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 勝ちゃん家庭で楽しむ果物作り
  こんな時どうする



      

第26回

□ 剪定の実際 − 剪定用ノコギリの使い方


 枝を切るときのノコギリの使い方の基本は、切り口となる枝の上部を左手でしっかり支え、切る枝の上側から切ります。剪定専用のノコギリは押すときも引くときも切れるため、引くだけで切れるノコギリよりも切り口は滑らかです。

 太い枝を切る場合はノコギリを使いますが、切り方が悪いと切り口の癒合が悪く枯れ込みの原因や病害虫の侵入口となる等、致命傷となる障害につながるので、以下に述べるような切り方を推奨しています。

 比較的大きな枝を切るときは、ノコギリで1度で切り取ろうと枝のつけ根の上側から切り始めると、途中で枝自身の重みで裂けてしまいます。裂けてできるような傷は防がなければなりません。そこで、大きな枝を切るときは、枝を手で支えられる程度に大枝の先端を切り縮め、次に、本当に切りたい部分を切ります。このやり方を「2度切り」と言います。

 もう一つの方法は、はじめに先に切り下ろす予定の位置より少し先の部分を下側から太さの1/2から1/3程度まで切っておき、次に上側から切り下ろすやり方です。枝の上側からノコギリで切っていくと、下側からの切れ込みのために枝の重みで枝がはずれます。そうしたらまだ残っている枝の基の部分をきれいに切り取ります。

 最後に、良く切れる刃物で切り口を削り滑らかにしておきましょう。特に切り口の外周部に当たる皮の内側には形成層という組織があり、きれいにすると切り口の癒合が早くなります。

 大きな枝が除かれると切り口も大きいので病害虫の侵入口となります。そのため、傷口をきれいに削ると共に、乾燥を防ぐため切り口には必ず保護剤を塗っておきましょう。また、大きな枝が切られると樹の貯蔵養分が大きく失われることも覚えておきましょう。細い枝を切る場合は、ノコギリで切る場合もありますが多くは剪定ばさみで切ります。剪定ばさみの使い方は次回お話しします。


(2006/1/20記)



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