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 家庭菜園の果樹 by 前橋のちーちゃん

      

第39回

□ 彼岸花



「この花、好きですか?」
唐突に聞かれた。
大好きな花だが、なぜか大人は嫌った。
手折って持つと、ダラッと、ぬめりが零れた。
でも、燃えるような緋色と焔のような花びらが、不安な人生を打ち消してくれるように思えた。

その花は、各村の人々の心に残る花なのか、異名(別称・俗称)が多かった。

「その花の俗称のいろいろ」
曼珠沙華(マンジュシャゲ)・・・・これは梵語で「赤い花」という意味。
赤花(アカバナ)・・・・花の色から。
彼岸花(ヒガンバナ)・・・・咲く時期が、彼岸の頃。(正式名称です)
葉知らず(ハシラズ)・・・・花が咲く頃には、「葉がない、花は葉を知らない」という意味。
葉知らず花知らず(ハシラズハナシラズ)・・・・上と同じことから
歯っかけババア(ハカッケババア)・・・・上と同じことから(歯=葉)
火事花(カジバナ)・・・・花の形状と家に置きたくないという意味

なぜ、大人は、この花を家に入れるのをいやがったのだろうか。
それは、この花には毒があるからである。そこでズバリ
毒花(ドクバナ)というものまである。

短い花の時期が終わると、スイセンに似た葉を出し、
翌年の春に枯れるまで、長い葉だけを残し、鱗茎に栄養を蓄える。

さてみなさんの地方では、この花を何と呼んでいますか?






(2005/09/22)




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