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 勝ちゃん家庭で楽しむ果物作り
  こんな時どうする



      

第24回

□ 剪定の実際 − 結実樹の剪定順序


 剪定をする前に、まず、剪定対象樹全体を眺められる位置に立ち、樹全体をよく観察して剪定の構想を決めます。樹全体の大きさはどうか、枝の混み具合はどうか、枝の伸びはどうか、隣接樹との枝の接し具合はどうかについて状況を良く見極めます。そして、樹全体を小さくする(縮伐、樹高の切り下げ)かどうか、大枝を切り取る必要があるかどうかを決めます。

 剪定の構想を決めるときには、前回お話しした果樹栽培の樹形、@主幹形、A変則主幹形、B開心自然形、C開心形(杯状形)、D棚仕立てを参考にします。結実樹の剪定順序は以下の通りです。

1)縮伐や切り下げが必要なら、最初にこの処理をします。次いで枯れ枝を切ります。

2)次に、残しておくと翌年、樹形を乱すような勢いの良い、1年生の枝(徒長枝という)のうち大枝から空に向かって上向きに伸びている枝、樹の内側に向かって伸びている枝(内向枝という)、枝同士が重なり合っている枝(交差枝という)、結果枝のある枝(側枝という)をノコギリで切り取ります。これで剪定の大まかな部分は終わりです。

3)次に、剪定の仕上げを行います。樹の上部から下部に向かって、主枝については先端から基部へ向かって、ノコギリやハサミを使いながら側枝や結果枝が適度な間隔になるように間引き剪定します。

4)最後に、結果枝を切り返します。結果枝の切り返しは花芽や葉芽の位置をよく確認しながら、結果枝を伸ばしたい場合は枝の先端から三分の一か二分の一程度に切り返します。果実を成らせたい場合は結果枝をほとんど切り返さないか、五分の一あるいは四分の一程度に切り返します。

 果実をならせる剪定を続けていると切り返しが弱いため、どうしても結果部位は先端の方になってしまいがちなので、意識して、結果部位を枝のつけ根の方(基本的には幹)に近づけるように間引剪定や切り返し剪定をしてください。


(2005/12/20記)



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