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第32回
□ 剪定の実際 − モモの整枝・剪定の実際
第19回から続けてきました整枝・剪定も今回が最終回です。前回、若木の剪定についてお話ししましたので、今回は成木の整枝・剪定法の実際です。
【成木の剪定】 成木の剪定は冬に行います。植え付け後、6年も経過しますと主枝や亜主枝もできあがり大体目標とする樹形になります。成木になると樹が落ち着き、良い果実の成る中果枝や短果枝が多く付きます。この頃の結果枝には、花芽が多く葉芽が少ない枝も多くなります。そのため、枝を切り返す場合は、葉芽を確認し、少ない場合は切り返さずそのまま残して長果枝だけ切り返しをします。
成木の剪定法は、間引き剪定と切り返し剪定を適度に組み合わせ、果実の沢山成る期間(盛果期)をできるだけ長く保つような樹勢を維持します。側枝の若返りを図るには、側枝が小さくなるように、切り返し剪定をおこないます。それを1本の側枝で見れば、側枝に付いている数本の枝のうちで、できるだけ基部に近い枝を残して更新します。樹齢が進むと主枝・亜主枝が日焼けを生じやすくなるので、弱い側枝などを配置し直射日光を避ける様にし、場合によっては石灰乳などを塗って日焼け防止に努めます。
土壌には有機物の補給や結実量に合った施肥などを行い樹勢強化を図ります。
【夏期(剪定)新梢管理】 冬季の剪定だけで樹形の維持は困難です。生育期間中に行う芽かき、摘心、捻枝、誘引及び収穫前の一部枝抜き、収穫後の側枝の切り返し、新梢の間引きなど新梢管理を総合的におこなう必要があります。
主枝・亜主枝の上側、大枝の切り口などから発生する新梢で徒長枝となりそうな太目のものは早めにかき取るか、5〜6月に捻枝を行って生育を抑えておきます。主枝・亜主枝の延長枝は十分に成長させるために延長枝と競う新梢は除去するか捻枝を行って成長を抑えます。
新梢が樹冠内部に密生し過ぎると日照や風通しが悪くなるので、著しく妨げになるような発育枝などは誘引あるいは間引きなどを行います。そして、翌年の結果枝となる新梢の充実を図るため、側枝の切り返しや過繁茂の新梢の間引きを行います。
果樹栽培では年間を通じての管理が大切です。その中でも剪定は大切なものですが、剪定のためには結果習性を良く理解することが重要です。結果習性に合った管理が出来るようにしたいものです。
果樹の整枝・剪定についてお話ししてきましたが、お分かりいただけたでしょうか。ご質問があればkudamono_kenkou@nm.maff.go.jpまでお寄せ下さい。また、本欄で取り上げてもらいたい樹種や技術についても受け付けていますので、何なりと連絡下さい。
(2006/3/10記)
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