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第22回
□ 剪定の実際−その1
前回、花の付き方や実のなり方についてお話ししましたが、こうした果樹の結果習性について思い出していただきながら剪定についてさらに話しを進めたいと思います。
剪定は樹形を整えるために枝を切ることですから、まず、それに適したノコギリやハサミを揃える必要があります。果樹の剪定用に製造・販売してい専門メーカー(剪定鋸(ケース付き):2500円〜5000円程度:剪定鋏(ケース別):2500円〜5000円)のものを利用するのが無難ですが、ホームセンターなどで売られている比較的安いものでも使用はできると思います。こうした道具を扱うときに大切なことは、剪定が終わったときに汚れを取るなどの手入れを怠らないようにして、いつも使いやすくしておくことです。
1)剪定はしなければいけないか
剪定に対する考え方はいろいろあります。例えば、ある剪定の名人曰く「剪定とは切らないことと見つけたり」。またある名人曰く「剪定とは切ることと見つけたり」とか、枝を切るとき「迷ったら切れ」とか、「迷ったら切るな」とかの名(迷)台詞があります。このことを私なりに解釈すれば、どちらも正しいことをいっているのではないかと思います。どの言葉も、切りすぎを戒めるとともに、樹には不要な枝はないことを示しています。そのため、樹勢の維持や結実管理のためには樹の特性に合わせた適切な剪定が必要です。
樹種によっては放任すると大きくなりすぎて樹形が乱れてしまうものがあります。この様な樹種では毎年剪定を行い管理しやすい樹形を維持することが大切です。一方、1年間の生長量が小さく樹形もそんなに大きく変わらないものでは剪定は軽めでも良いかも知れません。このことは、樹型の管理についてだけでなく、それぞれの枝の剪定にも当てはまります。
いずれにしても良果生産には、切りすぎないよう適度な剪定によって枝数を調整し、枝を充実させ、花や果実の量を制限して品質のよい実を付けるようにするのが剪定です。
ただ、どのような剪定をする場合でも、樹には不要な枝はないのだが、目的に合わせてやむを得ず切るのだとの気持ちを持ちたいものです。剪定だけで品質のよい果実の生産を達成しようとすると枝を切りすぎてしまいます。そのため、できるだけ切らなくて済むような樹形を作るには芽かき、捻枝(ねんし)、誘引などの管理も併せて行うことが大切です。
2)剪定の時期
落葉果樹の剪定は12〜2月の冬季に果樹が休眠している時期に剪定し、春からの成長に備えます。特に枝の切り口から養水分が流失し易いブドウやキウイフルーツでは1月中に行います。寒さに弱いカンキツ類は発芽直前の2月下旬から3月下旬頃に行います。一方、冬の間に花が咲き実の付いているビワなどは9月に行います。
春先からの夏の成長期は、樹形を乱すように大きくなると予想される元気の良い芽や同じ場所から多数発芽して混雑の予想される部分では、芽かきを中心とし、摘芯、新しい枝の間引きや誘引もこの時期に行ましょう。
(2005/12/2記)
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