果枝と呼び、30センチ以上のものを長果枝、両方の中間的なものをを中果枝といいます。モモはこれら3種類の結果枝に果実をつけることができますが、ウメやスモモ、サクランボなどは短果枝以外では実が止まりにくい傾向にあります。
モモやウメでは中果枝の基部のほうまで花芽をつけるので、梅園などで見かけるように枝の途中で切って(切り返す)も花は咲きます。
花芽の付き方は果樹ごとに異なるので、それに伴って枝の切り方(剪定)も違ってきます。次回は混合花芽についてお話ししますが、そのあと、果樹の結果習性に基づいた剪定法について紹介します。
(2005/11/11記)
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