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第9回
□ カキノヘタムシガの防除
Q:カキの実が夏にヘタを残して落果するのですがどうしてですか。
A:カキのヘタに糞があれば、原因はカキノヘタムシガ(カキミガ)による落下ではないかと思います。7月中・下旬から8月中旬までにカキノヘタムシガを防除してください。
今、樹上に付いているカキの実が、このまますんなりと収穫を迎えられれば良いのですが、まだまだ安心できません。これから被害がでる可能性のある病虫害では、「カキノヘタムシガ」が最大の害虫です。
このカキノヘタムシガは、年2回発生しますが、寒冷地方などでは1回発生の地域もあります。1回目の発生は、5月中・下旬から6月上・中旬頃です。産卵場所は、芽、枝、果実、果梗付近で10日〜15日で孵化し、まず最初に着果枝の先端に近い芽を食害し、その後、カキの果実に食入します。1匹の幼虫が数個の果実を加害します。被害期間は6月上旬〜7月中・下旬です。最後に幼虫は果実から出て、ヘタなどに繭を作ります。7月中・下旬〜8月中旬にカキノヘタムシガは、蛹から成虫になり2回目の加害をします。被害が出てからでは、被害果を集めて処分するしかありません。
カキノヘタムシガの防除法は、薬剤による防除が主ですが、越冬している虫を捕殺するための「バンド誘殺」や冬期の「粗皮削り」などもあります。
1)薬剤防除: 1回目と2回目の発生時に、それぞれ1回づつ防除します(1回目6月下旬頃)、(2回目8月上・中旬頃に)。ただ、発生が多い場合はそれぞれ各2回行うと良いでしょう(1回目の発生時は、6月始めに1回、6月中〜下旬に1回、2回目の発生時は7月下旬〜8月上旬に1回、8月中旬に1回)。何回も農薬散布を行いたくない場合は7月下旬〜8月上旬頃に1回散布されてはいかがでしょう。ただし、1回だけの防除ではカキノヘタムシガを完全には防ぎ切れないかも知れません。
【散布薬剤使用例】パダンSG水溶剤1,500〜3,000倍、スミチオン乳剤または水和剤1,000倍を散布(薬剤使用は記載されている使用事項を守り使用してください)。
2)バンド誘殺: 9月上旬頃に比較的大枝の部分(主幹、主枝、亜主枝等)に新聞紙やこも等15〜30cm位の長さのものを巻いておき、カキノヘタムシガをその場所で越冬させます。そして、春先に削りとった粗皮と一緒に焼却処分します。これで虫の密度がかなり減ります。
3)粗皮削り: カキノヘタムシガの越冬場所となる粗皮の部分を削り落とし越冬している虫を捕殺します。
(2005/8/5記)
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