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 家庭菜園の果樹 by 前橋のちーちゃん

      

第11回

□ 桃のむき方―わたし流


木で熟し,皮がツルンとむける,甘い露のしたたる桃。

うまい桃は,むいた手にも味が伝わる。

甘さが,ベタベタと,手にまとわりつく。

新婚の妻のようだ。


そんな桃のむき方には,礼儀がある。

まず,桃を二つに分けるくぼみに,軽くナイフを入れる。

そこから,皮だけをはぐようにむく。

桃はリンゴではない。

リンゴのように,クルクルとむくのは礼儀に反する。

なにせ,皮に美味しい果肉がついて捨てられるからだ。


桃は,芯のところが不味い。

皮で得(とく)した分は,芯で残す。

これが桃のむき方,わたし流である。

究極のムキ方は,素手である。

美味しい桃は,手でも剥ける。

桃のエキスが手肌をきれいにする。





桃を二つに分けるくぼみに,軽くナイフを入れる




皮だけをはぐようにむく




これが究極のむき方だ


(2005/7/9記)




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