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 勝ちゃん家庭で楽しむ果物作り
  こんな時どうする



      

第43回

□ 家庭で楽しむブルーベリー栽培11
   ブルーベリーの整枝・剪定2


○ 株立ち仕立ての考え方
 ブッシュ(株立ち)となるブルーベリーでは、株を構成する枝(主軸枝という)を数本立てる「株立ち仕立て」とします。成木状態では主軸枝は多くても10本、品種によっては5本程度とします。主軸枝は、良好な結果枝をつける2〜3年枝を中心となるように構成します。4〜5年生となった枝は、主軸枝の本数全体の2割程度とし、毎年更新していくのが良いでしょう。

○ 整枝・剪定の実際
1)植え付け1〜2年目の剪定

 1〜2年生の幼木に果実を成らせてしまうと十分な樹の生育が得られません。そこで本格的に栽培する場合は、樹がある程度の大きさになるまで結実させず、樹を大きく育てることに専念します。ただ、樹を大きくする必要のない鉢植えや庭植えでは、伸ばしたい枝(主軸枝)数本以外の枝に花芽が着いていれば成らせてみるのも良いでしょう。

 良い樹では、株もと近くから勢いの良い枝(シュート)が数本発生しますから、これを2〜3本主軸枝候補として残します。次年度、その枝に勢いの良い新梢を発生させるため先端から1/3程度を剪除(切り返す)します。一方、シュートの発生が1本程度のときや、樹の勢いが弱い時は枝は切らず樹勢の回復を図ります。

2)3年目の剪定
 樹高が1m程度の大きさとなり枝数も多くなってくる3年目頃には充実した枝についた花芽を残し結実させます。弱い枝や株元から出ている枝は、その混雑程度を見ながら主軸枝が3〜4本程度になるように間引きます。

3)4〜5年目以降の剪定
 この樹齢では株立ち仕立ての主軸枝(数本)をできるだけ株全体に均等に配置します。地際から発生した余分な新梢などは除去します。さらに日光が樹冠内部にまで届くように枯れ枝や弱い枝、混み合っている部分を剪定します。

 成木時期は、株立ち仕立ての中心となる主軸枝は充実した結果枝をつける2〜3年枝を中心に構成します。弱くて短い結果枝を多く付けるようになった古い主軸枝は新しい年次の枝に更新します。この更新(間引くことになる)は元気の良い新梢分岐部まで切り戻すか、地際で切ります。その判断は、枝と枝の混み具合を見ながら適宜選択して行います。主軸枝の更新の目安は4〜5年経過した枝を中心に行います。

 また、結果枝に沢山の花芽が着いている場合は、花芽の数を1/2〜1/3程度に減らして結果量の調整を行い、結実率の向上や大粒果実の生産につなげます。

(2006/12/1記)



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