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第29回
□ 剪定の実際 − モモの樹の仕立て方
モモは樹勢が旺盛で、果実がなるまでの年数が短いので生産量や品質、樹の寿命に整枝・剪定が大きく係わってきます。そのため、植えつける時に樹と樹の間隔(栽植密度)に注意する必要があり、また、品種や台木に合わせた整枝法を決めておくことも大切です。
1)開心自然形仕立て 一部に主幹形仕立て(主幹を中央にまっすぐ立てる樹の形)もありますが、モモは一般的には開心自然形仕立てが中心です。開心自然形とは、主幹から段をつけて主枝を杯状に開く樹形のことです。ここではこの開心自然形仕立てを中心にお話を進めていきます。
開心自然形仕立てでは、主枝を2本とする方法と3本とする方法がありますが、モモでは3本主枝仕立てをおすすめします。3本主枝仕立ては、2本主枝仕立てに比較して管理労力や樹の作り方がやや難しいのですが、若木時代から剪定は軽目でよいなどの利点があるためです。一方、2本主枝は3本主枝に比較し若木時代の剪定を強くする必要があるので生育や収量がやや劣ります。ただ、樹の作り方は容易で主枝と主枝どうしの均衡をとりやすく、側枝の配置も容易な仕立て法です。
(1)3本主枝仕立て 3本主枝で仕立てる場合の樹と樹の間隔は、正方形に植えるのが良いでしょう。
@主枝の作り方(樹の形を作る最も重要な骨格となる枝) 第1主枝は平地で地上30〜40cmくらい、傾斜地では傾斜の方向に25〜30cmくらいから発生させ、第2主枝は第1主枝の15〜20cm上に、第3主枝はその上に同じ間隔で発生さます。
主枝を発生させる角度は上の主枝ほど立てる様にし、最終的には垂直に対し、第1主枝(最も下の枝)は40〜45度、第2主枝は下から(2番目)で40度、第3主枝(一番上)は30〜35度くらいになるようにします。
3本の主枝を平面的で見れば幹を中心にほぼ等角度(120度)に放射状に枝がでていているようになります。枝のもとから枝の先まで真っ直ぐ太く頑丈に育てることが理想です。
A亜主枝の作り方 1本の主枝から2〜3本、主枝の外側に向かって「主枝より弱く」しかも「主枝に対して鈍角」に発生させます。亜主枝の数は1樹あたり6
〜9本が適当です。ただし、樹が小さく仕上がる場合は、主枝ごとに1本程度に押さえることもあります。 第1主枝の第1亜主枝は、第1主枝のもとから60〜80cm離れたところに発生させます。第2主枝の第1亜主枝は60cm、第3主枝の第1亜主枝は30〜50cm位のところが良いと思います。第2、第3亜主枝は、それぞれ60cm以上の間隔をあけて発生させます。
B側枝の作り方(果実をつける枝) 主枝・亜主枝から発生する枝を側枝といい、果実を実らせる枝で結果枝と呼びます。大小様々な枝がありますが、主枝・亜主枝間のバランスをくずしたり、側枝が相互に交差するような枝は剪定して除くようにします。また、主枝・亜主枝の上部に大きい側枝はおかないようにようにします。
(2006/2/10記)
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